ささやんの天邪鬼 ほぼ隔日刊

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

コロナの現場に出た 隠蔽思考の危険性

2020-02-24 11:03:12 | 日記
もういい加減にしてくれ。そう思っているのに、きょうになってもまだ止まらない。またしても、出た。きょうこそ無粋なコロナ・ネタは終わりにしたいと思っていたが、サイト「リテラ」の記事を読んで、こいつは見過ごせないぞと、暗澹たる気分になった。

この記事《クルーズ船の厚労省職員を「感染者が増えるのは嫌」と検査せず…国内感染者増加を隠蔽する安倍政権、検査数は韓国の20分の1》は、次のように書いている。

「問題はなぜ検査をしなかったのか、という理由だ。TBSによると、一時は厚労省内でも検査が検討されたが、『陽性者が多く出た場合の業務への影響を懸念して』見送られたという。
検査というのは陽性の感染を見つけるためにするものなのに、『検査をしたら陽性になるかもしれないから検査をしない』って、どうかしているとしか思えない。」

私がこの記事を読んでショックを受けたのは、ここで指摘された事実に、安倍政権の本質が見事なまでに露呈していると感じたからである。「隠蔽すれば、無かったことにできる」、「頬かぶりすれば、見つからない」。小学生じみたこの考え方こそ、安倍政権の本質そのものと言わなければならない。

数年前のモリカケ問題が明らかにしたように、安倍政権は(「独裁的政権の横暴」とも言うべき)我田引水の事実を無かったことにするために、配下の官僚を総動員し、必死になってこの不都合な事実を隠蔽しようとした。事実を隠蔽すれば、その事実は無かったことにできる。そう考えたのだ。

幼稚きわまりないこの考え方が、クルーズ船のコロナ対策問題へと場所を変え、「感染拡大の可能性」という具体的な危険性を伴う形で現れるのを見ると、私は、政権に(ウイルスのように)蔓延するこの考え方が毒性を持つとんでもない考え方であると、改めてそう思わざるを得なかった。その意味で、きょうの「リテラ」の記事は、見過ごせない重大問題を提起しているとみるべきなのである。
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厚労省 そのお粗末ぶりが止まらない

2020-02-23 12:01:06 | 日記
出るわ、出るわ。もういい加減にしてくれ。もう、もう、うんざりだ。ーーそう思うのだが、どうにも止まらない。もう、どうにも止まらない。だから本ブログも「政府・厚労省、いい加減にしろ!」ネタからなかなか離れることができない。書いている天邪鬼爺本人がうんざりしているというのに。

こんなニュースを聞いた。

「新型コロナウイルスの集団感染が起こっているクルーズ船で業務していた厚生労働省の職員の多くが、ウイルスの検査を受けずに職場に復帰していたことが分かりました。(中略)
船には、これまでに90人を超える厚労省の職員が入っていますが、そのうち、熱などの症状が無かった職員の多くがウイルスの検査を受けずに元の職場に復帰していたことが関係者への取材で分かりました。」
(TBS NEWS 2月22日配信)

厚労省の職員は、「ウイルス培養器」たるクルーズ船に立ち入り、ウイルス・チェックの業務をしたというのに、自身のウイルス検査が必要だという認識を持たなかったというのである。ウイルス感染者と接触しても、「な~に、本官は大丈夫。感染などするわけがない」とでも考えたのだろうか。お粗末この上ない。

この杜撰さは、検査官自身に対してだけでなく、クルーズ船の乗客に対しても向けられていたというのだから、あきれ果てる。

「加藤厚生労働大臣は、クルーズ船を下船した乗客のうち23人に対し、2月5日以降の健康観察期間中に行われるべきウイルス検査が行われなかったと発表し、謝罪しました。
『感染拡大防止策以降にPCR検査を実施していなかったことが判明した。再度の検査で大変ご負担をおかけすることになり、改めておわび申し上げます』(加藤勝信厚労相)」
(TBS NEWS 2月22日配信)

「ダイヤモンド・プリンセス」という名の「ウイルス培養器」に入ったら、相当の感染の危険にさらされる、かなりヤバいぞ。ーー厚労省の現場職員はそういう危機的認識を持つべきだったが、驚くべきことに、彼らはそういうことにはまるきり無頓着だった。ウイルス感染の可能性について、過剰ともいえる危機感を持つ点では、むしろ巷の一般市民のほうが真面(まとも)だと言わなければならない。一部では、次のような反応も見られるという。

