『あさが来た』20週「今、話したいこと」の長文ネタバレ感想まとめ、その1。
ワカメが綺麗になるんである。
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途中、大河っぽくなるが気のせいである。
【後半はこちら】
『あさが来た』20週その2、誤解、すれちがう母娘、話したいこと、伝えたいこと
関連リンク
・『あさが来た』19週、みかん畑にそそぐ柔らかい風、新しい道
・『あさが来た』18週、千代と藍之助に映るもの、迷えるあさの行く先は。
・『あさが来た』17週、雁助さんの生きる道、うめの生きる道。
・『あさが来た』16週その2.道を照らす人、「おおきに五代さん」
・『あさが来た』16週その1.雁助さんもまた「大阪の大恩人」、加野屋の「恩返し」
『あさが来た』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
他民放ドラマ、大河、時代劇、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■人探しのエキスパート
先週までをゆるく振り返ると…
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あさは、女子の大学校をつくるために活動する成澤の書いた女子教育についての論文をよんで、えらく感動してました。
その草稿に書かれていたのは
・女子を人として夫人として国民として教育する必要性があること。
・女子も高等教育を受ける事で生きがいを得て、様々な場で社会に役立つ人間になる可能性があること。
・女子も一芸一能を持ち、独立自活の力量を持つ必要性があること。
・100年先200年先を見越して女子教育の方針を定めるべき
というなかなか具体的な内容でした。
あさはこれを書いた成澤を探すべく、町中を探し回っているのですが見つからず……
そこで!
頼みの人探し・失せ物探しには定評のある新次郎。
行方不明になったはつ一家やサトシ、はつのお箏やら何やら。
頼るのはこの男しかいない!
なのですが。
「男前…はぁー、そらそら」
若いイケメン、と聞いて一気にやる気失せるタイプか。
(そいえば新次郎は成澤に会ってないんですね)
で、しかもよのさんかのさんが「そんな清貧イケメンが道端で倒れてるのが心配だ」とかいうもんんだから。
「男はおなごより丈夫に出来てるのやさかい。そないなもん道でもどこでも寝かしといたらよろし」
すねちゃったよ、シンちゃん。
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「そないあんた言うてますけど、あんさんは道で寝られますのか?」
「いいや。わては決して寝られしまへん」
話はなんのかんのであさの武勇伝に。
これはもうドラマで見させてもらってるとおりなのですが。
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「あささんの武勇伝、聞き過ぎて。もうちょっとやそっとの事でびっくりせぇへんようになってますわ」
よのさんも、かいらしいタフな婆ちゃんなりました。
加野屋の面々に、その女子教育のことを語りながら思わず涙ぐんでしまうあさ。
ふと思い出したのは第1週でした。
貧しかったわけでもない(むしろすげえ大富豪)。
苦労をしたわけでもない。
両親は厳しいけど優しい。
優しい祖父も気心通じた女中もいる。
2歳で許嫁は決まっていたけれど、まあそrは親が決めたとはいえ、あさもはつも伴侶に恵まれた。
恨むことなんてないはずです。
実際恨んでもいないと思います。
けれどどこか意識していないところで、「教育は必要ない」と戒められた日のことやはつが泣いた夜を思いだしているのかもしれません。
「大坂に行きたくない、お嫁に行きたくない」と泣いた姉、それを受け入れた姉のこと。
(もちろん運命を受け入れていくのがはつの美点でもあるんですが)
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大人になったあさが自分も教育受けたかっただけでそこまで泣くか、と思ったのですが。
でも、そこに幼い頃にはつが見せた涙もあるのかなと思うと合点がいきました。
■名探偵は誰か。
で、あさに成澤を探してもらうよう頼まれた新次郎ですが。
とりあえずビールでも飲むかな、と言った瞬間。
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へぇさん美和さんスピンオフのフラグが立ちました。
ところで新次郎はなぜ「まずはビール」だったのかと。
可能性は4つ。
1.本当にビールを飲みたい。
2.美和さんにご挨拶したい
3.情報収集といえば社交場、社交場といえば晴花亭
4、へぇさんが美和さんに気ぃあるの気づいてて、連れていこうと。
うん、全部かもしれん。
で、晴花亭。
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成澤くん発見。
「オーロードコレクトミー」熱唱。
洋楽を披露することで一杯おごってもらおうという魂胆でそこにいました。(清貧なのか?清貧なのか?
……キラキラ具合が余計にひどいwww
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「はぁ…また英語しゃべる怪しい男かいな」
また!英語をしゃべる!怪しい男!!
