毎年年末は走っています。この2~3年は年内31日までにすべて片付かず、済ましておきたい整理事など元旦まで持ち越してやっています。今年も濃厚です。
ところで年内最後に久しぶりに現場の話題とします。
奥様がご主人様を全介助しながら、車いす生活を余儀なくされている住まいの改修案件です。
室内はすべて車いすで生活できるようにバリアフリー化されているのですが、外出の際の急な階段の昇降がお二人の体力を著しく消耗させ、大きな危険を伴っていました。外出時の昇降を少しでも楽に安全にすることが改修目的です。
付き合いのある某大手改修業者さんに相談されたようですが、「出来ない」と断られ、当社にご相談いただきました。
条件として、◎構造上危険な改造をしない。復活され、不要になった場合の復旧がなるだけ容易であること。
そこで◎家庭用エレベーターはスペース上も構造上も無理。
◎車いす用階段昇降機も、内外装ともに大幅な改造が必要で断念。
◎最後に残ったのは、いす式の階段昇降機になったのですが、これも既存の条件では設置不可能とのことで、ほとんどのメーカーさんに断られたのですが、なんとか考え抜いて設置まで持っていけました。メーカーさんもこんな条件での設置は初めてのケースだそうです。
内容◎玄関たたきが狭くなりますが、玄関框を玄関引き戸側に拡張して車いす回り込みと昇降機の乗り降りができるようにし、昇降機の設置を可能としました。拡張部は取り外し、多少の補修で復旧できます。(介護保険利用も不可能な条件でしたが、知恵を絞って申請し、適用できました。)
◎昇降機を設置すると玄関2枚引き戸が閉めれず、かつ必要開口寸法も足りないので、既存枠・敷居のまま戸のみ製作し、昇降機レール部は切り欠き加工、しっかり玄関錠も掛けれるようにしました。2枚引き戸のまま開口を広げる工夫をしています。既存の戸は和風門の戸とともに保管していただいていますので、復旧の際には工事不要で戸を入れ戻すだけです。
無事完工してお二人に喜んでいただけたことが何よりです。奥様の「少しでも外に出してあげたい」との言葉に突き動かされ、最後まで諦めず取り組んで、お正月にも間に合い良かったです。ありがとうございました。