ゆっくり行きましょう

気ままに生活してるシニアの残日録

人形町の壽堂で「黄金芋」を買う

2023年05月31日 | グルメ

人形町で昼食を取り、喫茶店に寄り、さあ帰ろうと思ったとき、「そうだ、壽堂の黄金芋(こがねいも)だ!」と思い出した。人形町に来た時、買って帰ることが多い。壽堂は、明治17年に日本橋蛎殻町で創業し、明治40年代に現在の場所に移ってこられたそうだ。

甘酒横丁から水天宮のほうに向かって歩いてすぐの角に店はある。京菓子の店だ。黄金芋はここの一番の売り物だ。ほくほくしたニッキ風味の白あんを黄金色の薄皮で包んである。ばら売りもしてくれ、一つ230円だ。今日は夫婦で3つずつと考え6個買った、1380円で手提げ袋はいらないと言ったら、気持ちだけですけど、と言って10円値引きしてくれた。品物は四季精菓録と書いた紙袋に入れてくれ、一個ずつの黄金芋は黄色い薄紙に包んであり、さらにそれをビニール袋に入れてある。

帰宅してさっそく食べると、うまい。

いつまでも残ってほしい店だ。また買いに来ます。


「喫茶去 快生軒」に久しぶりに行く

2023年05月31日 | カフェ・喫茶店

人形町で昼食を取った後、せっかく来たので近くをぶらぶら歩いているとこの店が目に入ったので久しぶりに入ってみたくなった。前回入ったのはもう7、8年前かもしれない。

12時過ぎだったので混んでいるかなと思ったが、空いていた。奥の席に案内されて座ってブレンドコーヒー500円を注文し、店内をゆっくり見まわす。入って左側の壁が外から続くレンガ塀になっているのが目立つ。本物のレンガかどうかはわからないが落ち着いたムード。灯りも蛍光灯は使っていない。レトロな雰囲気が少しあり好きだ。奥のカウンター内でコーヒー豆を挽いている。ブレンド比率はずっと変えていないそうだ。

出てきたコーヒーをいただくと、酸味が勝った味であり、自分の好みではないが、たまにはいいものである。食事メニューはトースト類だけのようだがケーキが400円で頼める。ダイエット中なので今日も我慢。お客さんはみんな付近のサラリーマンが多いようだ、中高年が多い、若者は手っ取り早く飲める大手チェーン店のコーヒーを飲むのだろうか。隣のテーブルに座っている御仁はさかんに会社の運営に関する話を熱心にしている。私にもそういう時があったなと懐かしくなった。

ゆっくり30分くらい座って寛ぎ、店を出た。なお、店内撮影禁止と張り紙がしてあった。

ごちそうさまでした。


「人形町藪そば」で昼食

2023年05月30日 | グルメ

今日は午前中、都内で歯科検診を受けた。その帰りに人形町によって昼食と休憩をしようと思った。人形町は昔の風情が残っていて好きな街だ。今日はどこで食べようか、月曜日は休みの店も多いので選択肢が若干狭いが、てんぷらの「てんぷら中山」に行ってみようと思い、11時半開店直後に行ったら外に数人の行列ができていたのでパス。

付近をぶらぶら歩いて適当なところを探していると、藪そばの看板が目に入った、昔ながらの古い佇まい、緑の木が目に優しい。初めてだが入ってみることにした。

中に入ると、先客で席がほぼ埋まっていたが、若干の空席があり、案内されて座る。店内は典型的な街の蕎麦屋、いい雰囲気である。ランチメニューから「とり南蛮せいろ」(850円だったか)をたのむ。私はあったかいかき揚げ蕎麦が好きなのだがメニューにはなかったので、手っ取り早くできそうなランチメニューから選んだ。

食べてみると味はオーソドックスでおいしい。そばの量はふつうで、若者には不足だろうがシニアにはちょうどいいくらいだ。客はどんどん入ってくるが行列ができるほどではない。メインの通りには面していないところにあるので目立たない。年配の常連客と思われる人が多く、店内は落ち着いている感じだ。