先週から成澤君のキャラクターが五代くんに寄っているとは思っていましたが。
これはもしかして逆なのではなかろうか、と。
広岡浅子とも実際に交流があり、記録も残っていて女子大創始者である成瀬仁蔵をモデルにした成澤泉。
先にキャラクター設定がされたのは成澤先生のほうではないんでしょうか。
そこに『五代友厚も登場させたい』というEPの要望もあり、じゃあ五代のキャラどうする?と話し合って…
後半に出てくる成澤にかぶせるのはどうか、で出来上がったのが『五代くん』かと思うと。
いや史実五代友厚もなかなかのお人だった可能性もあるので、仮定なのですが。
もし成澤設定がたたき台にあって、その上に五代くんが作られて…だとすると。
視聴者が五代友厚の死に涙ぐんでる頃に、この成澤くんの撮影し進めてたキャストスタッフ陣(白目
■ファーストペンギンたる成澤泉
どうにか成澤に出会えたあさ。
成澤とあさに女子教育について話します。
厄介者と疎まれてきた成澤はテンション振り切り……
「分かって下さる方が一人でもいる事はありがたい事です。
しかもその一人が白岡あささん、あなただなんて。私は一気に100人の味方を得たような心持ちです!」
そんな喜ぶ成澤にあさは
「先生は厄介者どころかファーストペンギン。いの一番のペンギンになることのできる志と頭脳を持ったお方だす。」
とファーストペンギン授与するも。
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しかしツルッと滑ってフカにパクッと。(なんかそういう動物動画見たことある)
こう、海に飛び込む勇気があっても機を間違えたらだめだということ。
銀行設立のとき正吉さんは柔らかい言い回しであさを導いたけど、あさは比喩で表現するの面白い。
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だんだんあさちゃんが成澤先生に対して食い気味になってきて笑ったwww
成澤くんは昔のあさで、あさは今、忠政じいちゃんや正吉さん、五代さんらの道を照らす人なんですね。
序盤から続く「大恩人」「道を照らす人」「導く人」がこうやってつながってるんだなあと。
しっかしまた濃ゆいの引き当てたな。
■人様んちのお風呂で
さしあたってお風呂に入ってほしい、と頼まれた成澤くん。
風呂を浴びながら、あさと「借金はしたくない」など話の続きをしていたのですが。
成澤先生ほんと何してんだよww
で、具体的にいくらいくらい必要なのか?という話題で。
「そうだすなぁ。ざっと見積もって…。うん…30万ぐらいだすやろか」
「は?今何て?」
「30万円だす」
ここでナレーションがとどめの一撃。
「この当時の30万は今の時代で言うところのおよそ15億円以上の価値にあたります」
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また倒れた!!
っても15億円にびびるのはわからなくもないし、むしろあさはびびってないというのが。
毎日それくらいのお金を動かしてるんだなあと。
なんだか身も蓋もない成澤君ですが(何をいまさら)
「私は実業家でも経営者でもない。あくまで教育者でありたいのです」と。
政財界に名を残す実業家ではなく教育者でありたいと願った人からこそ、教科書には名が残らなかったのかな。
そんな成澤にあさがポケットマネーであるものを渡しました。
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ビジネスというか、人付き合いの基本は清潔感とTPO。
それがこの時代だと洋装。
さらっと伝えるストーリーがうまい、と。
「馬子にも衣装だすな」
とあさは成澤を評しますが、あさも加野屋に嫁いだとき言われてたっけね。
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(よのさんうしろの榮三郎と雁助さんが懐かしい)
■サプライズぽん
ふやけたワカメが綺麗な三陸ワカメになって、2人のファーストペンギンがとりかかるべきは2つ。
1つは女子教育への理解を得ること、もう1つは女子大学校新設のための資金を確保すること。
前者は成澤がすること、後者はあさがすること、と説明します。
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早速の事業計画提案に驚く成澤。
思わず英語で「サプラーイズ」と。
がしかし。
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「さっきから、んーさぷら、ーさぷら言うのはどういう意味だすのや」
あさちゃん英語やっぱりわかってなかった!!
で成澤は「びっくりぽんのようなもの」と、意味を説明します。
まあ五代くんみたいに聞かれたくないような照れ隠しや自分ツッコミや悪口を英語でいっているわけじゃないから(言い方おい
……「ハズバンド」の意味気づいてないよね。
しかしこうも五代くんにかぶる成澤くん。
「あささん!私が解説しましょう!」
「成澤くん……ワオとサプライズばかりやないか。ワンダフルとエクセレント、それから中国語も混ぜてしっちゃかめっちゃかにするとよろしい」
だの脳内で副音声が再生されてしまう件。
■工藤パパの苦悩
資金集めはあさが担当する、とはなったものの。
なかなか難航。
で、大口の取引先でブラックリスト入りしている工藤さんに頼んでみたのですが、あっさり断られてしまいます。
というのも……
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「サカエは縁談断られました。あいつもあいつで銀行の仕事が楽しいさかい、別にお嫁になんか行きたない言うて」
あの優しく子煩悩でスマイルストーキングの工藤パパの静かな怒り。
ここまで静かに怒るんだから、工藤パパ、サカエさんのお嫁になんか行きたくない宣言よほどショックだったんだろうな。
あさは失言を詫びるも、工藤さんの怒りは静まらず。
店先に出たときでした。
