~夢

私語りメモ

ドームがたり

2017-06-26 20:00:00 | 絵本(中高)


ドームがたり
アーサー・ビナード 作
スズキ コージ 画
玉川大学出版部
小学校中学年~向け(9分)


読みたくない

表紙を見た瞬間 絵本を開くのが 怖くなった

画が訴えかけてくる 力の大きさ
描かれる光景が 想像できるだけに
躊躇してしまう
まるで
広島平和祈念資料館を訪れたときのよう

でも 違っていた
確かに その瞬間の恐怖は 絵本の中に 横たわっている
でも 予想したものと 異なる
絵本だから ということではない

恐怖は その瞬間だけではない
目に見えるもの だけではない

本当の恐怖は 
その瞬間から 永遠と思えるくらい長く 続くこと
飛び散った つぶつぶの小さなカケラ
じりじりふえる 見えないウランのカケラによって

 あいにきてくれて、ありがとう

原爆ドームのかたりによる 自分史
生まれ落ちたときから
名前とその役割が どんどん変化していく

そして 

あの日を境に 姿が変わる
被ばくすることの 内なる恐怖
カケラによって 
生きものに害を与えるかもしれない 哀しみと孤独
  
読み終えて初めて理解した 表紙と裏表紙の意味
圧倒的な画の力
感情だけではなく 冷静な視線をもった語り口
作者の強いメッセージが 伝わってくる絵本

読み聞かせには ちょっとした覚悟がいりそう・・・


コメント
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