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五番機、遅い
親にも学校にも不満を抱える高校生の百合は、進路をめぐって母親とケンカになり、家を飛び出して近所の防空壕跡で一夜を過ごす。
翌朝、百合が目を覚ますと、そこは1945年6月の日本だった。通りがかりの青年・彰に助けられ、軍の指定食堂に連れて行かれた百合は、そこで女将のツルや勤労学生の千代、彰と同じ隊の石丸、板倉、寺岡、加藤らと出会う。
彰の誠実さや優しさにひかれていく百合だったが、彼は特攻隊員で、間もなく命懸けで出撃する運命にあった。(「作品資料」より)
戦時中にタイムスリップした女子高生の百合が、特攻隊員である彰と出会い、恋をする。
しかし、特攻隊員である彰は、いつ出撃するともしれぬ身。
そんな2人の切ない想いを描いたラブストーリー。
百合の父親は、溺れている子供を助け、自ら命を落とす。
母親との暮らしに苛立ちを感じている百合。
そんな百合が、国のために命を捧げようとする特攻隊員たちと直に触れ合うことにより、気持ちの変化が起きるのか。
変えることの出来ない運命に抗おうとする百合であるが、百合への想いがありながら、運命を受け入れようとする彰。
果たして2人の恋の行き着く先は。
まもなく戦争も終わろうという時代と相手が特攻隊員だという設定が良かったのかなと思う。
ラブストーリーに合わせて、戦争の悲惨さや特攻隊員の想いなどを描いて、それを観ている人たちに伝えるようになっている。
クライマックスは、美しく描かれているような感じであるが、実際は辛い話である。
戦争と悲恋を経験して成長する百合の物語。
興味惹かれる1本であった。
/5
監督:成田洋一
出演:福原遥、水上恒司、伊藤健太郎、嶋﨑斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希、坪倉由幸、津田寛治、天寿光希、中嶋朋子、松坂慶子
於:新宿ピカデリー
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