メーカーからの回答を以下に記載
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【メーカーからの回答】
参考まで、前述通り十数年前まで潤滑学会などの推奨は「高速摺動=高粘度グリース」でした。
潤滑技術文献などでもそのような記述が主流でした。
弊社は30年前から「高速摺動=低粘度グリース」思考でした。 当時は非常識・無知扱いを
されましたが最近では「高速摺動=低粘度グリース」が業界内でも常識化してきております。
何故低粘度が有利なのかの基本的概念は下記の「推定」に記述されている通りであります。
Thixogreaseの粘性変化率は他のグリースに比べ非常に低いので(これはグリースとしては
一般用途、即ち低速、中速用途には大きな利点であるが)高速時に必要な粘性軟化が起き
にくいので摺動部位に繰り返しの浸透がしにくいという点が出ます。
他社の一般的なグリースは粘性安定性に欠けるため高速時には軟化(流体化)して潤滑に
一時的には寄与するというメリットを生み出しますが、それらのグリースは本来潤滑性能が
低いものでありますから、高速摺動では一層頻繁な充填を余儀なくされ且つ部品損傷は
避けられないと言う高速摺動でも使い勝手の悪いグリースには変わりはない、と言うのが
一般的な現象であります。 これは一般論ですが。
一方、Thxiogreaseの#0、#1は軟粘度グリースであり、高速摺動にはThixogrease#2
粘度のグリースよりも高速摺動には当初から有利であると言うことであります。
高速回転にはベアリングはボールタイプでありますが、ラジアル負荷量(スラスト負荷も同様)
にもよりますが、高速と称しますのは一般的には概略周速8~11m/sec程度以上が目安と
考えます。
(以上メーカーからの回答)
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これで疑問に思っていた部分につき明確にすることが出来た。
【GRP】
GRPのオイル添加剤については、もともとオイル潤滑
している箇所に添加するので、元のオイルの潤滑メカニズムに
影響を与えることなくGRPの性能を発揮出来るものと考える。
これは実際に使用した上で実感している。
【チキソグリス】
チキソグリスについては、従来グリスの組成構成と異なるため
高速摺動条件など従来グリスと同じ稠度番号での置き換えでは
性能を十分に発揮出来ないケースもあるようなので
機器の運転条件(摺動速度)と稠度番号変更(軟粘度へ)
も配慮した上での使用検討をしたいと考える。
(軸受の概略周速8~11m/sec程度以上が要検討条件の一つ。)
パンタグラフジャッキのネジやジャッキボルト類など高荷重のもの、ラック&ピニオン
などでの低速摺動部には油膜が保持されかつ分離もしないので有効に使えると考える
ので使いたいと思う。
(軸受とがギアでも摺動面の油膜が保持できるものでも有効と考える)
高速軸受摺動用にGRPを添加したオイルでリチウム系(他にはウレア系)の
増ちょう剤を用いたグリスのグレードがあったら使ってみたいと
思うんだけど作ってくれないかな?(今のチキソグリスと思想が異なるから難しいかな…)
今回色々と質問につき回答頂きました
メーカーにはお礼の返信をしました。
---終わり---
【参考文献】
N社レポート(高速軸受)
http://www.ntn.co.jp/japan/products/tech/review/pdf/NTN_TR76_P039.pdf
グリース基礎知識
http://www.chuo-yuka.co.jp/knowledge.html
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