人形町には甘酒横丁に「浜町藪そば」という店があるようである。今度はそっちにも行ってみようか。

ごちそうさまでした。


映画「METオペラばらの騎士」を観る

2023年05月29日 | オペラ・バレエ

METライブ・ビューイングの「ばらの騎士」(上演日:2023年4月15日)を近くのMOVIXで観てきた。3,700円、週末だったので30人くらいは客が入っていた。やはりシニア層が多い感じ。10時10分くらいから始まって、終わったのは2時50分くらい、全部で4時間40分の長丁場だが、好きなオペラだったのでそんなに長くは感じなかった。ただ、第1幕、第3幕は少し長すぎる感じがした。

指揮:シモーネ・ヤング(63、豪)
演出:ロバート・カーセン(69、加)

出演:
リーゼ・ダーヴィドセン(36、ノルウェー):元帥夫人(「マルシャリン」と発音、ドイツ語のようだ)
サマンサ・ハンキー(米):オクタヴィアン
エリン・モーリー(米):ソフィー
ギュンター・グロイスベック(47、オーストリア):オックス男爵
ブライアン・マリガン:ファーニナル

若干の感想を述べよう

  • 前回、METオペラでこの演目を観たのは2018年8月で、2017年7月13日公演の放映だった。このときの元帥夫人はルネ・フレミング、オクタヴィアンはガランチャ、オックス男爵とゾフィーは今回と同じだった。また、演出も同じカーセン(当時は新作)。舞台演出は第1幕は覚えていたが、2幕・3幕は覚えてなくて、当時と全く同じなのか定かではないが同じであろう。演出では舞台転換などが見事であった。
  • 今回の目玉はなんと言っても元帥夫人のリーゼ・ダーヴィドセンだろう。彼女を最初に見た時はまだ童顔がちょっと残った娘さんに見えたが、もう今年で36才だ。元帥夫人をやるには若干若いような気もするが、ウィキによれば、元帥夫人は32才、オクタヴィアンは17才の設定だ。当時の平均寿命で32才の女性が現代の何才くらいの女性になるのかわからないが、少なくともダーヴィドセンはその役を十分にこなせる年令になり、キャリアも十分積んできたのだろう。長身で大柄のため最初のうちは大根役者だ、などと批判する向きもあったが、この役をできるまでに成長したと周囲に見られているのであろう、立派なものだ。
  • 幕間に歴代の元帥夫人を紹介する映像が流れた、その中にはルネ・フレミングも入っていたが、私が好きなエリザベス・シュワルツコフも入っていたのはうれしかった。このブログのネームは彼女にちなんだものだし、プロフィール写真は彼女のアルバムから借用したものだ。
  • さらに幕間にもう一つ興味のある話が紹介された、それはこの作品にも出てきた犬(不覚にもすっかり忘れて確認するのを失念した)など動物をオペラの舞台に登場させるために動物を調教する「動物モデル事務所」が紹介されたことだ。先日、カルメンを観た時に生きた本物の馬が舞台に出たので驚いたところだった(こちらを参照)ので、興味深く見させてもらった。
  • 歌手ではもう1人、ゾフィー役のエリン・モーリーもよかった、幕間のインタビューの際に、楽屋で彼女がピアノを弾きながら歌の説明をしていた、彼女は幼いころから母にピアノを習って相当なテクニックを持っているようだ。METLVではシリーズ最後の魔笛でもパミーナ役で登場する予定で既に第1回目の稽古が始まったと言っていた。是非観に行きたい。
  • この映像は今年の4月の演奏だが、カーテンコール時にはスマホで写真をとっている人が目立った、これは最近の傾向だろう、大いに歓迎したい。日本ではまだまだだが、進んでそのような対応を認めてほしい。アメリカではゴルフでさえシャッター音のしないスマホでの動画撮影がずいぶん前から認められている、ファンが何を望んでいるかを考え実行する推進力は残念ながら海外の方が優れているように思う。美術館の写真撮影許可も同様だ。


「KINOKUNIYA Bakery」で朝食用のパンを買う

2023年05月29日 | グルメ

東京に行った際、よく行くKINOKUNIYA Bakery によって明日の朝食用のパンを買った。今日はちょっと変化を持たせて、クロックムッシュ、ベーグル、スコーンの3つを買った。これでシニア夫婦の朝食としては十分なのだ。

我が家の朝食は大抵、グリーンサラダ(鶏のむね肉を焼いたもの、きのこ類を焼いたものを添える)+フルーツ+パン+コーヒー+ヨーグルトだ。サラダはレタスにブロッコリー又はカリフラワーなどがつく、フルーツは旬のもの、パンはトーストかいくつかの種類のパンをローテーションで、コーヒーは私が作ったハウス・ブレンドコーヒー豆を挽き、サイフォンで淹れる。サラダには油と塩分が多いドレッシングは使わず、亜麻仁油をかける。味はしないが慣れれば野菜の味を味わえておいしい。

