Youth worker Support【未来を創る若者たちへ】

「はたらいて幸せになろう!」仕事は自分を成長させ、人を幸せにします。そんな仕事を楽しむための情報をお届けします。

私だけの仕事の流儀 (ケント)

2016-02-28 | 仕事

「私だけの仕事の流儀」4人目は、なんと25歳。期待の若者の登場です。

 

ニックネームは「ケント」さんです。

福岡市在住 25歳。

現在は、ドラッグストアでアルバイトをしながら就職活動中とのことです。

 

彼との出会いは、私が仲間たちと企画したイベントに参加してくれたことがきっかけでした。

第一印象は、勢いのある“あんちゃん”という感じで、物怖じしない独自の世界観を持っている若者だなぁ~と思いましたが、それから時間が経つに連れ、徐々に彼の個性に触れて行くうちに、なにやら懐かしい気分にさせてくれることに気付きました。

ケントの中に、若い頃の私とリンクする部分があり、「あの頃の自分」に戻してくれる彼は、私にとって期待せざるを得ない存在です。

まだまだ発展途上のケントが、若いなりに何を感じて来たのかという観点で、これまでの仕事を振り返って頂きました。

私が彼に期待せざるをえないという理由も含めて、その一部を紹介します。

 

 

● これまで経験したお仕事・またはその一部

福岡大学卒業後、広島県の半導体工場に就職(約1年)・その後は福岡に帰省し、短期のアルバイトや広告代理店の研修生、深夜のゴミの収集作業とドラックストアの掛け持ちも経験。

 

● もっとも印象深い仕事と、その内容

大学生の時、短期アルバイトでイベント会場の設営と案内役をした時のことです。

福岡サンパレスのコンサートだけあって、設営も大掛かりで早朝から大勢でほとんど休憩も取らずに作業した後に、今度は案内役として会場内に配置され、お客様の誘導をしました。

大物演歌歌手だけあって、お客様のほとんどが中高年の方だったので、大きな声で席の案内をしたり、時には座席まで誘導したりと、案内役もかなり体力を消耗する仕事でした。

しかし、その中で「ありがとうね」と声をかけて下さるお客様に何人も遭遇するうちに、淡々としていた設営作業とは違い、自分が役に立っているという実感が湧き出るのを感じました。

見知らぬ中高年のお客様から褒めてもらったことが、素直にうれしいと感じたのはこの時が初めてかもしれません。

その後も後片付けの作業があり深夜にまで及んだ仕事は、頂いたお金だけで考えると、はっきりって割に合わないと思いますが、その時はやりがいや達成感を実感できたので、いい仕事だったと思いました。

 

● その仕事を振り返って、今思うこと

設営のバイトは重労働でありながら割安だと思いました。

しかし、自分はこの経験をしたことで、これが仕事の現実だと思い知ったと同時に、自分の可能性のようなものを感じました。それは自分の体力も意外に持続するものだと思ったし、何より人に感謝されるという喜びを実感できたことは大きいと思います。

この時の経験が、その後の人付き合いや今のドラックストアでの仕事にも繋がっていると思います。

(仕事観を形成する基になっていると思います)

 

● 忘れられない仕事での失敗談

半導体工場での事です。入社して4か月が経過したころ、半導体製品を製造する機械に操作プログラムを選択してスイッチを入れるという役割を担当していた私は、次の製品製造に移る工程で簡単な操作手順を間違えてしまい、確認動作も疎かにしてしまうというミスをしてしまいました。

仕事にも慣れてきた頃で気が緩んでいたのだと、今となっては言えるのですが、当時は全く気が付かず、無意識の行動でした。

運良く先輩が気付き誤作動寸前で停止してくれたので、過剰製造という大問題には至らず、時間ロスもわずかで済んだので、周囲に謝罪することでその場は収まりましたが、それを機に自分の中では「信頼を失った」という思いが強くなり早く信頼を取り戻さねばという焦りが心を占め、その後の私は完全に委縮してしまい、二度と失敗をすまいと慎重になり過ぎてしまいました。

当時としては、給料も良かったし奨学金の返済もあったので、どうしても辞められないという思いで一杯でしたが、結果的にはその思いが自分を追い詰めてしまうことになり、退職へと繋がりました。

 