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「お言葉ですけどお父ちゃん。うちに『これからはおなごかてお人形でいてたらあかん。学も必要や』言うて女学校入れてくれはったのはお父ちゃんやありませんか」
「せやから後悔してんねや。ちょっと学かじったくらいで、人様の前で親に楯つくような生意気になるんだったら、人形でいてくれたほうがどんだけましやったか!」
工藤パパが女子行員採用だけではなく、女子大学設立の難しさを語る役になるとは。
言ってることは至極正論。
女子大学を設立することの難しさ、女性の社会進出の難しさ。
それは時代が変わっても何も変わらないのかもしれません。
それをわかったうえでの、サカエさんの「お言葉ですけどお父ちゃん」がぐっときました。
サカエさんがスマイル父ちゃんへの感謝を抱きつつ、でも「自分も言いたいことがある…!」ってのがグッときた。
若い頃のあさと忠興パパ、はつと菊さんを思い出しつつ、これが標準だったんだろなと。
サカエさんを演ずるのは横田美紀さん。
日本女子大(これから成澤とあさが設立する大学校のモデル)のOGだそうで。
ともすればこの台詞を横田さんが言ったというのは、なんとも考えてしまうものです。
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「ゆっくり話聞かしてもらいまひょか」
銀行業と大学設立は話が別。ごっちゃにするな、と貫禄たっぷりに榮三郎とへえさん。
それは言うとおり。
ここに正吉さんがいても雁助さんがいても同じこと言っただろうな。
■光源氏
「また自分の思いだけで突っ走ってしもて…。えらい迷惑かけてしまいました。」
大股で歩いてしまったことを反省するあさ。
「わてらの小さい頃より道が開けてきたて前にあさが言うてましたやろ」
「世間様の考え自体は大きゅう変わってへんのかもしれません。要はどないな人に出会えるかいうだけで」
自分が上手くいっていたのは、人に恵まれていたからなんだと改めて実感をします。
そのあさが最初に出会った導く人はこの人でした。
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「今度はあさがみんなにそろばんあげる手伝いしたいことだすな」
光源氏だった頃に「ようよう考えて進んだ道には新しい朝が来る」とあさに声をかけた新次郎。
このパチパチはんはまだきっと生きてくるだろうな。
ところで光源氏みたいな人が現れたとあさちゃん言いますが、その光源氏さん第一声は「おいどはご無事だすか?」でしたっけ(´-`)
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ところでところで、その光源氏とだいたい同じタイミングで『でぃああさ』砲を打ち込んできた方も、
何十年か経って「千代ちゃん逃げてえええ」と光源氏扱いされましたっけね(´-`)
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■あの万札の人。
「日本一の学者である福沢諭吉先生が作ったのが慶応義塾大学」
「政治家だった大隈重信様が早稲田村に作ったのが東京専門学校」
ならば、大隈重信に会いに行こう!とあさ。
「なにゆえ諭吉に行かぬ、東京で会ったじゃないか」と思ったけれどもあさは諭吉が武田鉄矢だとは知りません(逆もまた然りか)
■大河じゃありません、朝ドラです
いざ!やってきました、東京の大隈邸。
出迎えたのは……
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「まあ!お見えになるのをうちの大隈、楽しみにしていたんですのよ。」
「どなたかの奥様でいらしたかしら?大阪言葉をお話しになるお客様は…?」
大隈夫人役は松坂慶子さん。
沸々と湧いてくる大河ドラマ感。
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「おっ、あなたが女だてらに金儲けに成功して銀行を作ったという例の女の人であるか」
「いやこれはお目にかかれて光栄である。我が輩が大隈重信でありまする」
大隈重信役、高橋秀樹さん。
吹きこぼれる大河ドラマ感。
『花燃ゆ』の再放送か『篤姫』の再放送か、正解は越後製菓か何なのかよくわからなくなる15分間。
(ちょいちょい綾子さん、あささんのつけてるケープ、あの篤姫がこしらえたんですよ)
そんなことは露知らず。
スムーズに通してくれたことに驚きを隠せないあさ。
「うち、今までは初めて行くとこ行くとこ大抵はお猿さんがいたりしてびっくりぽんな事ばっかりだしたのに、こない親切に中に入れて頂けるやなんて…。」
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まあ今まで通されたところがこんなところだったからびっくりするわな。
しかし通されたはいいものの、女子教育を語る自分がなにか見世物になっていることに気づいたあさ。
「あさはその時気付いたのでした。今、この館では自分こそがみんなにとってのお猿さんなのかもしれない事に」
セリフの中のお猿さんで玉利邸の見世物用の猿を思い出させて、あさに気づかせる。
この流れうまい。
■息もつかずに長台詞。
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「白岡夫人、確かにここ日本はかねてより女子を軽んじる風潮があったのである」
「おなごの天職たるは賢母良妻という考えに間違いはないと思うのである」
『我が輩』と『あるんである』が口癖の大隈重信。
見事に結んできている桃太郎侍大隈重信。
ですが、あさはこの論客たちを蹴散らすように……
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「大隈先生。うちも賢母良妻に憧れております。
それに、うちの小さい頃と違て女子も小学校から学べるようになり、高等小学校や娘の通う女学校の話を聞いた時もただただ羨ましい思いました。
ええ時代になったなぁて。ほんま十分や思てたんだす。
うちは…なんてアホやったんだすやろ!