コーヒーのハウスブレンドは、スタバの単一品種の豆(グワテマラ、ケニア、エチオピアなど)にキャピタルコーヒーで買うプラジルサントスNo2を2対1の比率でブレンドしたものを使う。スタバの豆だけでは味が濃すぎてキツいので浅煎りのブラジルをブレンドして中和すると良い味になる。ただ、最近、コーヒー豆の値段が以前の倍近くに値上がりしているので、KALDIコーヒーで豆を試している。断然安いのだ。KALDIは200グラムからしか豆を売ってくれないこと、そして真空パックをしないため使っていなかったが、インフレ対策で仕方ない。


「名曲喫茶 でんえん」に行く

2023年05月28日 | カフェ・喫茶店

中央線沿線に出かける用事があり、それが終わってから久しぶりに国分寺にある「名曲喫茶でんえん」に行ってみたくなった。ここには過去に2回は来ていると思う。

店に入ると先客は無し、空いてる席にどうぞ、とのことなので奥のスペースの正面スピーカーの前に腰かける。珈琲500円を注文、ケーキもたのみたいがダイエット中に付き、今日は我慢する。奥の壁の突き当たりに大きなスピーカーが2台おいてあり、比較的静かな音量でクラシック音楽を流している。写真はOKとのこと。

店内は古い西洋館のようなインテリア、灯りは蛍光灯もあるが古い駅の待合室にあるような明るくないもので、他には大小の傘付きのスタンドが使われている。椅子は木製の年季の入ったもの、テーブルもアンティークのような味のあるもの、本箱が置いてあり何冊もの本が入っている、読んで良いようだ。壁には絵もいっぱい飾ってある。店内禁煙は有難い、また、会話禁止ではないようだ、そして他の名曲喫茶と違うのは、通常、名曲喫茶は座席が全部スピーカーに向かって配置しているところが多いが、ここはそういうことはない、名曲喫茶だが普通の喫茶店でもある。会話はお静かにとか特に注意書きのようなものはなかったが、2人で来ている客は皆、静かに話していた。そんな注意をしなくてもわかるでしょ、ということだろう。

オーディオセットは座席からは見えなかったのでわからないが私がいた間はCDを流しているようだった。次々といろんな曲を流すオムニバスのようなCDもかけていた。

私がきたあと、何人かの客が入ってきた。若い人も来ている。この店が映画か何かの撮影で使われたようで、そういうことも影響しているのであろう。帰りがけに気づいたが、店に入って直ぐ右側にオーナーの年配の女性が腰かけており、もう1人は娘さんかどうかわからないが接客をしていた。

いつまでも残ってほしい喫茶店だ。自宅からは遠いが、たまに来て応援したい。

 


「茨城ゴルフ倶楽部」でゴルフをする

2023年05月27日 | ゴルフ

茨城県つくばみらい市の茨城ゴルフ倶楽部東コースでゴルフをしてきた。女子プロトーナメント観戦で何回も行ったコースではあるが、プレーをするのは初めてだ。費用は夫婦2人で46,000円。

36ホールあるが西コースは2グリーン、カートなし、東コースはワングリーン、カートありの設定。私は2グリーンコースはあまり好きではないので東コースのワングリーンは好都合。クラブハウスは落ち着いた感じで、スペース的にも余裕がある。ただ、ロッカーは近くに利用者がいると狭く感じた。クラブハウスは1階建てでレストランも1階にあるのは便利である。

ラウンドしてみるとインコースの方が変化があって面白かった。全般的に適度なアップダウンがあり好きなセッティングだ。全体的にコースは広々している。グリーン回りのバンカーが多いが今日は1回しか入らなかったのはラッキーだ。グリーンスピードは9.5ftと表示されていたが実際は8.5くらいの感じだった。

結構混んでいた。昼食のレストランも混んでいたが、今日は陽気も良いのでバルコニーの席で昼食をとった。レストランから見えるコースの景色が最高である。レストランの前は芝生が植えてある前庭のようになっているのは上品な感じがして好感が持てた。