「新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』で活動した災害派遣医療チーム(DMAT)などの医師や看護師らへのいじめ行為が横行しているとして、日本災害医学会は22日、抗議声明を出した。声明文などによると、職場に戻ってから『バイ菌扱いされるいじめ行為』を受けたり、上司から派遣に応じたことに謝罪を求められたりといった報告が相次いでいるという。
保育園や幼稚園から子どもの通園を自粛するように求められるケースもあり、『当事者から悲鳴に近い悲しい報告が寄せられ、見過ごせない。人権問題と捉えるべき事態』として、改善を求めている。」
(読売新聞オンライン2月22日配信)

クルーズ船のウイルス対策に関わった医療従事者を「バイ菌扱い」し、忌避しようとするのは言語道断だが、忌避の感覚それ自体を否定することはできない。一般市民がここまで尖った危機感を懐くのをみると、対する厚労省のお役人が常識を欠いたのほほんロボットのように思えて仕方がない。それもこれも、最高指揮官たる安倍首相の、そののほほんぶりの然らしめることなのだろう。
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コロナ対策会議のデタラメ

2020-02-22 12:26:34 | 日記
きのうの本ブログで、私は岩田氏のYOUTUBE告発動画にかこつけ、政府の新型コロナ対策に警鐘を鳴らした。私が警鐘を鳴らしたのは、「ダイヤモンド・プリンセス」号のウイルス感染への対応に関してであるが、日本列島で拡大する一方のコロナ感染に対しても、政府は無為無策のまま。いまだ望ましい「結果」を出せていないようにみえる。

きのうのブログの最後に、私は「閣僚のセンセたちよ、地元の選挙対策なんかに現(うつつ)をぬかしている場合ではないのだぜ」と書いた。これは、政府が設置した「コロナ対策会議」(「新型コロナウイルス感染症対策会議」)をサボって地元後援会の新年会に出席した小泉進次郎センセや、地元の会合に出席した萩生田光一センセ、森まさこセンセらをおちょくって書いたものである。

こう書いたとき、私は、政府が設置した「コロナ対策会議」は、コロナ対策をめぐって打打発止の真剣な議論がなされる、真摯な検討の場だと思っていた。だからこの大事な会議をサボり、地元の選挙対策に現をぬかす小泉センセらが「けしからん!」奴らだと思われたのである。

しかし、ああ、しかしである。きょうの日刊ゲンダイDIGITALの記事《安倍首相グルメ三昧 コロナ対策会議わずか10分のデタラメ》を読んで、驚いた。あきれ果てて目が回り、もうほとんど卒倒しそうだった。この会議の実態について、この記事は次のように伝えている。

「会議時間は毎回10分程度。安倍首相が冒頭に挨拶したら、すぐにお開きになっているのだ。わずか10分の会議では、どう考えても効果的なコロナ対策を話し合えるはずがない。政界関係者がこう言う。
『わずか10分間という意味のない対策会議を11回も開いているのは、安倍首相が挨拶するシーンをテレビカメラに撮らせるためです。要するに、国民に“やってる感”をアピールするのが目的です。小泉環境相、萩生田文科相、森法相が会議をさぼったのも、国民向けのパフォーマンスだと分かっているからです。“やってる感”を演出する、安倍首相のいつもの手口ですよ。本気でコロナ対策をやる気があるのか疑問です』」

たしかに、日本という鯛は頭のど真ん中が腐り切っている。もうどうしようもなく腐り果てている。腐り果てた挙句の、中身カラッポ・スカスカ状態。これじゃあ、末端の組織が腐るのも無理はないわな。厚労省のお役人が「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐって無様な醜態をさらすのも、無理はないわな。

日本がおわるのも、そう遠くない、ーーそんな気がする、天邪鬼爺のきょうこの頃である。
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岩田氏は見た ウイルス培養器

2020-02-21 14:42:10 | 日記
感染症対策の専門医である神戸大・岩田健太郎氏のYOUTUBE告発動画が、案の定、各方面に大きな波紋を投げかけている。国内はもとより、海外の反響も大きく、国内では、これを無視できなくなった政府が、必死になって岩田氏の告発に「デタラメだ」と反撃を加えている。