そないな事で満足するやて、さながら道の向こうに小さい頃から焦がれてた宝玉があるかも分かれへんのに
近くに落ちてたビー玉拾てわぁと喜んで帰ろとしてたただの子どもでございます。
うちは政府が打ち出したところの女子はこれで十分やろいう考えにまるで流されてたんだす。
今においても男子と女子の教育はまるで違てます!
男子は学ぶ気さえあったら中学校、高等学校、大学校へと道が開けてますけど、女子はせいぜい女学校師範学校しかあらしまへん。
しかも学べる年月はずっと短い。
また、教科書見ましても、女学校は婦女の道徳に重きが置かれ過ぎて世に出て役に立つ実学が男子に比べてあまりに少ない。
初めから教育の目指すとこが男子は学問、女子は花嫁修業と明らかに違てしもてんのだす。
女子に学問なんか要らん。
学ぶ場さえ用意しといたらそれで十分やろ、いう、そもそもの考えが今日の女子の高等教育の大きい足かせになってるのでございます!
うちは大隈先生のおっしゃる『賢母良妻が女子の主たる天職である』いうお考えに異論はございまへん。
そやけど、そのためにかて学ぶ事は必要だす。
芸事や実技も大事だすけど、世の中の動きに疎い女子だけではあかん。
賢母良妻になるためにかて、男女の教育に区別をすべきやあれへんのだす!」
な……長ぇ……(これでも一部省略)
これをワンカットで一気読み。
この長台詞をどこで持ってくるか、朝ドラで何気に楽しみなところでしたが
それを「実際にモデルの人と親交があった、他人の話を聞かない大隈重信相手に」と考えたのがすごい。
少し五代さんっぽさがあって、ジンワリ。
■白岡君。
長セリフ終えた後……
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「いやこれは見事なり!驚いた!」
「いや見事なプレゼンテーションであった。我が輩がこんなにも長い時間反論もせずに人の話を聞いたのは、東京農林学校の福羽氏からイチゴ栽培の話を聞いたとき以来である。いやこれは驚いた!」
大隈節絶好調。
(口元は何か言いたそうだったけどね)
史実では大隈重信の「すぐ反論してしまう癖」をお手紙で諌めたのは五代友厚だったそうで。
ここでもつながってくるんですね。
「残念ながら大した役に立てそうもない」
「いいや。うちは学校をお作りになりはりました先輩として、大隈様にお目にかかりに来たのでございます」
政府の要職を辞している大隈重信は、あさの役には立てないとはいうものの。
あさからしてみれば大学設立の大先輩。
あなたに会いたかった、それだけだ、という純粋な気持ち。
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「本当に?爆弾まで投げつけられた我が輩であるぞ。あんなに客がおっても本当の味方など一人もいないのかもしれん」
「結局この世に二心なく残せるのは人材だけだ。だからこそ人を育てるのは何よりも大切なことなのである」
政治と商売。
どちらも世知辛い。
大隈重信に至ってはそのために重傷を負った。
けれど、「世の中に二心なく残せるのは人材」と、知性を備えた人間を育てて送り出すことが大事だと語る2人。
あさもここまで来たんだなあって。
五代友厚とは旧知の仲だし、福沢諭吉のことは福沢諭吉だと知らないで交流してたし、伊藤博文なんかは名前だけ登場だったけど。
でもきっと大隈重信にプレゼンしたみたいに、海に飛び込んでいったんでしょう。
今井の名声に頼ってしまえばいい、五代友厚との仲を話せばいい(観てるほうは知ってるんだけど)。
そうしたほうが話は早い。
けど頼らなかった。伝えなかった。
それ自立した一人の人としての白岡あさをあらわすためだったのでしょう。
「白岡君。この大隈、出来る限りの協力はさせてもらいますぞ」
最初は「白岡夫人」、演説を聴いた後は「白岡君」
この呼び方の変化でわかる、大隈重信があさを認めたということ。
■お見事!
