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就業時間の計り方は曖昧

2016-10-26 | 仕事

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電通の若い社員が、毎日続く長時間残業を苦に自殺という最も悲しい手段でこの世を去った報道が、あちらこちらで議論を呼んでいるようですが、今回は就業時間の計り方について書きます。

労働法では、1日8時間、週40時間以内(例外あり)で働くよう定められていることは、今や知らない人の方が珍しいと思います。

しかし、労使協定(36協定)を結べば、上限はあるものの、それより長く働かせることが出来るため、事実上は8時間以上働いているという人も圧倒的に多いと思います。

では、就労時間(実際に働く時間)は、どこでどのように区切ればよいのでしょうか?

タイムカード、出勤簿に記入、カードリーダー、日報での自己申告、携帯ナビで通知する、LINEで知らせるなど、時間を記録する術は様々あります。

しかし「ここからここまでが仕事の時間」と区切ったところで、仕事の途中で同僚と今晩飲みに行くお店のメニューについて話したり、昨晩飲みすぎてやる気が出ずにだらだらしている時間(瞬間)は、仕事をしていることになるのでしょうか?

休憩時間なら良いでしょうが、仕事の途中で私用メールが届き、ちょっとだからと返信メールを操作する時間などは、仕事をしている時間になるのでしょうか?

その一方で、帰宅しても、明日大切な交渉があるからと、資料に目を通したり、チェックしたりする時間は、就業時間ではないので仕事をしていないことになるのでしょうか?

自宅でお風呂に浸かりながら仕事のアイデアを練っている時間も、夢に素晴らしいアイデアが出て来たからと飛び起きてメモをとる時間も、就業時間でなければ、仕事とは認められないのでしょうか?

この様に、人が仕事をする時間というのは、ある一定の時間経過だけでは計測できない側面を持っています。

一昔前に流行った「24時間働けますか」というリゲインのキャッチコピーの如く、四六時中仕事モードの人は今でも大勢いると私は思っています。と言うか、私もその一人です。でもその一方では、8時間も長く仕事のことなど考えたくないし、実際にそうしているという人も大勢いる事でしょう。

そういう観点で就業時間を考えてみると、本当はとても計測し難い時間だと観る事ができます。

なので、多くの企業では(未だに)就業時間を「身体の居場所」や「身体の動き(状態)」、さらには「着衣の有無」で区切ります。

つまり、意識まではコントロール出来ないし見る事も出来ないので、目に見える身体を基準に時間をカウントするという方式です。

これは、かつて高度経済成長を成した日本のレガシーだと私は思うのです。いわゆるブルーカラーの労働者たちを効率よく、しかも意欲的に働かせるための時間設定の延長上に立つ考え方だと思うのです。

今後も就業時間をめぐる議論は尽きることはないと思いますが、これからは確実に身体ではなく「意識」の時代になると思います。

人口知能やロボットが活躍する時代を迎えて、人間の果たす役割も大きく変化します。

そろそろ、身体を基準とした就業時間の計測から、意識レベルでの就業時間のカウント方式?を編み出す必要がある様に思えてならない今日この頃です。

今このブログを読んで頂いている方、貴方の意識は今、仕事をしていますか?

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時間と仕事の関係

2016-10-13 | 仕事

月に100時間を超える残業を強いられ、若くして自ら命を絶ってしまった女性の話題が持ち上がっています。

彼女に自殺以外の決着の道は無かったのか?彼女の悲痛な叫びに誰も気づけなかったのだろうか?彼女の同僚や上司はどう受け止めているのか?他にも同じように悩んでいる人はどの位いるのか?なぜこの会社は同じ過ちを繰り返すのか?・・・いろんな疑問や感情が浮かんで来ました。

また、この問題をめぐり不適切なコメントをした大学の先生が”やり玉”に上がり、批判や論評が無数に飛び交う現象にも、いつもながらのネット社会の深い闇を感じています。

社会に出て間もない若者が、これから謳歌すべき人生を自ら断つという、最も悲しいし選択をしたという事実に、社会を形成する一人の大人として、またキャリア・コンサルタントとして責任を感じます。

