2014年6月23日月曜日。
私の母が、卵巣癌で息を引き取りました。
60歳と2ヶ月でした。
母の卵巣癌が見つかってから亡くなるまでのことを、私の記録として、そして今も癌と闘っている誰かのために書き残したいと思います。
今日は癌の手術が終わるまでです。
------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------
癌かもしれないとわかってから、母がぽつりと言ったことがありました。
「死ぬのは怖くないんだ。でも、癌って痛いっていうでしょ? 痛いのは嫌だな」
と。
これは、治療の最後までの母の意思として方針になりました。
当然ですが、痛いよりも痛くない方がいいわけですね。
それでも、母には痛い思いをさせてしまいました。
昔の人なので、何でも我慢してしまうんですね。
少し調べればわかることですが、さらっとおさらいを。
卵巣は骨盤の中にある小さな臓器です。
なので、癌で多少大きくなったとしても自覚症状がなく、見つけにくいです。
さらに大きくなって、骨盤からぽこっと飛び出したとき、お腹が出っ張って太ったかな?
という自覚症状が出て、病院に行ったときには癌が進んでしまっているということが多いようです。
がん検診をしているから大丈夫、というのも誤解ですね。
普段婦人科のがん検診として行われているのは子宮頸癌の検診です。
子宮頸部を綿棒のようなものでこすって組織をとり、行う検査です。
卵巣の様子は、膣から超音波で見るとわかるらしいです。
ですが、卵巣癌を100パーセントみつけられるかといえばそうでもないらしく、一年に一度超音波で見ていたからといっても、いきなり癌として進んでいるということもあるようです。
ちなみに私の母は、卵巣癌が見つかった年の1月に、私と一緒に子宮頸癌と乳癌の検査はやりました。
当然、異常なしでした。
紹介された病院に行った母は、色々と検査しました。
左の卵巣がお腹いっぱいに腫れている。
CTでははみ出してしまい、正確な大きさはわからないということでした。
MRIがとれればよかったのですが、母のお腹に避妊リングが入っており、それが癒着してとれなくなっていました。
素材が金属という可能性もあるので、この時点でMRIはとれませんでした。
検査の結果、「卵巣が大きく腫れ上がり、何か良くない状態になっていると思われる」…だったかな?
そんな報告を受けた気がします。
癌だとは思われるという説明だった気がします。
でも、この時点では癌とは断定しません。
卵巣癌は、どんなに大きくなっても良性という可能性があるかららしいです。
小さな可能性でも、良性であってほしいというのが、もちろん私たちの願いでした。
結果が分かるのは、卵巣を手術でとり、とったものを顕微鏡で見てからだそうです。
お腹にある間に刺したりして検査はしません。
検査の過程で、腹腔内にガン細胞が散らばることになるからだと思います。
手術を12月の上旬の予定でとってもらい(この時点で一ヶ月後)、それまではなす術もなく。
どんどん大きくなり、苦しくて夜も眠れないという母を見るのがつらかったです。
病院で何度か腹水を抜いてもらいました。
2リットルだったかな。
その日は楽になりましたが、また数日後にはパンパンで、一週間なんてとてももちませんでした。
状態が悪いので、12月上旬の手術を11月下旬に移動してもらえました。
癌が大きいので開腹だけで終わるかもしれない。
全てとれるとも限らないと言われました。
手術は3時間ほどで終わり、両側の卵巣、卵管、子宮の全摘出。
大網の切除が行われました。
運良く、開腹のみだけではなく、摘出がされました。
摘出された卵巣を見ましたが、本当に両手でないと持てないくらいの大きさになっていました。
摘出するところは摘出したが、腹腔内がざらざらした感じになっている。
多分、お腹の中に癌細胞が広がっていると思う。
あと半年、で死んでしまうということも考えられると、手術直後に言われました。
とりあえず、大きくなった卵巣が取れたのだから、抗がん剤が効いていい結果になるかもしれない。
お腹に水がたまらなくなったら、少しは楽になる。
…私たち家族に、半年という言葉はとても重い言葉でしたが、この時点ではまず手術がうまくいってよかった。
そう考えていました。
2016.4.19誤字訂正
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私の母が、卵巣癌で息を引き取りました。
60歳と2ヶ月でした。
母の卵巣癌が見つかってから亡くなるまでのことを、私の記録として、そして今も癌と闘っている誰かのために書き残したいと思います。
今日は癌の手術が終わるまでです。
------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------ ◇ ------
癌かもしれないとわかってから、母がぽつりと言ったことがありました。
「死ぬのは怖くないんだ。でも、癌って痛いっていうでしょ? 痛いのは嫌だな」
と。
これは、治療の最後までの母の意思として方針になりました。
当然ですが、痛いよりも痛くない方がいいわけですね。
それでも、母には痛い思いをさせてしまいました。
昔の人なので、何でも我慢してしまうんですね。
少し調べればわかることですが、さらっとおさらいを。
卵巣は骨盤の中にある小さな臓器です。
なので、癌で多少大きくなったとしても自覚症状がなく、見つけにくいです。
さらに大きくなって、骨盤からぽこっと飛び出したとき、お腹が出っ張って太ったかな?