それにしても、波瑠さんはよくあの長台詞をこなしたなあと。
大物ベテラン俳優、高橋さんと松坂さんおふたりを前にして2分越えの長台詞。
宮崎さんほど芸歴長くない波瑠さんをヒロインに起用したスタッフも、波瑠さんご本人もまたファーストペンギンなのかもしれない、となんかそっちに涙目。
お見事でした。
私が波瑠さんを知ったのはノンノのモデルからだったんだけど。
女優さんとして「あ、波瑠だ」と知ったのは救命病棟5あたり。
正直言うと「あさが来た」の主演が決まったとき「マジか、綺麗すぎんじゃねえか」って思いがありました。
10月から始まったこの作品を支えてるのは玉木さんや近藤さん、山内さんも三宅さんも、宮崎さんも柄本さん…
とにかく『大河や朝ドラのベテラン勢』が周りの柱を立ててるけど、その中でスッと伸びてるのは波瑠さんなんでしょうね。
演技に魅了されたのは炭坑のピストルシーン。まさに『奮闘』って感じがして。
盛りだくさんの今週は2部構成です。
【後半はこちら】
『あさが来た』20週その2、誤解、すれちがう母娘、話したいこと、伝えたいこと
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ワカメが綺麗になるんである。
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途中、大河っぽくなるが気のせいである。
【後半はこちら】
『あさが来た』20週その2、誤解、すれちがう母娘、話したいこと、伝えたいこと
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・『あさが来た』19週、みかん畑にそそぐ柔らかい風、新しい道
・『あさが来た』18週、千代と藍之助に映るもの、迷えるあさの行く先は。
・『あさが来た』17週、雁助さんの生きる道、うめの生きる道。
・『あさが来た』16週その2.道を照らす人、「おおきに五代さん」
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他民放ドラマ、大河、時代劇、NHKスペシャルはこちら。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。
■人探しのエキスパート
先週までをゆるく振り返ると…
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あさは、女子の大学校をつくるために活動する成澤の書いた女子教育についての論文をよんで、えらく感動してました。
その草稿に書かれていたのは
・女子を人として夫人として国民として教育する必要性があること。
・女子も高等教育を受ける事で生きがいを得て、様々な場で社会に役立つ人間になる可能性があること。
・女子も一芸一能を持ち、独立自活の力量を持つ必要性があること。
・100年先200年先を見越して女子教育の方針を定めるべき
というなかなか具体的な内容でした。
あさはこれを書いた成澤を探すべく、町中を探し回っているのですが見つからず……
そこで!
頼みの人探し・失せ物探しには定評のある新次郎。
行方不明になったはつ一家やサトシ、はつのお箏やら何やら。
頼るのはこの男しかいない!
なのですが。
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「男前…はぁー、そらそら」
若いイケメン、と聞いて一気にやる気失せるタイプか。
(そいえば新次郎は成澤に会ってないんですね)
で、しかもよのさんかのさんが「そんな清貧イケメンが道端で倒れてるのが心配だ」とかいうもんんだから。
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「男はおなごより丈夫に出来てるのやさかい。そないなもん道でもどこでも寝かしといたらよろし」
すねちゃったよ、シンちゃん。
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「そないあんた言うてますけど、あんさんは道で寝られますのか?」
「いいや。わては決して寝られしまへん」
話はなんのかんのであさの武勇伝に。
これはもうドラマで見させてもらってるとおりなのですが。
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「あささんの武勇伝、聞き過ぎて。もうちょっとやそっとの事でびっくりせぇへんようになってますわ」
よのさんも、かいらしいタフな婆ちゃんなりました。
加野屋の面々に、その女子教育のことを語りながら思わず涙ぐんでしまうあさ。
ふと思い出したのは第1週でした。
貧しかったわけでもない(むしろすげえ大富豪)。
苦労をしたわけでもない。
両親は厳しいけど優しい。
優しい祖父も気心通じた女中もいる。
2歳で許嫁は決まっていたけれど、まあそrは親が決めたとはいえ、あさもはつも伴侶に恵まれた。
恨むことなんてないはずです。
実際恨んでもいないと思います。
けれどどこか意識していないところで、「教育は必要ない」と戒められた日のことやはつが泣いた夜を思いだしているのかもしれません。
「大坂に行きたくない、お嫁に行きたくない」と泣いた姉、それを受け入れた姉のこと。
(もちろん運命を受け入れていくのがはつの美点でもあるんですが)
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大人になったあさが自分も教育受けたかっただけでそこまで泣くか、と思ったのですが。
でも、そこに幼い頃にはつが見せた涙もあるのかなと思うと合点がいきました。
■名探偵は誰か。
で、あさに成澤を探してもらうよう頼まれた新次郎ですが。
とりあえずビールでも飲むかな、と言った瞬間。
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へぇさん美和さんスピンオフのフラグが立ちました。
ところで新次郎はなぜ「まずはビール」だったのかと。
可能性は4つ。
1.本当にビールを飲みたい。
2.美和さんにご挨拶したい
3.情報収集といえば社交場、社交場といえば晴花亭
4、へぇさんが美和さんに気ぃあるの気づいてて、連れていこうと。
うん、全部かもしれん。
で、晴花亭。
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成澤くん発見。
「オーロードコレクトミー」熱唱。
洋楽を披露することで一杯おごってもらおうという魂胆でそこにいました。(清貧なのか?清貧なのか?
……キラキラ具合が余計にひどいwww
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「はぁ…また英語しゃべる怪しい男かいな」
また!英語をしゃべる!怪しい男!!
