みなさんは、狂犬病と聞くと何を思い浮かべますか?
わんちゃんの飼い主さまには、1年に1回接種しないといけない面倒なものと思う方もいらっしゃるかもしれません。わんちゃんに注射をうつために、病院や集合注射の会場まで連れて行くのは確かに大変なことです。
ですが、狂犬病という病気は、ほ乳類ならみんな感染してしまう本当に怖い病気で、わんちゃんが感染すれば、症状が出てからは絶対に治ることはなく、10日以内に100%死んでしまいます。そして、世界中では、毎年5〜6万人の方が狂犬病で亡くなっています。
日本では、1950年にまだ4歳だった男の子が、狂犬病にかかった犬に耳をかまれ、その後25日目に狂犬病を発症しました。そしてそれから、たったの5日で死亡してしまったという記録が残っています。わんちゃんに、狂犬病の予防注射さえ、きちんと接種していれば、この男の子が亡くなることはありませんでした。
日本では、長い間、狂犬病の発生はありませんが、隣の国の韓国では発生があり、いつどこから発生してもおかしくない状況です。
その上、近年の狂犬病予防注射の接種率は大分県では、全国でもワーストに近い60%を切っており、宇佐・豊後高田市では44%という本当に恐ろしい状況ですので、もし、狂犬病が日本に入ってきた場合、どれほどのパニック状態になるか想像もできません。数年前、中国で狂犬病が発生した時には、狂犬病ではないわんちゃんまで殺されたそうです。
大切なわんちゃんの命、人の命を守るための狂犬病予防注射は、わんちゃんの全ての飼い主さまが、責任を持って、忘れずに接種していただきますよう、心からお願い申し上げます。
*狂犬病予防法では、生後90日を過ぎた犬は、市町村に登録をして鑑札をもらい、
毎年1回予防注射をうけ、注射済票をもらい、わんちゃんに鑑札・済票をつけておくよう定められています。
尚、当院では、平成29年3月2日より宇佐・豊後高田市にお住まいの方は、今年度の済票のお渡しができる予定です。