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映画「トーマス・クラウン・アフェアー」を観る

2023年12月05日 | 映画

AmazonPrimeで映画「トーマス・クラウン・アフェアー」を観た。1999年、米、監督ジョン・マクティアナン、原題The Thomas Crown Affair。

何を見ようかAmazonPrimeで探していたら、美術館での絵画の盗難を扱った映画で評価が高いこの作品を見つけ、美術ファンとして興味が持てたので観てみようと思った。

ニューヨークの美術館が舞台、観ているとメトロポリタン美術館のようだ。トーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)は投資ビジネスで成功した大富豪。彼は裏で名画を盗み出すことを道楽としていた。ある日、美術館からモネの絵画が白昼堂々盗まれる。保険会社の敏腕調査員キャサリン・バニング(レネ・ルッソ)は大胆にもクラウンに会い、真犯人がクラウンであることを確信し、ニューヨーク署のマッキャン警部(デニス・レアリー)に告げる。キャサリンはクラウンをデートに誘い出し、彼の屋敷の合鍵を手に入れて侵入、盗難されたモネの絵画を発見するがそれは贋作だった。はめられたと知ったキャサリンはクラウンに会い行くが、話しているうちにお互い惹かれ合うようになる。だが、クラウンには別の女アンナがおり頻繁に密会していた。それを知って本来の自分を取り戻したキャサリンに、クラウンは不動産を処分して一緒に逃亡しようと持ちかけるが・・・

そんなに期待しないで観たが、大変面白い映画だった。絵画を盗み出す手口や、その盗み出した絵画を最後に美術館に返還する手口など、観ていてなかなか面白かった。トーマスとキャサリンの駆け引きも面白かったし、話していくうちに何となく惹かれ合っていく過程などもよかった。それぞれの場面に、その後の事件等の伏線がはられており、「嗚呼、そういうことだったのか」と言うことが後でわかる仕掛けが面白い。

その上で2、3コメントをすれば、

  • モネのベニスの朝焼けか夕焼けの絵を美術館から盗むとき、アタッシュケースに絵を入れて、閉じるところがあるが、こんなことをしては絵の画布から絵の具が剥落するので、このようなやり方はあり得ないのではないか、筒に丸めて入れるのはあると思うが
  • 盗んだモネの絵の上に別の絵を水彩画で描き、それがスプリンクラーの水で洗い流されて、元の絵が見えてくる、こんなことも普通あり得ないのではないか
  • 盗んだ絵を戻すとき、ちょっとした爆発物が展示室の中で煙を吐いて火事のようになり、スプリンクラーが作動すると、展示作品を保護するために作品の横からシャッターのような壁が出てきて作品を被害から守る様子が映されるが、これは実際に取られている措置なのであろうか、そうだとすれば感心だが、多分映画向けのものでしょう

トーマス役のピアース・ブロスナンは1953年生まれのアイルランド人で5代目ジェームズ・ボンドになった俳優だ。「ゴールデンアイ」など4作品に出演して興行的に成功した。本作でも、若くして大富豪になった男をうまく演じていた。キャサリン役のレネ・ルッソは1954年生まれの米人、保険事故調査員としての辣腕ぶりにお色気が加わり、その両方を武器にトーマスに迫っていく演技をうまく演じ、また、大胆な脱ぎっぷりにも驚いた。

サスペンスであり、ロマンスであり、美術館や絵画を扱った作品として、興味が持てる人には観て損がない映画だと思う。楽しめました。