先週から成澤君のキャラクターが五代くんに寄っているとは思っていましたが。
これはもしかして逆なのではなかろうか、と。
広岡浅子とも実際に交流があり、記録も残っていて女子大創始者である成瀬仁蔵をモデルにした成澤泉。
先にキャラクター設定がされたのは成澤先生のほうではないんでしょうか。
そこに『五代友厚も登場させたい』というEPの要望もあり、じゃあ五代のキャラどうする?と話し合って…
後半に出てくる成澤にかぶせるのはどうか、で出来上がったのが『五代くん』かと思うと。
いや史実五代友厚もなかなかのお人だった可能性もあるので、仮定なのですが。
もし成澤設定がたたき台にあって、その上に五代くんが作られて…だとすると。
視聴者が五代友厚の死に涙ぐんでる頃に、この成澤くんの撮影し進めてたキャストスタッフ陣(白目
■ファーストペンギンたる成澤泉
どうにか成澤に出会えたあさ。
成澤とあさに女子教育について話します。
厄介者と疎まれてきた成澤はテンション振り切り……
「分かって下さる方が一人でもいる事はありがたい事です。
しかもその一人が白岡あささん、あなただなんて。私は一気に100人の味方を得たような心持ちです!」
そんな喜ぶ成澤にあさは
「先生は厄介者どころかファーストペンギン。いの一番のペンギンになることのできる志と頭脳を持ったお方だす。」
とファーストペンギン授与するも。
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しかしツルッと滑ってフカにパクッと。(なんかそういう動物動画見たことある)
こう、海に飛び込む勇気があっても機を間違えたらだめだということ。
銀行設立のとき正吉さんは柔らかい言い回しであさを導いたけど、あさは比喩で表現するの面白い。
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だんだんあさちゃんが成澤先生に対して食い気味になってきて笑ったwww
成澤くんは昔のあさで、あさは今、忠政じいちゃんや正吉さん、五代さんらの道を照らす人なんですね。
序盤から続く「大恩人」「道を照らす人」「導く人」がこうやってつながってるんだなあと。
しっかしまた濃ゆいの引き当てたな。
■人様んちのお風呂で
さしあたってお風呂に入ってほしい、と頼まれた成澤くん。
風呂を浴びながら、あさと「借金はしたくない」など話の続きをしていたのですが。
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成澤先生ほんと何してんだよww
で、具体的にいくらいくらい必要なのか?という話題で。
「そうだすなぁ。ざっと見積もって…。うん…30万ぐらいだすやろか」
「は?今何て?」
「30万円だす」
ここでナレーションがとどめの一撃。
「この当時の30万は今の時代で言うところのおよそ15億円以上の価値にあたります」
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また倒れた!!
っても15億円にびびるのはわからなくもないし、むしろあさはびびってないというのが。
毎日それくらいのお金を動かしてるんだなあと。
なんだか身も蓋もない成澤君ですが(何をいまさら)
「私は実業家でも経営者でもない。あくまで教育者でありたいのです」と。
政財界に名を残す実業家ではなく教育者でありたいと願った人からこそ、教科書には名が残らなかったのかな。
そんな成澤にあさがポケットマネーであるものを渡しました。
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ビジネスというか、人付き合いの基本は清潔感とTPO。
それがこの時代だと洋装。
さらっと伝えるストーリーがうまい、と。
「馬子にも衣装だすな」
とあさは成澤を評しますが、あさも加野屋に嫁いだとき言われてたっけね。
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(よのさんうしろの榮三郎と雁助さんが懐かしい)
■サプライズぽん
ふやけたワカメが綺麗な三陸ワカメになって、2人のファーストペンギンがとりかかるべきは2つ。
1つは女子教育への理解を得ること、もう1つは女子大学校新設のための資金を確保すること。
前者は成澤がすること、後者はあさがすること、と説明します。
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早速の事業計画提案に驚く成澤。
思わず英語で「サプラーイズ」と。
がしかし。
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「さっきから、んーさぷら、ーさぷら言うのはどういう意味だすのや」
あさちゃん英語やっぱりわかってなかった!!
で成澤は「びっくりぽんのようなもの」と、意味を説明します。
まあ五代くんみたいに聞かれたくないような照れ隠しや自分ツッコミや悪口を英語でいっているわけじゃないから(言い方おい
……「ハズバンド」の意味気づいてないよね。
しかしこうも五代くんにかぶる成澤くん。
「あささん!私が解説しましょう!」
「成澤くん……ワオとサプライズばかりやないか。ワンダフルとエクセレント、それから中国語も混ぜてしっちゃかめっちゃかにするとよろしい」
だの脳内で副音声が再生されてしまう件。
■工藤パパの苦悩
資金集めはあさが担当する、とはなったものの。
なかなか難航。
で、大口の取引先でブラックリスト入りしている工藤さんに頼んでみたのですが、あっさり断られてしまいます。
というのも……
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「サカエは縁談断られました。あいつもあいつで銀行の仕事が楽しいさかい、別にお嫁になんか行きたない言うて」
あの優しく子煩悩でスマイルストーキングの工藤パパの静かな怒り。
ここまで静かに怒るんだから、工藤パパ、サカエさんのお嫁になんか行きたくない宣言よほどショックだったんだろうな。
あさは失言を詫びるも、工藤さんの怒りは静まらず。
店先に出たときでした。
