真の動物福祉牧場を目指して

2人のエクソダス No.3

 今回はまず、以前に「秀祥の福音書」として描いた、使徒タハとカレンの「2人のエクソダス」について少し補足させて貰います。

 そこでは「パレスチナの王子タハ」を、シェイクスピアの時代からタイムスリップして来たような男としましたが、それはつまり「至純な心」を持つというコトです。
 これは現代の男とは比べモノにならないほどの「真剣な愛」を持つコトを意味し、そんな男に恋する女性は現代でも多く居ります。

 「光の子カレン」もそんなロマンチストの女性で、彼女はユダヤ人の中で最も裕福な家系、ロスチャイルド家の子女とします。
 この世界一有名な「死の商人」については、ずっと前に「Synの物語」の「戦争の親玉」の回で物語り、3人の主人公の1人、秦天臣によって「審」が下されるとしました。

 今回は趣向を変えて、そんな「死の商人」の家から飛び出した「光の子カレン」を描き、彼女のキャラクターは「富の女神ラクシュミー」とエコーさせます。
 それはつまり、「Sunの物語」のラクシュミー(楽須弥)が恋する相手であるビジェイにも、タハと共通する「至純な心」を持たせるというコトで、この「クリシュナ」のコードネームを獲得したSFF隊員は、一躍世界の注目を集める「台風の目」となります。

 これは「戦いの女神カーリー」の方が本命ではありますが、リタと一緒にメーヴェでウラン鉱山から「エクソダス」を果たしたビジェイの「武勇伝」は、メディアから大いに注目されます。
 それは「核爆発の爆風によって高度1万メートルまで吹き飛ばされたコトで、包囲殲滅戦から脱するコトができた」と云った武勇伝で、こんな話はビジェイの様な「至純の心」を持つ男でないと信じて貰えなかったでしょう。

 彼が積極的にメディアの取材を受けた理由は、多くの亡くなった戦友達の生き様を証言して弔うタメでしたが、多くのギャラを得て故郷のカシミールに錦を飾るタメでもありました。
 もともとビジェイがSFFに入隊した理由はお金のタメで、カシミールは「インパ紛争」に巻き込まれ疲弊してしまい、近未来では紛争は収まりましたが、まだ故郷は貧しいままでした。

 そんなビジェイにとって、真の「エクソダス」と成ったのはラクシュミーとの出会いでした。
 彼女は「アバター(救世主)-クリシュナ」のファンでシェイクスピアも愛読しており、ビジェイの武勇伝に最も心を動かされた女性となります。

 それはリタとビジェイも、ダラムサラーの「法の家」の同じ屋根の下で暮したからで、2人の報告を受けてそれを如何にメディアに流すかを検討したのは、主にラクシュミーだったからです。
 彼女はビリオネアとしての人脈を活かして多くのメディアを集めて、ウラン鉱山での半年以上に渡った蜂起を「聖戦」としてアピールします。

 その仕事をビジェイは見事に果たし、リタとの共著で出した回想録でも、非常にクールで熱い語り口を魅せます。
 それでもやはり「台風の目」はリタ-メイにあり、彼女の拙い文章によって語られた漢族兵の捕虜達と友情を結んだ話は、多くの中国の若者達の心に「エクソダス」をもたらします。

 
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