ラウンドは少し詰まり気味であったが、2時間15分くらいでラウンドできたので上出来であろう。一日ゆっくり良いコースを楽しめた。お疲れ様でした。


映画「スポットライト 世紀のスクープ」を観る

2023年05月26日 | 映画

自宅で「スポットライト 世紀のスクープ」(2015、米、監督トム・マッカーシー)を観た。実話だそうだ。

2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちは、新聞社The Boston Globeで連載コーナー「スポット・ライト」を担当していた。ある日、バロン新編集局長(リーヴ・シュレイバー)がある神父の幼児性的虐待問題を取材しろと指示し調査を始めたところ、これまでうやむやにされてきた児童への性的虐待の真相について知ることになる。実は、以前からこの問題は指摘されてきたが弁護士が示談をとりまとめ慰謝料でうやむやに処理されてきた。記事にしようと奮闘する記者たちだが・・・

グローブ社には何年も前に20件の被害情報が届いていたが記事にしなかった。その点について、新編集局長は、「我々はいつも暗闇の中を手探りで歩いている、そこに光が差して初めて間違った道だとわかる、以前何があったか知らないが、今回の取材結果は間違いなく多くの読者に大きな影響を与えるだろう」と言って記事にすることを承認する。その後の調査で虐待をしていた神父は249人、推定被害者数は1,000人だとわかる。

この映画の記者がすごいと思ったのは、このような問題に立ち向かったことだけではない、どうしたら一番大きな改革につながるか、その戦略を考えたことだ。取材した記者は一人の神父の被害の実態を突き止めたが、そこでそれを直ぐに記事にしなかった。その理由は、被害者が90人近くいるので、その全体を調査した上で報道しないと一神父をクビにするだけで終わってしまうからだ、教会組織全体の問題になるような記事にすべきだと考えたのだ。他社に先を越されるかもしれないリスクがあるなかで、なかなかできることではあるまい。

さて、最近の日本の芸能事務所トップによる俳優に対する性的虐待の問題だが、今までずっと見て見ぬふりをしてきたのはこの映画と同じだが、それに毅然と記者が立ち上がって問題が大きく報道されるようになったのではない、ここが情けない。逆にたいした問題ではないことを「民主主義の根幹を揺るがすものだ」などと騒いで大きな問題のように報道するのが(以下省略)


映画「ROH セビリアの理髪師」を観る

2023年05月25日 | オペラ・バレエ

英国ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)シネマシーズン2022/2023という映画シリーズがあるのを偶然見つけた。調べてみるとちょうど「セビリアの理髪師」(上演日:2023年2月15日)が上映中だったので早速観に行った。ニューヨーク・メトロポリタンオペラ(MET)のライフビューイングがあるのは知っていてたまに観に行っているが、ROHでも同様なものがあるとは知らなかった。値段は3,700円。客は10人くらいか、ほとんどがシニア、女性であった。

このシネマシリーズはMETライブビューイングとほぼ同じような構成でできている。指揮者や演出家、主な出演者へのインタビューなどが最初と幕間にあり、後はじっくりとステージを映す。やはり自宅で観るよりも映画館で観ると迫力があり楽しい。

観た上での感想を少し述べよう

  • 演出のライザー&コーリエが 2005 年に英国ロイヤル・オペラで手がけ、その後も再演を重ねている人気プロダクションだそうだ。確かに色彩もよいし舞台設定も舞台転換もよかった。
  • このオペラの序曲は好きだ、魔笛の序曲も好きだが、この序曲も素晴らしい。この序曲は以前、NHKのプレミアムシアターだったかBS放送のオペラ番組の最初のところで流れていたので「良い曲だな」と思っていたら、やがてセビリアの理髪師の序曲だと知った。
  • 歌手の中ではなんといってもロジーナを歌った若手のアイグル・アクメチーナが良かった、歌唱力があり高音から低音まで完璧にこなし、色っぽいところやコケティッシュなところも演じる演技力がある。彼女が独唱した私のもっとも好きなアリア「una voce poco fa(今の歌声は)」の素晴らしいこと、ところどころ彼女流にアレンジした歌い方をする余裕もあり、素晴らしい。このアリアを聴いてすっかり彼女を好きになった。
  • ロッシーニのアリアには早口言葉でまくし立てる難しい歌い回しが要求されるところがあるが、それが一番多いのはバルトロであろう。そのバルトロ役のドイルが当日急に調子が悪くなり口パクで対応したのには驚いた。オペラ開幕前に芸術監督が舞台に出てきて事情を説明したハプニングには驚いた。この役は喉が完璧でも難しいのでやむを得まい。代役が舞台袖で歌ったが映画を観て違和感はなかった。いわれなければわからないのはさすがにプロだ。カーテンコールでは代役と演技役と二人で出てきて喝采を浴びていた。
  • 指揮者のバラーレと伯爵役のブラウンリーの練習風景が幕間に映され、二人の議論を聞いていると、歌手とオーケストラの関係がよくわかった、歌手とオーケストラがピッタリ息が合わないとオペラがおかしなことになるが、歌手は常に指揮者を観ているそうだ。指揮者は舞台とオーケストラをつなぐ大事な役割があるとの説明に納得した
  • 幕間のインタビューで演出家だか誰かが言っていたが、この作品ではフィガロは物語の進行役である。主役はロジーナ、伯爵、バルトロの3人で、準主役がフィガロとバジリオであろう。

