吾輩は・・・と偉そうにいっても 夏目漱石の 「吾輩」ほど恵まれた環境で生きているのではありません。
生まれも 育ちも 不明 その上 住所不定 人間様の家族の温もりなどまったく知らない ニャ~であります。
吾輩 東の空が白みだすと 決まったように 何処からともなく 安芸駅前の Oさん宅の
入り口の石段に 坐るのが 一日の始まりで あります。
坐っていると 5時頃 北の方から 散歩のおばあちゃんが来ます。
「ねこちゃん お早う」「ニャ~ちゃん お早う」 と云って挨拶をして通ります。
吾輩も 初めのうちは お恐る お恐る 逃げる振りをしていましたが そのうち 馴れて
ある朝 おばあちゃんが 声を掛ける前に 吾輩から 「ニャ~ ニャ~」と声を掛けると
「ま~ ニャ~ちゃんから お早うかね」と大変嬉しがっていた。
吾輩は「食べるものを 頂戴」のつもりだったが どうも 勘違いしているらしい。
それからは 気が向くと「ニャ~ ニャ~」と云ってあげることにしている。
先日おばあちゃんは 吾輩がいつも同じ所に座っているのを ブログに すると カメラを持っ来た。
吾輩は Oさんの家の前には早朝でないと坐らないし 諸用がすんだら退散するし
散歩のおばあちゃんにも逢わないので 仕方ないかと モデルになった。
おばあちゃんは 吾輩が逃げると思ってか 遠くからパチリをした
これじゃ 吾輩やら にゃ~やらさっぱりニャ~
近くでパチリをしても しっかりカメラに向かって ハイポーズが出来る吾輩である。
偶然にも Oさんが いつものように 吾輩に 食事をもって出てきた
おばあちゃんは 「ラッキー」 と」ばかり パチリ
「この猫ちゃん 何んていう名前?」
「この猫は うちで飼いゆうがと違うぞね 雄で ここへ来るようになって 15年になる 家の前の
チリの収集場の カラスを 追っ払ってくれるし チリに群がる雀を 捕るのが上手
以前は 彼女を 追っかけて 元気が あったけんど 最近は 食欲も 半分に 減ったぞね・・・」
と云う訳で吾輩は名前すら ありません おばあちゃんが勝手に付けた ニャ~であります。
吾輩のリビングルームは車の下だ Oさんが毎朝 フードを
丼に入れて持ってきてくれる 若い時は お代りもしていた。
近くでパチリをしても 吾輩は 先ず腹ごしらえだ。
フードを食べたら 吾輩には お楽しみがある 遠慮勝ちに ニャー ニャー Oさんを呼ぶ
Oさんが一線を引いて 暖かく吾輩を見守って くれていることは 心得ている
Oさんの家の中も 吾輩が入るのは ここまでだ
好物の ウインナーを 出してくれるのを おとなしく 待っているのだ
お陰様で 吾輩は人間様の暖かいハートに触れることも事も出来たし 15年も生きてこれた・・・
Oさんには 言葉ニャー 言い尽くせないほど感謝している。
おばあちゃんが 「Oさん ニャ~ちゃんと ツーショットを」とパチリをした。
それから 約40分後 おばあちゃんが 散歩から帰る途中 偶然にも
吾輩が 別の所を トボトボ 歩いているところを 見られてしまった
早速おばあちゃんは ラッキーとばかり パチリだ
おばあちゃんは 散歩の途中に いつも お地蔵さんに 一日の無事を お祈りするそうだ
「お地蔵さん 今朝は 偶然のラッキーが 2つもありました 良いブログが出来そう・・・ありがとう 」と
心の中で 感謝したそうだ
・・・・と云う訳で吾輩の一日 おばあちゃんの一日が始まった・・・。
おしまい