● 仕事で影響を受けた人

私生活では沢山いますが、仕事上で浮かぶのは半導体工場で自分が所属するチームの教育係を担当されていた先輩のことです。

自分のことをよく理解してくれて、いつも味方になってくれる、当時の私にとって大切な相談相手でもあるその先輩は、今でも私の理想の上司像です。

 

● 仕事で楽しいと思う瞬間

相手に褒められた時。

自分の力で一つの結果を出した時。特に難易度の高い仕事や、要求度の高いお客様に接した時に「ありがとう」という言葉をもらった瞬間は、心の中でガッツポーズしています。

そういう楽しい瞬間の積み重ねが、自分の可能性を無限に広げてくれると思います。

 

● 今になって思う、仕事のために、やっておけば良かったこと

大学時代に、もっと就活をしておけば良かったと思います。

特に企業研究は、しっかりと幅広くしておけば良かったと、今就活していて改めて思います。

当時は公務員を目指していたので、試験勉強はそれなりに努力したと言えますが、民間の企業には左程興味を持っていなかったので、就活らしい活動はほとんどしておらず、秋も終わる頃に最後の公務員試験(面接)に落ちてから、焦って方向転換する羽目になりました。

就職浪人は親も認めず、奨学金の返済もあったので、とりあえず募集している会社の中から、あまり将来のことも考えずに応募し、広島の半導体工場に決まったのですが、今になってみると、やはり就活はしっかりしておけばと痛感します。

 

● ズバリ、仕事とは何か

未だ何かを掴んだ訳ではないので結論ではありませんが、今までの自分は確実に「お金を稼ぐ手段」という感覚が大半を占めていました。

しかし、今はそれに加えて「自分を活かすこと」という感じがしている。

今後は100%自分を活かせる仕事に就きたいし、自分で仕事を創ってゆきたいと考えています。

 

● 自分にとっての仕事の意味価値とは

仕事をする以上、お金を稼ぐという意味価値はあると思います。

でもそれ以上に価値があるのは、仕事を通して立場チェンジができることだと思います。

接客の仕事なら、自分がお客様の立場だったらどうして欲しいか、という考え方がリアルに活かせるし、その行動が良い結果に繋がったらお互いが喜べるし、仕事に限らず人間関係の向上にも役立つと思います。

そしてもう一つが、チームプレーを通して絆をつくることが出来るという価値です。

仕事には共通目標があり、それぞれの能力を発揮してその目標を達成できた時は、やりがいと共に仲間との絆も実感できるし、それがまた次の仕事の活力にもなっていると思います。

 

● 未だ社会に出ていない若者へ、贈る言葉

自分もまだ若いので大それたことは言えませんが、人間として生まれてきた以上、いろいろなことに身体を使って経験して欲しいと思います。

何事もチャレンジあるのみ!! ただし、礼儀や感謝は大切にしましょう。

それから、就活もしっかりしようね。

 

★ 私だけの仕事の流儀とは

常に、相手を優先すること。

どんな仕事にも相手が存在します。だからこそ、そこに自分の役割が生まれ、相手があってこその自分という感謝が生まれる。そのことを忘れてはいけないと思います。

 

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今回、ケントのインタビューを通して、私は改めて若者の大いなる可能性を感じました。

彼はいわゆる早期離職者と呼ばれる若者です。しかも今現在の状態はフリーターです。

しかし彼は、時代や社会制度を憂うことなく、その口からは「相手を優先する」とか「相手に感謝する」という言葉が自然に出てくるのです。

それは、ケント自身の人間性でもあると同時に、彼がプライベートで、PBLSというNPO法人の会員メンバーの中で地区リーダーを務めていることに起因していると私は観ています。

その地区は、彼の親世代よりもさらに上の世代の方も所属されているコミュニティーで、最も若いケントがリーダー兼雑用係として奮闘し、カラオケ紅白歌合戦や、「ほめゲー」というコミュニケーション向上ツールを使ったイベントなど、毎月様々なイベントを仕切ってくれています。

そんな仲間内でも、彼は歴史好きで通っており、歴史とそこに登場する人物には彼独自の解析と熱い思いを抱いています。

そんなケントの思いを皆に発信しようと、私の所属する地区で定期開催しているイベントに彼を講師として招き、関ヶ原の合戦をベースにした人間関係を考えるワークショップを共に企画・開催しました。

