妄想ジャンキー。202x

人生はネタだらけ、と書き続けてはや20年以上が経ちました。

スカイ・アンブレラの思い出

2007-11-15 00:45:33 | 日記
日曜、高崎線、高崎行きの最終電車。
1つのことを考え出すとそれまで考えていたことを忘れてしまう、そんな習性を呪ったときはこのときほどにはありませんでした。

改札口を出て、荷物が1つ減ったことに気が付く。
「傘忘れた!」
普通のビニル傘なら「まぁいいか」でさっさと帰るところでしたが、忘れたのは大金はたいて買ったスカイアンブレラ。
外身はただのコウモリ傘だけど、中は空の模様が描かれています。
ニューヨーク近代美術館のグッズで、青山の輸入雑貨ショップで購入。
お値段は「傘にそこまでかける?!」と言われる値段です。
中身が空色模様だけあって、雨が降っていても明るい気分になれる、さらには傘さしたくて雨が降るのが待ちどおしくなる代物でした。

「すいません、今の電車に忘れ物しちゃったんですが」
慌てて駅員さんに駆け寄ると、もう日付もかわっているというのに駅員さんは優しく対応してくれました。
5両目の前寄り、左側ボックス席の通路側足元。
置き忘れた場所まで事細かに覚えています。
大事にしていた傘だということもきちんと伝えました。

しかし
「今日籠原駅と高崎駅に問い合わせますので、明日朝また御連絡致します」
と言って、翌日かかった電話は残酷なものでした。
「両駅に問い合わせましたが傘はみつかりませんでした。清掃係のほうにも問い合わせたんですが……」
「そうですか、どうもお手数おかけいたしまして申し訳ありません」
「いえこちらこそ申し訳ありません。大切にしていた傘だというのに」
忘れ物の根本は忘れるやつが悪い。
ついでに持ち去る人もいかがなものかとは思いますが、鉄道会社には何の落ち度もありません。
翌日また電話を頂きました。

「昨晩も探したのですがみつかりませんでした。」
丁寧に謝った駅員さんにさらに丁寧にお礼を言って、受話器を置いてから深い溜め息をつきました。


スカイアンブレラは私のお気に入りの1つです。
この傘さえあれば他の傘はいらない、そう思っていました。
傘ごときに…と思われても致し方はないのですが、あれはきっと運命の傘でした。



今頃スカイアンブレラは誰かの心を晴れさせているのかな。
それはそれでいいことなのかもしれない。

……でもやっぱりお気に入りだったので同じのを買いますグヌヌ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« for the moment | トップ | 榛名湖イルミネーションフェスタ »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事