反権力サイト「リテラ」は、きのう配信した記事《岩田教授に対する政府の反論は真っ赤な嘘! 他の医師もずさん管理を証言、橋本岳副大臣の投稿写真には“ゾーンぐちゃぐちゃ”の証拠》の中で、この政府側の反撃(反論)に対して、逐一反論を加えている。「リテラ」のこの再反論は(このサイトの記事にしては珍しく)真っ当なものだが、事が煩瑣になってはいけないから、今はこれを割愛する。

政府側の反撃は、逐一とりあげて反論するまでもない。岩田氏の告発が真であるか、それとも偽であるかは、すべてが「結果」次第であり、この「結果」がすべてを語ってくれるからである。

さて「結果」はどうだったか。それについては、次の記事が伝えている。

「新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、厚生労働省は20日、乗客の日本人2人が死亡したと発表した。(中略)
また、船内で業務にあたっていた厚労省の40代男性職員と内閣官房の30代男性職員の感染も新たに確認された。2人は11、12日にそれぞれ船に入り、同じチームにいた。」
(朝日新聞DIGITAL 2月20日配信)

岩田氏が告発動画をYOUTUBEに投稿してすぐ、「結果」は出たことになる。岩田氏は次のように訴えていた。

「ウイルスが全くない安全なグリーンゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないレッドゾーンが、ぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない」
「感染症のプロだったら、あんな環境に行ったら、ものすごく怖くてしょうがない」

岩田氏のこの懸念が根拠のない杞憂ではなく、真っ当な洞察に基づく真っ当な危惧の念だったことを、はしなくもこの「結果」は示している。「結果」が示すこの事実を、政府は謙虚に受けとめ、対策を練りなおすべきだろう。ダイヤモンド・プリンセスという名の「ウイルス培養器」には、まだ多数の乗客が残されている。

閣僚のセンセたちよ、地元の選挙対策なんかに現(うつつ)をぬかしている場合ではないのだぜ。
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クルーズ船という「城」の内部は

2020-02-20 10:58:54 | 日記
大学生だった頃は、ずいぶんいろんな本を読んだ。ドストエフスキーとか、カフカとか、カミュだとか、外国の作家が書いた小説が主だった。その中で、細部は忘れたが、全体の印象がいまだに残っている作品がある。カフカの『城』もその一つである。

測量技師のKが依頼主の意を受け、「城」に入ろうとするのだが、なかなか入ることができない。だれが決定権を持つのか、はっきりしない。Kは「城」に入るための決定手続きの迷路に入り込み、先が見えないその闇を、あてどなくひたすらさ迷い続ける。

それだけでも鬱屈した、重苦しい気持ちになるのに、その迷路のいたるところに自分の命を脅かす見えない敵が潜んでいるとしたら、読者である我々は、どうにもやるせない気持ちにとらわれるだろう。

事実は小説よりも奇なり。感染症の専門医である神戸大教授の岩田健太郎氏が、新型コロナウイルスの感染が広がったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐり、感染対策の不備を告発した「ユーチューブ」の投稿動画を見た。「ウイルスが全くない安全なグリーンゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないレッドゾーンが、ぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない」、「熱のある方が自分の部屋から出て、歩いて医務室に行っている」、「感染症のプロだったら、あんな環境に行ったら、ものすごく怖くてしょうがない」。

岩田氏のこうした訴えを聞いて、私は測量技師Kの姿を思い出し、「まるでカフカの小説『城』のホラー・バージョンだな。こわ」と思ったのだった。

岩田氏は、「厚労省の人」を通じて18日にDMAT(災害派遣医療チーム)の一員としてクルーズ船に乗船した。そこで見たものは、自身が過去に経験したアフリカのエボラ出血熱や、中国のSARS(重症急性呼吸器症候群、コロナウイルスの一種)よりもひどい、日本の感染対策のお粗末な実情だったという。

辻元議員の国会発言ではないが、鯛は頭から腐る。頭が腐った日本の官僚組織は、その末端にまで腐敗が及んでいるらしい。この鯛が(官僚組織という)骨格組織だけでなく、その身の隅々から腐臭を放ち始めるのは、時間の問題かもしれない。そんな気がした。おお、こわ。
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