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「お言葉ですけどお父ちゃん。うちに『これからはおなごかてお人形でいてたらあかん。学も必要や』言うて女学校入れてくれはったのはお父ちゃんやありませんか」
「せやから後悔してんねや。ちょっと学かじったくらいで、人様の前で親に楯つくような生意気になるんだったら、人形でいてくれたほうがどんだけましやったか!」
工藤パパが女子行員採用だけではなく、女子大学設立の難しさを語る役になるとは。
言ってることは至極正論。
女子大学を設立することの難しさ、女性の社会進出の難しさ。
それは時代が変わっても何も変わらないのかもしれません。
それをわかったうえでの、サカエさんの「お言葉ですけどお父ちゃん」がぐっときました。
サカエさんがスマイル父ちゃんへの感謝を抱きつつ、でも「自分も言いたいことがある…!」ってのがグッときた。
若い頃のあさと忠興パパ、はつと菊さんを思い出しつつ、これが標準だったんだろなと。
サカエさんを演ずるのは横田美紀さん。
日本女子大(これから成澤とあさが設立する大学校のモデル)のOGだそうで。
ともすればこの台詞を横田さんが言ったというのは、なんとも考えてしまうものです。
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「ゆっくり話聞かしてもらいまひょか」
銀行業と大学設立は話が別。ごっちゃにするな、と貫禄たっぷりに榮三郎とへえさん。
それは言うとおり。
ここに正吉さんがいても雁助さんがいても同じこと言っただろうな。
■光源氏
「また自分の思いだけで突っ走ってしもて…。えらい迷惑かけてしまいました。」
大股で歩いてしまったことを反省するあさ。
「わてらの小さい頃より道が開けてきたて前にあさが言うてましたやろ」
「世間様の考え自体は大きゅう変わってへんのかもしれません。要はどないな人に出会えるかいうだけで」
自分が上手くいっていたのは、人に恵まれていたからなんだと改めて実感をします。
そのあさが最初に出会った導く人はこの人でした。
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「今度はあさがみんなにそろばんあげる手伝いしたいことだすな」
光源氏だった頃に「ようよう考えて進んだ道には新しい朝が来る」とあさに声をかけた新次郎。
このパチパチはんはまだきっと生きてくるだろうな。
ところで光源氏みたいな人が現れたとあさちゃん言いますが、その光源氏さん第一声は「おいどはご無事だすか?」でしたっけ(´-`)
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ところでところで、その光源氏とだいたい同じタイミングで『でぃああさ』砲を打ち込んできた方も、
何十年か経って「千代ちゃん逃げてえええ」と光源氏扱いされましたっけね(´-`)
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■あの万札の人。
「日本一の学者である福沢諭吉先生が作ったのが慶応義塾大学」
「政治家だった大隈重信様が早稲田村に作ったのが東京専門学校」
ならば、大隈重信に会いに行こう!とあさ。
「なにゆえ諭吉に行かぬ、東京で会ったじゃないか」と思ったけれどもあさは諭吉が武田鉄矢だとは知りません(逆もまた然りか)
■大河じゃありません、朝ドラです
いざ!やってきました、東京の大隈邸。
出迎えたのは……
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「まあ!お見えになるのをうちの大隈、楽しみにしていたんですのよ。」
「どなたかの奥様でいらしたかしら?大阪言葉をお話しになるお客様は…?」
大隈夫人役は松坂慶子さん。
沸々と湧いてくる大河ドラマ感。
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「おっ、あなたが女だてらに金儲けに成功して銀行を作ったという例の女の人であるか」
「いやこれはお目にかかれて光栄である。我が輩が大隈重信でありまする」
大隈重信役、高橋秀樹さん。
吹きこぼれる大河ドラマ感。
『花燃ゆ』の再放送か『篤姫』の再放送か、正解は越後製菓か何なのかよくわからなくなる15分間。
(ちょいちょい綾子さん、あささんのつけてるケープ、あの篤姫がこしらえたんですよ)
そんなことは露知らず。
スムーズに通してくれたことに驚きを隠せないあさ。
「うち、今までは初めて行くとこ行くとこ大抵はお猿さんがいたりしてびっくりぽんな事ばっかりだしたのに、こない親切に中に入れて頂けるやなんて…。」
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まあ今まで通されたところがこんなところだったからびっくりするわな。
しかし通されたはいいものの、女子教育を語る自分がなにか見世物になっていることに気づいたあさ。
「あさはその時気付いたのでした。今、この館では自分こそがみんなにとってのお猿さんなのかもしれない事に」
セリフの中のお猿さんで玉利邸の見世物用の猿を思い出させて、あさに気づかせる。
この流れうまい。
■息もつかずに長台詞。
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「白岡夫人、確かにここ日本はかねてより女子を軽んじる風潮があったのである」
「おなごの天職たるは賢母良妻という考えに間違いはないと思うのである」
『我が輩』と『あるんである』が口癖の大隈重信。
見事に結んできている桃太郎侍大隈重信。
ですが、あさはこの論客たちを蹴散らすように……
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「大隈先生。うちも賢母良妻に憧れております。
それに、うちの小さい頃と違て女子も小学校から学べるようになり、高等小学校や娘の通う女学校の話を聞いた時もただただ羨ましい思いました。
ええ時代になったなぁて。ほんま十分や思てたんだす。
うちは…なんてアホやったんだすやろ!