とにかく最初から最後まで楽しめたオペラであった。オペラは悲劇より喜劇の方が断然好きだ。

【音楽】ジョアキーノ・ロッシーニ
【台本】チェーザレ・ステルビーニ (原作:ボーマルシェによる戯曲「セビーリャの理髪師」)
【指揮】ラファエル・パヤーレ(43、ベネズエラ)
【管弦楽】ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団(ゲスト・コマス:ベンジャミン・マーキス・ギルモア)
【演出】モッシュ・ライザー、パトリス・コーリエ

【出演】
 ロジーナ       :アイグル・アクメチーナ(露、20代)
 フィガロ       :アンドレイ・フィロンチク
 アルマヴィーヴァ伯爵 :ローレンス・ブラウンリー(米、50)
 ドン・バジーリオ   :ブリン・ターフェル(英、57)
 バルトロ       :グラント・ドイル(歌)、ファビオ・カピタヌッチ(演技、48)
 ベルタ        :エイリッシュ・タイナン


映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」を観る

2023年05月24日 | 映画

自宅で映画「イミテーション・ゲーム」(2015年、米=英、モルテン・ティルドゥム監督)を観た。

この映画は第2次大戦時、英軍が独軍の暗号エニグマを解読できずに苦労していた時、解読できる能力のある天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)と他の天才数学者がチームで苦労してエニグマ解読をする物語。

解読するまでに軍の上層部と衝突し、仲間とも衝突するチューリング、その彼が選んだ天才の若い女性のジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)との恋物語や彼の性的嗜好が絡み、彼女のアドバイスでチームメンバーとの関係も改善し、解読マシーンを作って対応する、そして夜のバーでチームメンバーで飲んでいるときに、思わぬ偶然で解読のヒントをつかむ。

解読できるまでの話で1時間半、後の30分くらいはどういう話になるのだろうと思っていたら、実は、そこからがこの映画の本当の核心であった。暗号解読によって独軍の戦艦、Uボート、航空隊の位置を正確に把握できたので直ぐに軍の上層部に報告して味方の犠牲を防ごうしたところ、チューリングはその連絡を必死に阻止する。その意図は・・・・

この映画は実話をベースにしているそうだ、この最後の30分でイギリス(MI-6)はエニグマ解読で把握した敵軍の配備情報を使って、自国軍や国民の誰を守って誰を犠牲にするか毎日検討を重ね、人知れず連合国軍を勝利に導いた、エニグマの解読なしにスターリングラード、ノルマンディイーなどの勝利はなかった、解読により連合国軍は戦争終結を2年以上早め、1400万人以上の命を救ったと歴史家はみている、とのテロップが流れる。この事実は50年以上も機密だった。それは多分、政府最高首脳はエニグマ解読の情報を明らかにせず、自国軍にさえ知らせずに対処したと映画の中でも述べられていたことがあったからだろう。

この辺は勝者によって作られた映画なので美化や誇張があるだろうが、日本人が学ぶべきは勝負に徹する白人リーダーの冷徹な計算である、今の日本人リーダーは大丈夫であろうか、それが心配だ。有事になればそれが国の存続に直結するからだ。

身内に犠牲者が出ても、より大きな勝利のためにはそれを受け入れる、という冷徹な判断は以前みたチャーチルの映画(こちらを参照)でもあった。イギリス人はこういう冷徹な指導者がいたことを誇っているのだろう。情緒的になりがちな日本人からこういうリーダー出るだろうか。