就活が楽しくなる!そのカギは、私たちが日々”無意識”に行っている自己分析を早期に”意識化”することです。
「大学生のための自己分析のススメ」と題して、簡単にできる自己分析の手法と活用法を、分かりやすく解説してゆきます。
自分を知ることは周囲や世間とつながってゆくことを意味します。あなたにしかできない就活を楽しんでください。
今回は、インプットの3つの情報源の3つ目「各種検査」についてのお話です。
③適性検査:自分の特性を数値で把握すること。
検査と聞くと、まず企業が採用参考で行うSPIや一般常識テストなどを想像する人が多いと思いますが、ここで言う適性検査とは、ある特定の検査を受けなさいという意味ではありません。
大切なのは、自分の特性や興味を数値で把握し、情報発信の材料にすることです。
就職活動の支援という立場から、実際にどんな検査が行われているのか幾つか例を上げると、「VPI職業興味検査」「厚生労働省編一般職業適性検査(GATB)」「キャリア・インサイト」などが比較的多く用いられている様です。
これらは、個々の適性能力や興味を測定し、適切な職種との関連性を探るために用いられる検査ですが、他にも性格特性や行動特性、または心理状態などを把握するものあり、実に多種多様な検査が行われています。(採用選考に登場するSPIシリーズなども、職業適性を判断する検査ツールの一つです)
自己分析の中でも、特に自己理解の部分を促進する場合に、適性検査は大変有効だとされています。
例えば、自分は物作りが好きだと思っている人が興味検査を受けてみると、以外にも物作りより接客の興味を示す値の方が高かったり、数字には強いと自信を持っている人でも、適性検査では数理の値が低い結果となったりすることは、よくあることです。(意外な結果が出る人と、そうでない人がいます)
3つのインプットに適性検査が入っているのは、自分を客観視することと、自分の適性能力を思い込みではなく、正確に把握することが大切だからです。(但し、好きかどうかは大切です)
そして、検査で得た情報は、自分の特性能力を数値や順位などで表現することで、より具体的で説得力のある情報となって、自己PRや志望動機に活かせるのです。
検査に関する注意点
就職に関する適性検査を受ける場合は、以下の点に注意が必要です。
① 検査の目的や内容を把握し、自分にとって必要だと判断できるものを受けること。
② 検査結果については、基本的に専門家に相談し、その解釈や捉え方を正しく理解すること。
③ 検査結果が絶対ではないので、あくまでも自己分析の一つの情報として位置付けること。
適性検査の中には、インターネットで手軽に受ける事のできるものもありますが、初めて適性検査を受ける方は、専門家や就職支援者などと相談して、適切な検査を受けること、またその結果ついても、正しく理解するための説明(フィードバック)を受けることをお勧めします。
資格・検定・入学試験も活用できる
就職に関する適性検査の他にも、「実用英語検定」・「簿記検定」・「TOEIC」・「MOS」などの資格検定試験や、入学試験なども、自己理解を深めるためのツールとして活用できます。
これは、自己分析の中の「目標に対する自分の行動パターン」を探る時に役に立ちます。
試験に合格するために、自分はどんなプランを立て、どの程度遂行したのかなどの経過を辿ることで、ある目標に向かう時の自分の行動パターンが明らかになるのです。
しっかりとしたスケジュールを立て勉強する人もいれば、気分次第で勉強する人もいる様に、勉強一つ取ってみても、人には様々なパターンがあります。自分の行動パターンを探ってみましょう。
また、点数や正解率、さらに順位などで、自分の能力を数値で把握することも忘れてはいけません。
これは、今現在の自分の実力を記録しておき、将来の自分との比較対象とするためです。
人間の成長に競争原理は有効ですが、実は最も有効なのは、人との比較よりも、自分自身との比較であり競争です。「過去の自分と今の自分を比べる」という自己評価の仕方もあるのです。
検査結果のフィードバックは専門家に・・・
実は、適性検査を受けた後に、がっかりする学生も少なくありません。
それは、自分が目指している職種の適性度が低いという結果が出た場合です。
いくら興味があっても、能力がなければその仕事には適していないと思い込み、進路変更するケースもあるくらいです。
前述に専門家のフィードバックが必要だと書いたのは、まさにそういった不安要素になった時に、結果をどのように活かすのかアドバイスをもらうためです。
実は、自分にとって不都合な結果や意外な結果が出た方が、むしろラッキーだと私は思います。
それは、自分自身をもう一度深く考え、今後の方向性を確かめる良い機会となるからです。
検査結果は進路決定の全てではありませんが、一考の価値のある情報には間違いありません。
なので、受ける際は適切な検査を、真剣に受ける必要があるのです。
もしも、あなたが何らかの検査を受けて、その結果のフィードバックを就職相談窓口でお願いしたい時は、一つ注意があります。
それは、検査に対する知識を持っている相談者かどうか?ということです。
就職相談者の全員が検査の専門家ではありません。
なので「・・・・の検査について詳しい方はいらっしゃいますか?」などと、はっきり告げて下さい。
安易に相談を受けると、適切な理解とは程遠い見解を示されて、かえって混乱するケースもあるので、言い難くてもしっかり伝えて、専門家にフィードバックしてもらえるよう行動しましょう。