ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

日韓の貿易戦争が

2019-07-04 14:07:47 | 日記
日韓の貿易戦争がはじまった。韓国の半導体製造にはフッ化水素などの3品目が欠かせない。日本政府は、これら3品目の韓国への輸出を厳しく規制しはじめたのである。この規制により、サムスン電子やLGエレクトロニクスなどの大企業が壊滅的なダメージを受けると言われている。

日本政府によるこうした輸出規制の措置に対して、韓国では案の定、さっそく反撃の狼煙(のろし)が上げられた。
【1】韓国の与党「共に民主党」の有力議員が、半導体製造に必要な材料・機器の国産化を進めるため、韓国は年間1兆ウォン(8544億1000万ドル)の投資を目指すと述べた、との情報がある(ロイター7月3日)。韓国政府がこの提言を受け入れたとの情報もある。

【2】また、韓国産業通商資源省は、対抗策として世界貿易機関(WTO)に提訴する作業に着手し、「日本の措置はWTOが厳しく禁止する輸出統制に該当する」と主張している(Recoad China 7月3日)。

【2】の対抗措置は、たしかに日本の痛いところを突いていると言えるだろう。トランプ米大統領の保護主義に異を唱え、自由貿易の理念をかかげる日本にとって、今回の輸出規制は「言行不一致」のそしりを免れない。

もっとも、韓国政府のこの対抗措置に対しては、まだしも対処が可能である。「今回の輸出規制は、安全保障を目的とした運用の見直しであり、自由貿易体制に逆行するものではない」と言い張ることができるからである。

WTOをめぐる日韓双方の主張は、いわばジャブの応酬のようなものだが、問題は、韓国による【1】の反撃である。半導体の製造に必要な材料3品目を韓国が国産化できるようになれば、日本による今回の輸出規制は意味を失い、3品目を製造する日本の企業が逆に打撃を受けることになる。【1】は日本にとって、痛烈なボディーブローになり得るのである。

私は素人だから、韓国がこの3品目を簡単に製造できるようになるのかどうか、そのあたりについては皆目知識がない。製造など、そうおいそれとできることではない、と踏んだから、日本政府はこれら3品目が(かつて中国政府にとって、レアメタルがそうだったように)相手へのプレッシャーの武器になると判断したのだろう。

鍵を握るのは、3品目の製造に関するこの日本政府の判断が、どこまで正しいかである。残念なことに、日本のメディアはこの問題についてちっともふれようとしない。有能な人材を多数かかえるマスメディアなら、この手の調査などお手の物だと思うのだけれど・・・。
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