準備から開催に至るまでの彼は、まさに水を得た魚の如く生き生きと楽しいそうに取り組み、イベントはアンコール開催をするほどの盛況ぶりでした。

私は、その企画を通してケントと何度も打ち合わせをし、イベントでケントが一生懸命講師役に挑戦している姿を見守る中で、自分の中にまだ燻っていた夢を実現したいという思いを再認識することができました。

私の仕事は、彼のような若者を正規社員として再就職させることを目的としていますが、ケントが私に教えてくれたのは、本当にその人が活かされる仕事を得ることに向けた支援が必要だということです。

ケントはまだまだ未開発の能力に満ちた可能性の塊です。そして、彼の周りには経験豊富な人生の大先輩が大勢います。

社会的地位のある大人が、フリーターの孫のような若者と共に、日本の未来を真剣に考えている光景が、そこには確かに存在しています。

世代を超えた人と人の心の交流の輪が、若者の可能性を自覚させ、開花させてゆく道に繋がることを、私はケントとの出会いで確信しました。

これからの、彼の活躍に期待せざるを得ないのは、そういう理由でした。

 

2016.2 Yout hworker・Support「私だけの仕事の流儀」

 


早期離職者の方へ・・・辞めた理由は重要ではないよ。

2016-02-26 | 仕事

大卒で入社した若者の約3割が、3年以内に離職するという現象は、もはや定着したと言っても過言ではないようです。

かれこれ30年続く現象です。

実は私もその内の一人ですが・・・

新卒応援ハローワークには、いわゆる早期離職者も訪れますが、その多くが悩むのが、離職理由を聞かれた場合の返答です。

特に、半年以内で離職したケースでは、相当深刻な悩みになっている人が多く、そのために次の一歩を踏み出せないという人も、実は我々が把握している数の数倍はいるのではないか?と思われます。

なので、そんな悩みを抱えて前に進めない状態になっている人に、普段私が窓口で早期離職者に話していることを書きます。

相談では、早期離職した人が口に出さずとも「自分はすぐに辞めてしまったので、マイナスイメージを持たれるのではないか?」などと思っていることは、少し話せば分かります。しっかりと顔に書いてあるからです。

結論から言うと、「(相手にとって)離職理由はそれほど重要な情報ではないよ」ということです。

このブログをはじめて最初のシリーズでも似たようなことを書いていますが、会社側の採用担当者は、芸能リポーターではありませんし、貴方の身の上話しを聞きたい訳でもありません。

貴方が、その会社の仕事に適しているのか、やる気はあるのか、今後どうしたいと考えているのかが知りたいのです。

では、どうして「前職はなぜ辞めたのですか?」などと聞くのでしょうか?

それは、貴方自身の自分に対する姿勢を確認しているのです。

履歴を見ればどのくらいの期間で辞めたのかすぐに分かりますが、その事実をどう受け止めているのか、乗り越えているのか、気持ちを入れ替えて前向きになっているのかなどを確認しているのです。(念のためですけど)

例えば、暗い表情になり明らかに嘘だろうと分かるような言い訳をする人なら、採用担当者は「何があったか知らいけれど、まだ触れられたくないのかな?それなら採用しても同僚や先輩から同じこと聞かれても嫌だろうな~。周りも本人も気を遣うだろうから、今回はお断りしよう」などと、0.1秒くらいで即決されてしまいます。

では、どうすれば良いのかというと、「淡々と、さらりと、明るく、事実を述べて反省し、未来を語る」ことをお勧めします。(くれぐれも、批判や悪口にならないよう、注意しましょう)

なぜかと言うと、面接では適性や意欲に重点を置きますが、入社後に他の社員との交流が始まったらそういう訳には行きません。

色んな場面で「前は何してたの?」「どうして辞めたの?」などと世間話の中では当たり前のように聞かれ始めます。

そんな時に、あっさりと「入ってみたら、全然自分に合わない仕事だったんで、すぐに足を洗って出直そうと思ったんです(笑い)」などと言えた方が、周囲にも気を使わせずに済むし、自分も隠さなくて済むので、ストレスにならないのです。