という自覚症状が出て、病院に行ったときには癌が進んでしまっているということが多いようです。
がん検診をしているから大丈夫、というのも誤解ですね。
普段婦人科のがん検診として行われているのは子宮頸癌の検診です。
子宮頸部を綿棒のようなものでこすって組織をとり、行う検査です。
卵巣の様子は、膣から超音波で見るとわかるらしいです。
ですが、卵巣癌を100パーセントみつけられるかといえばそうでもないらしく、一年に一度超音波で見ていたからといっても、いきなり癌として進んでいるということもあるようです。
ちなみに私の母は、卵巣癌が見つかった年の1月に、私と一緒に子宮頸癌と乳癌の検査はやりました。
当然、異常なしでした。
紹介された病院に行った母は、色々と検査しました。
左の卵巣がお腹いっぱいに腫れている。
CTでははみ出してしまい、正確な大きさはわからないということでした。
MRIがとれればよかったのですが、母のお腹に避妊リングが入っており、それが癒着してとれなくなっていました。
素材が金属という可能性もあるので、この時点でMRIはとれませんでした。
検査の結果、「卵巣が大きく腫れ上がり、何か良くない状態になっていると思われる」…だったかな?
そんな報告を受けた気がします。
癌だとは思われるという説明だった気がします。
でも、この時点では癌とは断定しません。
卵巣癌は、どんなに大きくなっても良性という可能性があるかららしいです。
小さな可能性でも、良性であってほしいというのが、もちろん私たちの願いでした。
結果が分かるのは、卵巣を手術でとり、とったものを顕微鏡で見てからだそうです。
お腹にある間に刺したりして検査はしません。
検査の過程で、腹腔内にガン細胞が散らばることになるからだと思います。
手術を12月の上旬の予定でとってもらい(この時点で一ヶ月後)、それまではなす術もなく。
どんどん大きくなり、苦しくて夜も眠れないという母を見るのがつらかったです。
病院で何度か腹水を抜いてもらいました。
2リットルだったかな。
その日は楽になりましたが、また数日後にはパンパンで、一週間なんてとてももちませんでした。
状態が悪いので、12月上旬の手術を11月下旬に移動してもらえました。
癌が大きいので開腹だけで終わるかもしれない。
全てとれるとも限らないと言われました。
手術は3時間ほどで終わり、両側の卵巣、卵管、子宮の全摘出。
大網の切除が行われました。
運良く、開腹のみだけではなく、摘出がされました。
摘出された卵巣を見ましたが、本当に両手でないと持てないくらいの大きさになっていました。
摘出するところは摘出したが、腹腔内がざらざらした感じになっている。
多分、お腹の中に癌細胞が広がっていると思う。
あと半年、で死んでしまうということも考えられると、手術直後に言われました。
とりあえず、大きくなった卵巣が取れたのだから、抗がん剤が効いていい結果になるかもしれない。
お腹に水がたまらなくなったら、少しは楽になる。
…私たち家族に、半年という言葉はとても重い言葉でしたが、この時点ではまず手術がうまくいってよかった。
そう考えていました。
2016.4.19誤字訂正
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