そないな事で満足するやて、さながら道の向こうに小さい頃から焦がれてた宝玉があるかも分かれへんのに
近くに落ちてたビー玉拾てわぁと喜んで帰ろとしてたただの子どもでございます。
うちは政府が打ち出したところの女子はこれで十分やろいう考えにまるで流されてたんだす。
今においても男子と女子の教育はまるで違てます!
男子は学ぶ気さえあったら中学校、高等学校、大学校へと道が開けてますけど、女子はせいぜい女学校師範学校しかあらしまへん。
しかも学べる年月はずっと短い。
また、教科書見ましても、女学校は婦女の道徳に重きが置かれ過ぎて世に出て役に立つ実学が男子に比べてあまりに少ない。
初めから教育の目指すとこが男子は学問、女子は花嫁修業と明らかに違てしもてんのだす。
女子に学問なんか要らん。
学ぶ場さえ用意しといたらそれで十分やろ、いう、そもそもの考えが今日の女子の高等教育の大きい足かせになってるのでございます!
うちは大隈先生のおっしゃる『賢母良妻が女子の主たる天職である』いうお考えに異論はございまへん。
そやけど、そのためにかて学ぶ事は必要だす。
芸事や実技も大事だすけど、世の中の動きに疎い女子だけではあかん。
賢母良妻になるためにかて、男女の教育に区別をすべきやあれへんのだす!」
な……長ぇ……(これでも一部省略)
これをワンカットで一気読み。
この長台詞をどこで持ってくるか、朝ドラで何気に楽しみなところでしたが
それを「実際にモデルの人と親交があった、他人の話を聞かない大隈重信相手に」と考えたのがすごい。
少し五代さんっぽさがあって、ジンワリ。
■白岡君。
長セリフ終えた後……
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「いやこれは見事なり!驚いた!」
「いや見事なプレゼンテーションであった。我が輩がこんなにも長い時間反論もせずに人の話を聞いたのは、東京農林学校の福羽氏からイチゴ栽培の話を聞いたとき以来である。いやこれは驚いた!」
大隈節絶好調。
(口元は何か言いたそうだったけどね)
史実では大隈重信の「すぐ反論してしまう癖」をお手紙で諌めたのは五代友厚だったそうで。
ここでもつながってくるんですね。
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「残念ながら大した役に立てそうもない」
「いいや。うちは学校をお作りになりはりました先輩として、大隈様にお目にかかりに来たのでございます」
政府の要職を辞している大隈重信は、あさの役には立てないとはいうものの。
あさからしてみれば大学設立の大先輩。
あなたに会いたかった、それだけだ、という純粋な気持ち。
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「本当に?爆弾まで投げつけられた我が輩であるぞ。あんなに客がおっても本当の味方など一人もいないのかもしれん」
「結局この世に二心なく残せるのは人材だけだ。だからこそ人を育てるのは何よりも大切なことなのである」
政治と商売。
どちらも世知辛い。
大隈重信に至ってはそのために重傷を負った。
けれど、「世の中に二心なく残せるのは人材」と、知性を備えた人間を育てて送り出すことが大事だと語る2人。
あさもここまで来たんだなあって。
五代友厚とは旧知の仲だし、福沢諭吉のことは福沢諭吉だと知らないで交流してたし、伊藤博文なんかは名前だけ登場だったけど。
でもきっと大隈重信にプレゼンしたみたいに、海に飛び込んでいったんでしょう。
今井の名声に頼ってしまえばいい、五代友厚との仲を話せばいい(観てるほうは知ってるんだけど)。
そうしたほうが話は早い。
けど頼らなかった。伝えなかった。
それ自立した一人の人としての白岡あさをあらわすためだったのでしょう。
「白岡君。この大隈、出来る限りの協力はさせてもらいますぞ」
最初は「白岡夫人」、演説を聴いた後は「白岡君」
この呼び方の変化でわかる、大隈重信があさを認めたということ。
■お見事!
それにしても、波瑠さんはよくあの長台詞をこなしたなあと。
大物ベテラン俳優、高橋さんと松坂さんおふたりを前にして2分越えの長台詞。
宮崎さんほど芸歴長くない波瑠さんをヒロインに起用したスタッフも、波瑠さんご本人もまたファーストペンギンなのかもしれない、となんかそっちに涙目。
お見事でした。
私が波瑠さんを知ったのはノンノのモデルからだったんだけど。
女優さんとして「あ、波瑠だ」と知ったのは救命病棟5あたり。
正直言うと「あさが来た」の主演が決まったとき「マジか、綺麗すぎんじゃねえか」って思いがありました。
10月から始まったこの作品を支えてるのは玉木さんや近藤さん、山内さんも三宅さんも、宮崎さんも柄本さん…
とにかく『大河や朝ドラのベテラン勢』が周りの柱を立ててるけど、その中でスッと伸びてるのは波瑠さんなんでしょうね。
演技に魅了されたのは炭坑のピストルシーン。まさに『奮闘』って感じがして。
盛りだくさんの今週は2部構成です。
【後半はこちら】
『あさが来た』20週その2、誤解、すれちがう母娘、話したいこと、伝えたいこと
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