ついでに言っておきますが、世間で働く人はみんな、それなりに失敗や辛い経験をして来ているので、人をどうこう批判できるような立派な人など、そうそういませんよ。当然私もですが。

だから、貴方が前職を辞めた経緯や理由も、世間から見たら取るに足らないありふれた事の一つに過ぎません。

つまり、離職理由が重要だと思っているのは、当の本人なのです。

会社を辞めた人は罪人ですか?早期離職は法律違反ですか?直ぐに辞める人は信用出来ない人ですか?・・・

私はよく、そう問いかけますが、皆一様に「いいえ」と言います。

しかし今、早期離職の理由が言えないと悩んでいる人の多くは、まるで自分が犯罪でも犯した勢いで自分を責めたりしています。

だから、次の一歩が踏み出せず、他者に自分の非を責められると勘違いしている。非常にもったいない時間を過ごしていませんか?

私は、自分が早期離職を経験しているからという訳ではありませんが、そういう経験で「つまずき」を感じた人なら、その分だけ共感力も得られると思っています。

前にも書いたと思いますが、共感力は社会人にとって最も重要な能力だと、私は思います。

共感力だけではなく、協調性・立場チェンジ・思いやり・いたわりなどと表現される、相手のことを思い考える能力は、人間として最も優れた行為だと思うのです。

しかも、そういった能力は読み書きになどで理解する「理屈」ではなく、体験を通して「心に刻む」ものです。

さらに重要なのが、予期せぬ不都合との遭遇が、結果的により深く心に刻み込まれるという体験となることです。

始めから、早期離職を予定して入社する人などいません。つまり早期離職は、予期せぬ不都合に遭遇したと言えるのではないでしょうか。

その分、心に刻むべき感情も深くなるのです。

そう思ったら、早期離職の理由など、あまり大したことではないと思えるようになります。

それよりも「今回の経験で、私は以前に増して人を思いやることの大切さを知りました」などと言えるようになって欲しいと思います。

それでも世間は広いので、「早期離職をするような人はだめだ」と考える人もいることでしょう。

私も転職活動の際、何度かそう言われて落ち込んだたことがありますが、今ではそういう人はそういう人たちのコミュニティーで楽しく過ごせば良いだけだと思えるようになりました。

悩んで立ち止まって自分に向き合うのも、人生では大切な時もありますが、あんまり長引くと癖になってしまうので、少し勇気をもって行動してみて下さい。

そうは言っても・・・と自信のない人は、私に会いに来てください。

貴方がマイナスだと思っている出来事を、どうか私に話して下さい。すべてひっくり返して、のしを付けてお返し致します。


これから就活を迎える学生に必要なこと。

2016-02-23 | 仕事

新卒応援ハローワークには、徐々に29年卒業の学生が増えて来ました。

ちなみに、98%は女性ですが…

今回は、完全に私の持論だけで書きます。

結論。「多くの大人と話すべし!」

就活は、合同説明会などのイベントに行くのも、大学での就職ガイダンスやセミナーを受けるのも大切。

リクナビ・マイナビに登録して、滝の如く届く求人情報に浸るのも大切。

学内のキャリア支援課や、ハローワークに行って、エントリーシートや面接の準備を始めるのも大切。

業界研究・自己分析・SPI対策など、大切なことは山ほどあります。

しかし、何より大切なのは、できるだけ多くの大人との会話を意識的に増やすことが大切だと私は思います。

就活に入ると、圧倒的に大人との接点が増えます。

なので、その予行演習として意図的に交友関係の枠を広げるよう努力してほしいのです。

今現在、周囲を見渡して大人との接点がないと思う人は、早急に社会人と交流できるイベントに参加したり、親や友人のコネを使って話してくれる社会人を探したり、積極的にOB・OG訪問を繰り返すなど、とにかく大人に会う機会を増やしてほしいと思います。

