終わり良ければすべて良し、という言葉がある。参院選が終わった今、その「終わり」が我々国民にとって「良い」ものだったのかどうかを考えてみよう。
まずは事実の確認から。結果は、与党の勝利だった。与党の自民、公明両党で計71議席以上を確保し、自民幹部が「勝敗ライン」とした改選議席の過半数にあたる63議席を越えたのである。
この結果をみて、「それは良かった。良いことだ」と思った人は、政治の安定を望む人だろう。たしかに、政治が安定するのは望ましい。だが、それだけでは単純に「良い」と言えないところが、政(まつりごと)の難しいところである。政治が安定し、同一政権による政権運営が長期にわたるほど、それにともなって弊害も出てくる。「1強」の長期政権である安倍政権が、独裁色を強め、モリカケ疑惑などのスキャンダルを起こしたのは、政権の長期化・安定化によるおごりが生み出した負の側面だと言えるだろう。
それを分かっていながら、それでも自民党に1票を投じた人は、政治の安定を望んだというより、野党が政権をとって、政治が混乱することを忌避したのだとみなければならない。
かつて私は本ブログで次のように書いたことがある。
「(野党は)『反安倍』、『非自民』『政権獲得』という合言葉で結びついても、それ以外の政策面で違いがある以上、しょせんは烏合の衆。『小異を捨てて大同につく』などときれいごとを言っても、いったん事があれば相互の反目は免れず、これでは政権政党の体をなさない。」
(2月9日《野党結集への道 まだまだ遠し》)
これと同じように考え、野党連合の勝利を望まない人は、(棄権をのぞけば)与党・自民党に票を投じざるを得ない。これは論理の必然である。
こうしたことを考えると、いちばん良いのは、与野党の勢力が拮抗し、与党の政権運営に緊張感がもたらされることである。ふり返れば、自民党は4月以降、(行政監視の主戦場とも言うべき)予算委員会を、一度も開かなかった。野党が力を付ければ、こういう一方的な与党の政権運営はできなくなるだろう。
年金問題や対米問題をはじめとして、対韓、対北朝鮮、対イラン問題など、解決を迫られる課題は山積している。その上さらに憲法問題へ精力を注ぐ余裕があるのかないのか。これもまた難しい問題である。
まずは事実の確認から。結果は、与党の勝利だった。与党の自民、公明両党で計71議席以上を確保し、自民幹部が「勝敗ライン」とした改選議席の過半数にあたる63議席を越えたのである。
この結果をみて、「それは良かった。良いことだ」と思った人は、政治の安定を望む人だろう。たしかに、政治が安定するのは望ましい。だが、それだけでは単純に「良い」と言えないところが、政(まつりごと)の難しいところである。政治が安定し、同一政権による政権運営が長期にわたるほど、それにともなって弊害も出てくる。「1強」の長期政権である安倍政権が、独裁色を強め、モリカケ疑惑などのスキャンダルを起こしたのは、政権の長期化・安定化によるおごりが生み出した負の側面だと言えるだろう。
それを分かっていながら、それでも自民党に1票を投じた人は、政治の安定を望んだというより、野党が政権をとって、政治が混乱することを忌避したのだとみなければならない。
かつて私は本ブログで次のように書いたことがある。
「(野党は)『反安倍』、『非自民』『政権獲得』という合言葉で結びついても、それ以外の政策面で違いがある以上、しょせんは烏合の衆。『小異を捨てて大同につく』などときれいごとを言っても、いったん事があれば相互の反目は免れず、これでは政権政党の体をなさない。」
(2月9日《野党結集への道 まだまだ遠し》)
これと同じように考え、野党連合の勝利を望まない人は、(棄権をのぞけば)与党・自民党に票を投じざるを得ない。これは論理の必然である。
こうしたことを考えると、いちばん良いのは、与野党の勢力が拮抗し、与党の政権運営に緊張感がもたらされることである。ふり返れば、自民党は4月以降、(行政監視の主戦場とも言うべき)予算委員会を、一度も開かなかった。野党が力を付ければ、こういう一方的な与党の政権運営はできなくなるだろう。
年金問題や対米問題をはじめとして、対韓、対北朝鮮、対イラン問題など、解決を迫られる課題は山積している。その上さらに憲法問題へ精力を注ぐ余裕があるのかないのか。これもまた難しい問題である。