今回は具体的な「妙なる仕事」について語るつもりで、沢山ある仕事の中から伝統的なチベット社会に存在した仕事に絞ろうと思います。
それは、チベットの「絶滅収容所」で消された人々への「供養」とする狙いがあり、最初に「農民」としたのはこれがチベット人の大半が従事していた仕事だからです。
これまでにも「農」については沢山語って来ましたが、今回は総括的に「農民」を論じるので久しぶりに「十如是」の論法を用いさせて貰います。
これは「妙法蓮華経」の方便本に依り、「如是」の後に「相、性、体、力、作、因、縁、果、報、本末究境等」と続く、ブッタの方便法とされるモノです。
さっそく「農民」の「相」に入ります。この仕事は大抵の国で政府の助成金によって成り立っており、現代の経済性とはあまりマッチングしない「相」と言えます。
もちろん日本でも農業は助成金で成り立っており、それが当たり前だとする締観が一般化しておりますが、本来の農業とは「生産者」の役割を担うモノであり、チベット農業ではずっとエネルギー効率でプラスを達成していました。(「グリーンレボリューションの暴力」を参照)
ここで一旦農民の「性」に寄り道しますと、どの国でも経済性の無い仕事は女性に任されて来ました。
これについては以前紹介した「洟をたらした神」(吉野せい)が非常の善く述べており、女性と植物との共感性はとても優れているのですが、そうした優れた農民がいかに経済的に苦しんで、その中でも逞しく生き延びて来たかが切実に語られています。
次に「体」へ移らせて貰い、まずは現代で主流と成っている化学農法について述べます。
これはリン鉱石の枯渇により近い内に立ち行かなくなるコトが予見されていおり(「ナウル」で調べてみて下さい)、以前に紹介したマイケル-ムーアの予言書「アホでマヌケなアメリカ白人」でも、それによる「人口激減」が予測されております。
これに具体的な解決策を示す書としては、Dr.Higaの「地球を救う大変革」以外には無いような気が致します。
これは「有効微生物群(EM)」を用いた有機農法の「力」について述べた本で、それはリン鉱石や石油系肥料を一切用いずとも、土壌生態系の「力」により生産性で化学農法を上回るコトが可能であると示しています。
これは化学農法が最高だと信奉する人達には信じ難いのですが、実際に農業の現場で「限界突破」は起こっているので、無闇に否定するコトは出来ません。
この「力」を生む「作」を挙げますと、乳酸菌が「浄菌土」を生み、酵母が「発酵土」を生み、光合成細菌が「合成土」を生んで、これらが三位一体の働きをするコトで「発酵合成土」を生みます。
これは土壌ミネラルを非常に効率的に作物へ渡せる「土」で、「超微量ミネラル」を含む健康的な作物が生まれます。
現代病と言われるガンや糖尿病、自己免疫疾患や精神病などの「因」は、「超ミネラルがあなたの健康を守る」など最新の必須ミネラルの知見を述べた本によりますと、化学農法による食物ミネラルの欠乏が主因だとされています。
次に「縁」を語りますと、こうした必須ミネラルへの理解が格段に進んだ背景には、「酵素学の大変革」があります。
最近まで数百種しか解明されていなかった生体酵素は、近年一気に数万種に達する勢いでその理解が進み、酵素の反応核と成る超ミネラルの重要性が認識される様になりました。
超ミネラルが豊富な食物を食べれば、体内の酵素活性が高まって、根元的なセントラルドグマ(DNAの新陳代謝)も活発化します。
これはDNAのエラーを修復しながら新しい細胞を沢山生み出し、生体を若返らせながら慢性病を改善する「果」が得られます。
これが医学界にもたらす「報」は計り知れないモノがあり、予防医学の発展により医療費は格段に抑えられ、医者の仕事も格段に少なくなると予測されます。
もちろん料理界にもたらす「報」も大きく、調味料なしでも自然の風味(ファイトケミカルの味)で美味しく食べられ、食物をもっと大事に頂く姿勢に経がるかとも思います。
最後に「本末究境等」として、農民こそが私達の文明を支える最も重要な仕事人であると、一般に人々が認める様になって、仏教とキリスト教が共に理想とする「義農の世」が早く来るコトを願っています。