代表の久田です。
1月24日(土)の第132回被災地ボランティア報告です。
今回の参加者は、私を含んで23人。
お父さんといっしょに参加した中学2年生から、高校生、大学生、そして、熟年のAさん、Kさん、Sさんまで、
いつものように幅広い世代の方々が参加されました。
また、樹木医さん、国連職員としてコンゴ民主共和国で活動された方、宮城県出身の方が初参加。
そして、サービスエリアスィーツに目がない三宅さん、田中さん・・・。
なんだか楽しい出発になりました。
東別院のお茶所の出発式前・・・
12月6日まで現地ボランティアの受付で名札用のガムテープを渡す担当をされていた木村さん(88歳)の娘さんがいらっしゃいました。
木村さん、実は12月21日に急逝されました。11月頃にあまり食べられないとおっしゃっていましたが、
急なお別れとなってしまいました。
「母はいい男が大好きでした」と明るくお母さんのことを話される娘さん(とはいえ、私と同じくらいの世代の方です)。
ワタシはいい男じゃないから木村さんのストライクゾーンじゃなかったなと思いながら、
在りし日の木村さんの楽しいお話を伺っておりました。い
木村さんは、「エール4th追悼キャンドル&インタビュー」の動画の0分56秒でキャンドルに火を灯す木村さんをご覧ください。
木村さんのご逝去を悼み、慎んでお悔やみ申し上げます。
亡くなられた時のお悔やみの言葉マメ知識
愛知ボラセンがお世話になっている東別院は浄土真宗。
浄土教では死後の世界は「極楽浄土」。つまり美しい世界なのです。
一般に亡くなられた方に「ご冥福をお祈りします」といいますが、「冥福」は「冥土での幸福」の意味です。
そして「冥土」の「冥」は暗いという意味で、「冥土」は暗闇の世界の意味です。
つまり美しい「浄土」の世界とは別の世界です。
従って、浄土真宗では亡くなられた方の「ご冥福をお祈りします」とはいいません。
でも、同じ浄土教でも浄土宗では「ご冥福をお祈りします」と言ってもかまわないそうです。
「天国」を信じる宗派にとって、天国は暗闇の世界ではありません。
ですから、キリスト教やイスラム教の方が亡くなった時に「ご冥福をお祈りします」というのも適切ではないようです。
さて、第132回は桃源郷プロジェクト・第1期植樹の最終回です。
これまで、第1期植樹は以下のように進行してきました。
11月22日(128回)アーモンド150本
12月 6日(129回)ヤマザクラ20本
1月17日ヤマザクラ5本=ことぶき園芸さん独自
今回は、ヤマザクラ30本のオーナーになって頂いた岐阜さくらの会さんから
事務局長の伊藤さん、樹木医の遠藤さんにご参加頂きました。
岐阜さくらの会(会長:川島和男弁護士)さんは1993年に設立され、今年22年目を迎える歴史ある団体です。
岐阜さくらの会さんの「桜憲章」には
桜は特命全権大使
その任務は平和と友好
桜は千里同風の香り
その思いは笑顔と希望
世界に育もう桜の芽
世界中に広げよう桜の輪
世界中に奏でよう幸せの歌
とあり、世界24ヶ国36都市で桜の植樹をされています。
名古屋と金沢を結ぶ名鉄バスの車掌・佐藤良二さんが、
名古屋・金沢間250kmに2,000本の桜を植えられ、1977年に47歳という若さで亡くなられました。
その佐藤さんのご遺志をついで、岐阜県の皆さんが岐阜さくらの会を設立されました。
東北では、2013年に気仙沼市でエドヒガンザクラ100本を「復興さくら」として植樹されています。
2014年はロシア・サンクトペテルブルグで植樹され、今年春にはメキシコで植樹されるご予定です。
十八成桜を植樹された東先生がメキシコの日本人学校で教鞭をとっていらっしゃる関係で実現するものです。
石巻かほく(1月27日)の記事もご覧ください。
岐阜さくらの会の伊藤さんと遠藤さん
第1期として植えたのは急な斜面ということもあり、ヤマザクラを植樹しました。
そして、今年の春に花が咲くようにと3年もののヤマザクラを用意しました。
急な斜面ですから、5本を植えるのもたいへんな作業です。
さて、植樹の模様や恭一班の活動は寺部さんのレポートからお届けします。
今回の恭一班のボランティアメンバーは、
十八成浜住民の一般社団法人 十八成ビーチ・海の見える丘協議会の「桃源郷プロジェクト」に、
30本もの桜を寄付した「岐阜さくらの会」の伊藤謙介さん、樹木医の遠藤さん(初参加)、
74歳の島岡さん、妙齢女子のみのりさん、現地合流で国連職員(任地はアフリカコンゴ)の槌谷さん(初参加)、
そして、初参加の私、なおこ51歳、でした。
このメンバーで、現地の恭一さん、後藤さん夫妻と、桃源郷プロジェクトを推進すべく、
午前中は、老人憩いの家の近くの山で桜の植樹、午後は、鹿よけの鳴子製作、アーモンド苑の見回りをしました。
桜を植える山は、こんな感じ。山というより崖???