アルバイトやボランティアで大人と接点がある人は、これまで以上に会話の時間を持つよう、またはもっと違う世界の大人と接点を持つよう努力してみて下さい。

なぜかと言うと、言葉使いも、マナーなどの動作も、自分らしい笑顔も、すべては日ごろの行いがものを言います。

つまり、日ごろから大人との交流を持っている人の方が、自然に話せるし、自然に適切な振る舞いが出来るようになるからです。

ほぼすべての企業が、今もなお「コミュニケーション能力」を口にしますが、それはまさに世代を超えた交流が出来る人を意味しています。

「社会人との交流はほとんどありません」という人と、「大学に入って多くの社会人に出会って来ました」という人は、話せばすぐに分かります。

実際に社会人になれば、嫌でも色んな大人と出会って行くので、その準備や覚悟が出来ているのかどうかは、企業側も気にしています。

なので、就活を意識しているなら、就活に意欲を持っているなら、出来るだけ多くの社会人との接点を持ちましょう。

どうしても恥ずかしくて話が出来ないと思う人は、新卒応援ハローワークに来て下さい。

人生経験豊富な相談のプロが、いろんな話をしてくれるし、貴方の話もじっくり聴きます。

それも、立派な大人との接点です。

 


私だけの仕事の流儀(和尚)

2016-02-21 | 仕事

「私だけの仕事の流儀」3人目は、個性派男性の登場です。

 

ニックネームは「和尚」さんです。

福岡市在住 51歳。

現在は、就職活動中とのことです。

 

私と和尚の出会いは昨年の7月頃でしたが、その風貌と物言いから最初は随分年上の方だと思い込んでいましたが、実は私と3歳しか違わないお兄さんだったと知り驚きました。

しかし、その後イベントの企画などを共に考え活動する中で、随分年上に思えたのは、単なる見た目だけでなく、その知識の広さと深さにあるのだと思い知ることになりました。

今回は、そんな男の人生のほんの一部ですが、みなさんに紹介したいと思います。

 

● これまで経験したお仕事・またはその一部

某有名加工食品メーカーの営業職(約5年)・某地元運送会社の倉庫内作業(約23年)

 

● もっとも印象深い仕事と、その内容

新卒で入社した加工食品メーカーで、返品商品を別の商品に詰め替える作業をさせられていたことです。

今では考えられませんが、当時は賞味期限の表示義務もない時代。会社は売れ残りを軽減する目的で、返品になった加工品(中身)を別のパッケージに入れて販売するという手法を取っていました。

同業者も当たり前のように行っていたいわゆる「すり替え工作」を、仕事とは言えやり切れない思いで、しかもサービス残業でしていたことは、今でも忘れられません。

 

● その仕事を振り返って、今思うこと

新卒で社会に出て、初めての経験ばかりだったが、さすがに「すり替え」はおかしいと思い、当時付き合いのあったある経営者に打ち明けたところ、「それは賢いやり方だよ」と言われ、なおショックを受けたことを思い出す。

見ぬもの清で、ごまかして会社の利益を上げることが賢い考えのはずはない!との思いに駆られ、5年目で退職したが、しばらくして当時の係長はその手法を続けた後に部長になったと聞き、「世の中わからん」と思い、不信感だけが募っていった。

※これは、ある会社の批判や告発ではなく、一つの経験談ですので、その点はご理解ください。

 

● 忘れられない仕事での失敗談

某加工食品メーカーの営業時代に、あるキャンペーンがあり、約80名の当選者に1,000円分の商品券を発送する仕事を担当したが、肝心の商品券を入れ忘れるという大失敗をしてしまったこと。

ちょっとした確認不足から発送後に入れ忘れに気が付いて、慌ててキャンペーンを実施してくれた量販店に謝罪に行き、すぐに再発送して事は収まったが、今のようなネット社会だったら、それだけでは済まなかったと思う。

 

● 仕事で影響を受けた人

某加工食品メーカーで出会った二人の先輩。

一人は5歳上で、超体育会系で相撲取りのような大男。上司には愛想が良いが、下には恫喝は日常茶飯事、それに加えて意味不明の罵倒が前触れもなく始まり、時には暴力も…そんな恐ろしい先輩だった。

そしてもう一人は、体育会系のさらに上の上司。超気分屋で自己中心的な人物。誰にも言わないから信用しろと言われて話したことが、翌日には皆が知っている状態だった。しかし、自分のことを棚に上げて「お前は常識がない!」といつも言われていた。

