政府は17日、新型コロナの感染拡大を防ぐため、不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。人混みに行くと感染のリスクが大きくなる。だから人混みに行かないに越したことはない、という趣旨である。
お上のお達しというだけで文句を言いたがる人はいるもので、タレントのマツコ・デラックスが「人混みに行かずにどうやって生活するのか」と、さっそく異を唱えた。もっともな話で、人はしょせん群れの中でしか生きられない。早い話が、東京の会社に通勤するサラリーマンである。彼らは満員電車に乗り、人混みの中で揺られ、都心の会社に「痛勤」することでしか食い扶持にありつけない。毎日の「痛勤」を「不要不急の外出だ」と言えるのは、リタイアした年金暮らしの老人ぐらいのものだろう。
だれもが人混みの中でしか生きられない、こういう時代だからこそ、どうしたら群れずに、人混みの外で生きていけるかを考えてみた。私自身を例にとると、週に2回のデイサ通いをやめれば、私はほぼ単身の独居生活をすることになる。要介護度が1の身障者であるため、妻の介護は欠かせないものの、酒や食料などの生活必需品は、ネットでポチればアマゾンが届けてくれる。最近では「置き配」という仕組みができたから、ドライバーと顔を合わせずに品物を受けとることができるようになった。
現役の会社員や学生の場合も、大いにネットを活用すればよい。オンラインの会議や授業で代替すれば、満員電車での「痛勤」や「痛学」を避けることができる。いわゆる「テレワーク(テレラーニング)」である。
こうしたライフスタイルが社会に定着すれば、人々は孤立した単独者として生きながら、今までになかった新しい形の社会を形成しはじめるに違いない。人々が「絆」の意識や共同体意識を持たず、アトム(原子)のようにばらばらに生きる、そういう社会の到来を19世紀の哲学者ヘーゲルは危惧したが、そういう原子論的社会もあながち捨てたものではないのではないか、--引きこもりの天邪鬼爺は、最近、そんなふうに思っている。
お上のお達しというだけで文句を言いたがる人はいるもので、タレントのマツコ・デラックスが「人混みに行かずにどうやって生活するのか」と、さっそく異を唱えた。もっともな話で、人はしょせん群れの中でしか生きられない。早い話が、東京の会社に通勤するサラリーマンである。彼らは満員電車に乗り、人混みの中で揺られ、都心の会社に「痛勤」することでしか食い扶持にありつけない。毎日の「痛勤」を「不要不急の外出だ」と言えるのは、リタイアした年金暮らしの老人ぐらいのものだろう。
だれもが人混みの中でしか生きられない、こういう時代だからこそ、どうしたら群れずに、人混みの外で生きていけるかを考えてみた。私自身を例にとると、週に2回のデイサ通いをやめれば、私はほぼ単身の独居生活をすることになる。要介護度が1の身障者であるため、妻の介護は欠かせないものの、酒や食料などの生活必需品は、ネットでポチればアマゾンが届けてくれる。最近では「置き配」という仕組みができたから、ドライバーと顔を合わせずに品物を受けとることができるようになった。
現役の会社員や学生の場合も、大いにネットを活用すればよい。オンラインの会議や授業で代替すれば、満員電車での「痛勤」や「痛学」を避けることができる。いわゆる「テレワーク(テレラーニング)」である。
こうしたライフスタイルが社会に定着すれば、人々は孤立した単独者として生きながら、今までになかった新しい形の社会を形成しはじめるに違いない。人々が「絆」の意識や共同体意識を持たず、アトム(原子)のようにばらばらに生きる、そういう社会の到来を19世紀の哲学者ヘーゲルは危惧したが、そういう原子論的社会もあながち捨てたものではないのではないか、--引きこもりの天邪鬼爺は、最近、そんなふうに思っている。