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気ままに生活してるシニアの残日録

映画「燃えよドラゴン」を再び観る

2024年01月25日 | 映画

テレビで放送されていたブルース・リー主演の映画「燃えよドラゴン」を観た。1973年、香港・米合作、ロバート・クローズ監督、原題Enter the Dragon。上映中の新作映画に何か面白そうなものがないかチェックしているが、これは観たいと思う映画がないのでテレビで放送していた昔のヒット作品をつい見てしまうことが多い。しかし、それはそれで良いと思っている。

この映画はもう50年も前の映画になるが自分が青年の頃、爆発的にヒットした映画だ。ブルース・リーの格闘シーンは今でも脳裏に鮮明に焼き付いているが、その後見直すこともなかったのでストーリーなどはすっかり忘れていた。良い機会だから見直そうと思った。

リーは国際情報局のブレイスウェイトにかつて同じく少林寺で武術を学びながらも悪の道に手を染め破門となったハン(シー・キエン)が所有する島で3年に1度開催する武術トーナメントの参加を依頼される。トーナメントの参加は表向きで、犯罪行為の疑いがあるハンの島の内偵をして欲しいという依頼。リーは消極的であったが、帰郷した際に家人から、数年前に妹スー・リン(アンジェラ・マオ)がハンの屈強な手下により追い詰められた末に自害を遂げたことを聞き、ハンへの復讐をするため島に乗り込むことにしたが・・・

ストーリーはけっこう面白く、島の武術トーナメントの模様も面白いし、リーが島の内部の麻薬工場の内偵するところもハラハラするし、リーを含め3人の島に乗り込んできた武道家の部屋に美女たちが訪れ、どれでも好きな女を選んで下さい、と言うところなどもかの国ではありそうな話で笑えた。最後にリーとハンの格闘シーンとなるが、これもなかなか面白かった、ハンが義手を金属の爪に替え、これを振り回してリーを責めるところなど見ていてハラハラする。良くできた映画だと思った。50年経っても充分通用する映画だ。ただ、リー自身の色恋沙汰がないのがちょっと物足りないと思った。

ブルース・リーは1940年生まれ、この映画が上演される前に既に「ドラゴン危機一発」(1971年)、「ドラゴン怒りの鉄拳」(1972年)などがヒットし香港の大映画スターになっていた。この「燃えよドラゴン」はリーのハリウッド初進出映画だったが、1973年7月20日に、「死亡遊戯」で共演予定の女優ベティ・ティン・ペイの香港の自宅で頭痛を訴え、鎮痛剤を飲んでベッドに横になったまま昏睡状態になり病院へ搬送されたが死亡した、32歳であった。随分と不可解な死であった。

リーの格闘シーンは見ていて惚れ惚れする素晴らしさだ、鍛え上げた肉体、軽い身のこなしから鋭いパンチや蹴りが炸裂する。弟子に指導するときに「大事なのは気持の集中、気合いだ、本気になってかかってこい」と言い、本気になってかかってきた弟子に、「どんな気分だった」と聞くと、弟子はどう答えたら良いか考えている。すかさずリーは「考えるな、感じとれ」と言ったが、この台詞がけっこう流行ったようだ。

リーは映画俳優である前に少林寺の武道家、武術家でもあった。そうでなければ映画であのような武闘シーンは撮れないだろう。ただ、実際の武闘シーンはどうやって撮影していたのだろうか、まさか本気出してやっているわけでもないだろうが、それを本気らしく見せるのが俳優と監督らの腕なのであろう。

楽しめました。