恫喝されるは、常識がないと言われるは、さんざん罵倒されているうちに、自分は何を信じたらいいのか、世の中何が正しいのかを深く考えるようになった。

その影響が一番出ているのが、読書の習慣がついたこと。真実を本に求めてあらゆるジャンルの本を読み漁っていた。

その他に影響を受けていると思うのは、たまに大きな声を出して周囲を驚かせる時があることと、こんな人間にはならないと反面教師にしていること。

 

● 仕事で楽しいと思う瞬間

何らかのトラブルが生じた時に、それを解決できた瞬間。

1日の行動目標が時間通りに進み、すべて上手くいった時。

 

● 今になって思う、仕事のために、やっておけば良かったこと

今でも悔やむのが、商品すり替えを止めさせられなかったこと。

社内では何度も疑問を投げかけ上司に詰め寄ったが、その度に「これもお前のためだ」と抑え込まれるパターンが続いた。その頃に「情けは人の為ならず」という言葉の意味を知った。

当時の自分がもう少し論理的に説明できる技量があったらと思う。

だからこそ、その頃からしきりに本を読んだ。

 

● ズバリ、仕事とは何か

「商は笑なり」という言葉があるが、仕事は常に相手を満足させてこその仕事。単にお金を稼ぐだけではなく、商売相手のその先にいる顧客の満足まで意識して、みんなが笑顔になるような仕事が本当の仕事だと思う。

 

● 自分にとっての仕事の意味価値とは

まず仕事をする舞台となる「会社」とは、「会(あう)」に「社(やしろ)」という字で表すように、神の元に人々が集うという、良いイメージの解釈が出来るが、一方で「企業」と表現すると「企(くわだてる)」とは「人」を「止める」と書き、「業(なりわい)」とは「ごう(カルマ)」を意味する。つまり、そこに人々を留めて混沌の中へいざなうという、マイナス的な解釈も出来る。

そう考えると、仕事の意味価値とは、やはり自分自身のスタンスをどう規定するかが重要で、心の奥底にある人としての誠実さを見極め、社会に反映させることではないかと思う。

自分にとことん向き合い、アイデンティティにつながる。それが仕事の意味価値だと思う。

● 未だ社会に出ていない若者へ、贈る言葉

「若者達よ、とにかく本を読め!そして書け!」

今はスマホさえあれば、どんな疑問でもそれなりの答えを出してくれる。しかし、それは本物の答えではなく、誰かの言葉を簡単に信じているに過ぎない。だからブレる。

しかし、本を読み疑問を得て、また本を読み違う疑問を見つけ、さらに本を読んで考えた出した答えは本物だと、私は言いたい。

さらに、その答えを自分のものにして行くためには書くことも必要。

仕事に直接関係ないと思っても、様々な本を読んでいると、何処からかヒントが出てくるもの。だから、読んで、書いて、また読んで・・そういう繰り返しで得た知識が本物であり自分の血肉になると思う。

 

★ 私だけの仕事の流儀とは

常に、他者と違った目線で物事を観ること。

どんなに上手く進んでいるように見える仕事でも、みんなが同じ方向だけ観ていると、必ず変な方向になる。だから自分はあえて人と違う目線で「一石を投じる」スタンスを取りたい。

自分はもともと人嫌い。だから人と群れたり、他人とべったり一緒に過ごしたりするのが苦手だった。

そんな自分だからこそ、常に人と違うスタンスを取ることが、私だけの仕事の流儀だと思う。

 

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今回のインタビューでは、私の知らない和尚の側面がいくつもあり、驚きの連続でした。

しかし、和尚の、和尚たるゆえんが少しだけ分かったような気がします。

彼はいつでもどこでも、必ず時間さえあれば本を読んでいます。

そして、会話の端々に、それを彷彿とさせるような、難しい言葉や言い回しをするので、時々ついて行けなくなるのですが、それがまた和尚らしくて、話すのが楽しくなります。

今回、改めて教えられたのは「誠実さ」です。

和尚は、今でも新入社員のころの「すり替え工作」のことを思い出し、悔いが残ると言っていました。

もう30年近くも経つというのに、しばしば話に登場するくらい、和尚にとっての業のようなものを感じました。

しかしそれこそ、誠実さの表れではないかと、私は思います。

単なる正義感や責任感ではなく、自戒を込めたその誠実な姿勢は、彼を知る人なら誰でも頷けると思います。

もう一つ、このインタビューの中で彼らしいエピソードがありました。

それは、和尚がまだ大阪の大学生だった頃、世間に嫌気がさして方向性を見失っていた時にある先輩に誘われて、やくざ稼業の一歩手前まで入り込んだ経験があるというお話でした。

