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気ままに生活してるシニアの残日録

上野の森美術館で「モネ(連作の情景)」展を観る

2023年12月20日 | 美術

上野の森美術館で開催中の「モネ(連作の情景)」展を観た、2,800円。海外も含めいろんなところから作品を借りたので費用もかかり、高い値段設定になったのだろうが、随分高くなったものだ。

モネ(1840〜1926、86才没)は好きな画家なので観に行かなければなるまい、と思って来てみた。上野の森美術館に来るのは久しぶりである。展示されている作品は総てモネの作品だけという珍しい展覧会だ。作品リストを見ると全部で75点ある。

展示は次のテーマに分類して、それぞれ展示室が別れていた。

  1. 印象派以前のモネ(作品番号1~10)
  2. 印象派の画家、モネ(11~25)
  3. テーマへの集中(26~43)
  4. 連作の画家、モネ(44~59)
  5. 「睡蓮」とジヴェルニーの庭(60~75)

館内は撮影禁止だが、上記の4の途中からと5の展示室のみ撮影可能であった(4は展示室が2つに別れている)。

鑑賞してみて、特にこれは良いなと感じた物を記録しておきたい。写真撮影したものは貼付けた。

  • サン=タドレスの小屋(作品番号5、1867年、ジュネーブ美術歴史博物館)
  • ルーブル河岸(6、1867、デン・ハーグ美術館)
  • ザーン河の岸辺の家々(9、1871、シュテーデル美術館)
  • モネのアトリエ舟(14、1874、クレラー・ミュラー美術館)
  • プールヴィルの断崖(29、1882、トゥヴェンテ国立美術館)
  • ヴァランジュヴィルの教会とレ・ムーティエの渓谷(32、1882、コロンバス美術館)
  • ラ・マンヌポルト(エトルタ)(37、1883、メトロポリタン美術館)
  • エトルタのラ・マンヌポルト(38、1886、同上)
  • ヴェンティミーリアの眺め(41、グラスゴー・ライフ・ミュージアム)
  • 雨のベリール(44、1886年、モルレー美術館)
  • ジヴェルニーの積みわら(47、1884、ポーラ美術館)
  • クルーズ渓谷、日没(52、1889、ウンターリンデン美術館)
  • 国会議事堂、バラ色のシンフォニー(54、1900、ポーラ美術館)
  • チャリング・クロス橋、テムズ川(56、1903、リヨン美術館)
  • ウォータールー橋、曇り(57、1900、ヒュー・レイン・ギャラリー)
  • 芍薬(66、1887、ジュネーブ美術歴史博物館)
  • 睡蓮(67、1897、ロサンゼルス・カウンティ美術館)

鑑賞し終わった感想などを書いてみたい

  • 今回の展覧会はモネの作品だけを展示するという珍しいものだ。普通、同時代の他の画家の作品もいくつか展示されるものだが、今回はそのものズバリの作品だけで、これだけの作品を全世界から集めるのはさぞかし主催者は苦労しただろうと思う。その労を多としたい。
  • モネの作品はいずれも素晴らしいものだった。やはりモネは風景画家で、空、木々、水面の描写が素晴らしいと思った。
  • 来館は事前予約制であり、30分毎に時間が設定してある。2時からの予約枠で行ったが、館内は大変混雑しており、特に若い女性客が多かった。美術館は広くないので鑑賞する環境はあまり良くないと感じた。とにかく狭いところに人が多すぎる。このため、今日は1時間もいれなかった。
  • 室内が暗すぎると感じた。作品リストを見ながら鑑賞しているが、部屋が暗くて作品リストが読めない。作品の保有者からいろいろ制約を課されているのだと思うが、海外の美術館ではこんなに暗くしている例は記憶にない。何とかならないものだろうか。
  • 写真撮影できる作品が少なすぎる。これも何とか交渉してなるべく多くの作品を撮影可能としてもらいたい。日本人は交渉がヘタだから難しいかもしれないが。

モネにかかわる事項として、

  • モネは晩年、ジヴェルニーに庭をつくって、睡蓮の絵の連作を何枚も描いた。そのジヴェルニーのモネの庭を日本でそのまま再現したのが高知県北川村にある「モネの庭」である。なかなか高知県に行く機会がなかったが、昨年遂に訪問することができた。天気も良く良い思い出になった。その時の写真を1枚。
  • モネの絵の中で一番有名なのは印象派という呼び名がつく原因となった「日の出」であろう。この作品はパリのマルモッタン美術館にあるが、これはパリ旅行に行ったときに観ることができたのは良い思い出である。が、写真撮影はNGだった。

目の保養になりました。