~夢

私語りメモ

むらの英雄

2017-06-24 20:00:00 | 絵本(中高)


むらの英雄 エチオピアのむかしばなし
わたなべ しげお 文
にしむら しげお 絵
瑞雲舎
小学校中~高学年向け(6分)


10人のはずなのに 「11人もいる!」 

もとい

12人のはずなのに 「11人しかいない」

自分を入れずに数えたため 起こった
「だれかが いない」

誰がいないのか わからないのに
何故いないのか わからないのに
どんどん作り上がる 人物像

笑ってしまうけど 
ここまで 大げさではないけど
実際 こういうことあるよね
いつの間にか 話が大きくなること

最後には「12人ともいる」ってわかるんだろうな
なんて 読み進めると
確かに「12人ともいる」ってわかる
実際の私達なら 今までの勘違いを 照れ隠し
なんだろうけど・・・・・・

この物語の本当の偉大さは ここから始まる

「いいね
私は たくさん押したい気分なんだけど
子ども達は どうなんでしょうね

アディ・ニハァスむらの英雄
エチオピアの人々の
のんびりとした おおらかな気質を 感じることができる
楽しい絵本

1983年にペンギン社から刊行された絵本の新装復刊
絵も新しく鮮やかになっています


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キツネとねがいごと

2017-06-23 20:00:00 | 絵本(中高)


キツネとねがいごと
作 カトリーン・シェーラー
訳 松永美穂
西村書店
小学校中学年~向け(9分)


かじったリンゴを持つ 寂しそうな目をしたキツネ
その後ろに寄り添うように立つ 白い影

ねがいごととは 何か?

彼は 幸せに生きたかった

 永遠に-

でも 

 永遠に 幸せに生き続けることができるのだろうか?

生と死 繰り返されることによって 生命がつながってゆく世界
この世界の中で
永遠に生きることは 孤独であるということ
孤独の中で生きていくことの むなしさ

生命のつながりの中で 生きていく
幸せに生きるとは その長さではないということ
限られた命だからこそ
つながりを感じながら 今 一瞬一瞬を 精一杯生きること

そんなことを 考えさせてくれた絵本


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マグナス・マクシマス、なんでもはかります

2017-06-22 20:00:00 | 絵本(中高)


マグナス・マクシマス、なんでもはかります
文 キャスリーン・T・ペリー
絵 S.D.シンドラー
訳 福本友美子
光村教育図書
小学校中~高学年向け(11分)


韻を踏んだタイトル そして 表紙の絵
しかも S.D.シンドラー
なんなとく コメディーを想像して 手に取ったが・・・

「マグナス・マクシマスにはからせれば、まちがいない!」

はかることが大好きなおじさんで
はかること以外 見向きもしない
事件が起こっても オタクの道 まっしぐら
おかげで 英雄になったりもする

はかる道具の 多彩さ
理科オタクの子どもがいれば 喜びそう
「これ何?」って 聞かれたら ちょっとやばいけど
「調べてみようね」ってごまかそう

さて マグナス・マクシマス
ある日 めがねが壊れてしまい はかることができなくなる

めがね1つで 世界が変わる

よく見えると 見えなくて
見えないと よく見えるものがある

見えないことによって 初めて 
マグナス・マクシマスが 触れたり 感じたりしたもの

人と触れ合うことの暖かさ
自然の豊かさ 美しさ
貴重な 大切な ゆったりと流れる時間

確かに大切にしなくては と自分自身に思う
めがねをはずす時間をつくること

読み聞かせとしては 展開に達するまでが長いので
子ども達が 途中で飽きてしまうかもしれない

疲れた大人にこそ読んでもらいたい そんな絵本

ちなみに

 マグナス・・・マグヌス効果
      回転する物体に回転軸に垂直な方向に流れがあたるとき、
      両者に対して垂直な方向に力が働く現象
 マクシマス・・・マクシムス(偉大な)

という意味のようです 


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ばあばは、だいじょうぶ

2017-06-21 20:00:00 | 絵本(低中高)


ばあばは、だいじょうぶ
楠 章子 作
いしいつとむ 絵
童心社
小学校低学年~向け(8分)


幼児向けでも 高学年で だいじょうぶ
なら 
低学年向け課題図書でも 高学年で だいじょうぶだろう
ということで
手にとってはみたが・・・

認知症に関しては 共感できることが多い
著者が書いているように
私自身も 登場人物に 自分を重ねてしまう
現実を重ねてしまう
絵本を 絵本そのままに 届けることができるか
自信がない

同じ思いを持つ人々にも
その思いを知らない人々にも
子ども達にも
だいじょうぶ という言葉の
 思いやる心 優しさ 大きさ 重さ
暖かな絵とともに 届けたい絵本

読み聞かせで届けるには
私自身が 思いを整理する必要がありそうだ

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きもち

2017-06-20 20:00:00 | 絵本(幼低中)


きもち
さく ジャナン・ケイン
やく いしい むつみ
少年写真新聞社
幼児~小学校中学年向け(4~5分)


おとなだって 子どもだって
『きもち』を表すのは むずかしい

作者は イラストレーターで グラフィックデザイナー
彼女の ふたりの娘さんが 小さい頃
感情の<言葉の本>が見つからなかったため
ふたりの娘さんやその友達の協力で 作った絵本

ノリノリ、イライラ、うれしい、かなしいー

その表情 色合い 
ストレートに わかりやすく 伝わってくる
『きもち』と それを表す『言葉』

そして

ページをめくる度
『きもち』を表す『言葉』によって
『自分自身』を見つめていることに気づく

それは 小さい子どもも おとなも 同じだろう

読み聞かせで おそらく 子ども達は
1つ1つの『きもち』を 自分自身に重ねるだろう
たとえられている事柄が 少し幼いから
高学年での読み聞かせは 難しいかもしれない

保護者のみなさんへ と書かれているページも
集団での読み聞かせでは あえて 考えない方が良いかな

ただ

 似たものにみえる感情にも違いがある

私自身も『言葉』を見つけ続けて行きたい


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