当時の男子なら流行映画の影響もあり、誰でも一度は憧れた極道の世界も、現実に覗いてみたら大違い。

さっさと足を洗い、きれいな身体で元の世界に戻れて良かったと、笑いながら話して下さいました。

あのまま道を踏み外していたら、今頃魚のエサにでもなっていたと、若気の至りを懐かしむ一面もありましたが、私はそのお話を聞きながら、当時から思い込んだらまっしぐらな人だったのかと感じました。

自他共に認める「本の虫」。彼には本という存在があったことで、自分と向き合うことが出来、さらに深く心理を追及したいという思いを高めて行けるのだと思います。

私が彼を一番尊敬するところは、深い知識を持ちながらも、人の話を聴く姿勢を忘れないところです。

自分の経験や知識を奢ることなく、謙虚に温存している彼の生き方には頭が下がります。

これからも、和尚からいろんな事を学びたいと思います。

ありがとうございました。

 

 

 

2016.2 Yout hworkerSupport「私だけの仕事の流儀」

 


面接が得意な人は読まないでね。(その3)

2016-02-19 | 仕事

前回に続き、面接が苦手だなぁ~と思っている人に送るメッセージです。

なので、私は(俺は)面接なんか目じゃないよ!と思っている人は読まなくてもいいです。

今回は、社長(役員)面接の挑み方について書きます。

あれ?面接が苦手な人が、なんで最終面接まで進むの?と思っている人もいるかもしれませんね。

通常は、社長や役員が登場する面接は、最終面接となる事が多いので、そんな疑問もあるかと思います。

しかし、面接が苦手だと思っている人でも、通ることもあるのが面接の面白いところです。

つまり、面接に通過するために、苦手とか得意とかは、あまり関係がないということです。

なので、面接が苦手だと思っている人が、なぜか知らないうちに最終まで行ったというケースは実に多いのです。

という訳で、今回はそんな「なんで私が最終面接に・・・」と思っている人に向けて書きます。

 

結論から言うと「社長や役員との会話を楽しもう」です。

もともと苦手意識があるのに、相手が偉い人となると腰が引けるのも分かりますが、文字通り最終なので、せめて良い思い出にして終わりませんか?というのが、私の提案です。 

これも就活の醍醐味ですが、会社の経営者と直接話ができる機会なんて、そうそうないですよ。

だから、社長さんがどんな雰囲気の人なのか、どんな話をするのか、何を聞かれるのか楽しみじゃん。ついでにお話しできたらもっと良い思い出になると思わない? 私はよくそう言って、ビビりまくっている自称、面接が苦手な若者を送り出します。

ただし、マナーだけはしっかり練習してもらいますが・・・

苦手意識丸出しで、その場だけなんとかやり過ごそうと頑張るのも良いでしょうが、その場合はだいたい撃沈して自己嫌悪に陥る羽目になります。それでも内定になったりするのが面接ですけどね。(楽しいですね)

初めから、なぜ自分が最終まで行ったのか分からないと思っているなら、素直にラッキーだと受け止めて、せっかくの偉い人との時間を楽しむ方がよっぽど建設的だと、私は思います。感謝して、会話して、良い思い出にすれば、たとえ落ちてもそんなに落ち込まなくて済むというものです。

面接は苦手だ苦手だと言いながら、案外あっさり内定を得る学生を、私は何人も見て来ました。

片方で、最初に会った時には面接には自信があると言い切っていた学生が、意気消沈してもうダメですと肩を落として訪れるケースも何度もあります。

この仕事をしていてつくづく感じるのは、やはり人の縁です。

世の中は、人と人とが出会うべくして出会い、別れるべくして別れる。それを繰り返しながら自分の居場所を創ってゆくのだと思います。

面接もその一つだと、私は思うのです。

面接も、人との出会いの場だと思って、どうか苦手意識ではなく、好奇心を持って臨んでほしいものです。

念のため言っておきますが、ハローワークでは、面接練習もしっかり行っておりますので、是非ご利用ください。