「植樹の前に、ちょっと綺麗にしておこう」と恭一リーダーの声で みんなでその辺に落ちているいろいろなものを拾います。
拾うだけじゃなくて、枯れた竹や木を抜いたり切ったり。
あ、島岡さん、そんな木も切っちゃうの????ノコギリ一本で????
(かっこよすぎる!)
なんだかもういろいろなものが落ちています。
「この間は電信柱を引っこ抜くのが大変だった。」と恭一さん。そんなものまで????まだ落ちてるの????
3年以上前の「暮らし」も、そこに、まだ。
あ、みのりちゃん、そこ、井戸だから気をつけて!
4mくらいの深さがあるそうです。でも、竹の蓋をしただけなんですね。
今度 ボランティアに行かれる方、気をつけてくださいね。
さて、桜を植えますよ。急斜面なので、苗木を持って登るのにも一苦労。
植えるのも大変!
写真にはうつっていませんが、地元の園芸店、
ことぶき園芸の遠藤さん親子?がお手伝いしてくださいました。
こんな斜面で、添え木を組んだりするのは素人には難しいです。
仕事を終えてひと休み。
私は山に登ってみました。
見下ろすと、倒木と木切れの山ができていますが、
山はこれだけじゃなくて、別なところには「竹・笹」の山、
「その他いろいろ」の山ができています。
なかなか引き取りにきてもらえないんだそうです。
大きな瓦礫が積み重なっていた頃に比べれば「まし」なのかもしれませんが、
はやく片付けてよ、と思わずにはいられません。
海のところの道路から この山の手前まで
ところどころ 家の土台がみえます。
どんな暮らしがここにあったのでしょうか。
まだ、こんないろいろなものが山になってて、
家の土台がむき出しに見えてて
井戸の蓋もしまっていないようなところで
四度めの冬を迎えなけらばならなかったなんて・・・。
と、なんだか少し悲しい気持ちになりながら、
山から降りてきて、
もう一度斜面を見上げたら
植えた桜の木の間になんだか「赤い糸」のようなロープが見えました。
74歳もうすぐ75歳の島岡さんが、
斜面を歩きやすいように、と、「道」を作るための「道標」にロープを張ったんだそうです。
おお、この急斜面に!と見上げながら
なんだか胸がいっぱいになりました。
阿部邦子さんと私の故郷、仙台に縁の深い魯迅の『故郷』の中の言葉を思い出しました。
「思うに希望とは、もともとあるものともいえぬし、ないものともいえない。
それは地上の道の様なものである。もともと地上には道はない。
歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。」
花の咲く木を植えて「希望」を育てていく、その新しいステージから、と
私は、宮城県出身のくせに、かなり「遅刻」気味の参加で
美味しいところから ちゃっかり、みたいで、気がひけるのですが、
今まで みなさんが切り開いてきた道をしっかり歩いて
希望の花がひらくのを絶対に見届けよう!
仙台の高校の友達にも手伝ってもらって、
素敵な「桃源郷」を、ふるさとの子供達の為にのこしてあげたい、と
現地に行ってますます強く思いました。
一緒に活動していたボランティアの皆さん、恭一さん、後藤さん夫妻から
本当に多くのことが学べ、励まされました。
どうもありがとうございました!
【遠藤さんの感想】
愛知ボラセン132回現地ボランティア活動に参加して。
震災後の東北を訪ねたのは、初めてで、一面野原が続き今は以前の道路跡が残る光景を目の当たりにして、
当時の直後の状況が、写真や当時の状況のお話をお聞きして想像されますが、
「百聞は一見に如かず」と話されたのがうかがい知れました。
本当に物凄い状況だったとおもいました。
今回初めて参加さしていただきましたが、岐阜さくらの会が苗木を贈呈したとお聞きし是非とも植樹をしたく参加いたしました。
心に残ったのは、阿部邦子さんのお話の中で、教訓を学んでほしい事が震災を 風化させないこと、
それは即ち後世の方々の命を守ることに直結するということ。
本当に真剣になって皆さんに伝わるように話しかけて、語気を強くして話されたのが伺い知れました。
最後に、植樹させていただいた桜については特に心配はないのですが、
アーモンドについては樹高が鹿の背高と同じくらいですので、
ネットがしっかり機能していれば問題ないのですが、中へ入られるようであれば葉っぱの食害の心配あります。
もう一点の心配は、樹木が成長し た時に幹の皮剥ぎに合う心配ですが、その時には、防除方法を説明し協力も惜しみません。
久田代表、今回参加された皆様お疲れさまでした。本当にありがとう御座いました。
【チーム恭一班で植樹に参加された渡辺さんの感想(一部抜粋)】
昨年7月に雨の中びっしょりになりながら桜を植える斜面の片付けから こんなに桜が植わったのかと喜びもひとしおの中、
初参加の樹木医の先生や地元の造園業の皆さんをはじめ心強いメンバーで一緒に4本を植樹し斜面の整備も少々して、
エリア内合計30本達成に立ち会えました。
現地の皆さんの心がが少しでも華やいで、お花見等で集まれる場となれば幸甚です。