彼女の冥福を祈ると共に、今回は、これからまさに社会に出ようとしている若者に「時間と仕事の関係」について、私なりの観点で書きます。

まず、覚えておいて欲しいのは、仕事には2種類の時間があるということです。

一つは「自分時間」、そしてもう一つは「他人時間」です。(ただし、自分時間とはプライベートのことではありません。あくまでも仕事時間の一つと捉えて下さい)

他人時間とは、自分でコントロールできない、あるいはコントロールさせてくれない時間のことで、例えば、販売職ならお客さんが来店する時間や、買い物をする時間などがそれに当たります。また、事務職なら電話が鳴る時間や上司からの指示、不意な来客などがそれに当たり、相手次第で自分の仕事をする時間が制限されたり、順序が決められたりすることを指します。

ということは、自分時間は自分でコントロールできる時間ということになりますが、果たしてそれはどんな時でしょうか?

例えば、15時にワードで2枚の書類を作るよう上司に頼まれ、制限時間に間に合うように作り提出しました。

これは他人時間ですか?それとも自分時間ですか?

書類作成の依頼を受けた15時は他人時間(上司の都合)ですが、制限時間を自分が決めたのなら、あるいは決めることが許されるなら、それは自分時間です。しかし、上司が今日の17時までにと言って依頼したのなら、やはり他人時間です。

ただし、依頼を受けた15時から17時までの2時間の使い方は、実は自分時間ですが、上司が横に座り事細かに指示を出すのなら、それはやはり他人時間となります。やややこしいですね。

別の表現をすると、仕事のタイミングや順番を決めるのが他人時間で、その仕事をするペースやスピードが自分時間という関係です。

スーパーのレジで説明すると、お客さんがレジに来る時間は他人時間ですが、品物を通す時間はレジを担当する人の自分時間となる訳です。ついでに、清算の時に財布から小銭をせっせと出す時間は、お客さんの自分時間になります。

実は、仕事のほとんどは他人時間で順序付けが成されていて、その仕事をこなす時間が自分時間という関係になっています。(そもそも仕事自体が、誰かの為の行為ですから、当たり前と言えばそれまでですが・・・)

多くの人は、自分時間が他人時間に合わないと感じる時に、ストレスを感じます。(データなどはありませんが)

だからこそ、そこに時間に対する観点の問題が生じるのです。

仕事上のトラブルでよくある「遅い!!まだできないのか!!」などというクレームは、互いの持つ自分時間に対する観点の相違が原因となります。つまり自分では慎重にしているつもりでも、待っている人から見れば遅いとなるし、いくら早くしても雑になればまたクレームになる・・・逆に予想外のスピードで正確にこなしたなら賞賛されたりします。

つまり、心地の良い職場にするには、時間と仕事の関係は実は重要な問題だと私は考えます。

仕事を覚えるとは、まさに自分時間を他人時間にアジャストする行為であり、コントロールできるようになる事だと、私は思います。

冒頭に述べた彼女の場合、おそらく1日のほぼすべてが仕事時間であり、その中には自分時間はほとんど無かったのだと推測します。

どんな仕事も、自分時間がコントロール出来る様になる時が訪れます。それは飛躍の時でもあり、仕事の楽しさを味わえるステージに上がることを意味します。

私が言いたいのは、多くの新社会人は、他人時間に合わせた自分時間の調整力を持っていない事と、先輩の持つ自分時間と自身のそれとの差に気づいて欲しいということです。

1日の仕事の中で、自分時間と他人時間がどんなふうに絡み合っているのかによって、その日の充実感も変わってくることを、もっと意識して欲しいと思います。そして、仕事は単に早くこなす事だけが良い訳ではないことも知っておいて欲しいのです。

最後に、自分時間をコントロールする能力は、実は私生活や学校生活でも十分磨くことが出来ます。

その秘訣はまた後日書きます。