すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ハリルジャパン】なぜ速攻と遅攻を使い分けられないのか?

2018-04-05 08:21:36 | サッカー戦術論
選手AIが低いタテ一辺倒

 敵からボールを奪ったポジティブ・トランジションの局面において、サッカーには2通りのプランしかない。

 さあボールを奪った。敵はちょうど前がかりになり、攻めている最中だった。そのため相手は守備のバランスが崩れている。ゆえに前線でフリーになっている味方の選手もいる。カウンターのチャンスだ。タテに速くパスを通して速攻をかけようーー。これがプランAだ。

 ハリルの志向するタテに速い速攻のパターンがこれである。

 他方、ボールを奪った時点では、まだ敵の守備のバランスが崩れてない局面もある。そんなときには速いムリ攻めをしてもボールを失うだけだ。で、遅攻に切り替えタメを作る。パスを横や斜めにつないで敵陣にゆさぶりをかけ、相手の守備網に穴を空けようーー。これがプランBだ。

 要はなんでもかんでもロングボールを放り込み、速く攻めればいいわけじゃない。局面に応じて速攻と遅攻を使い分け、ポゼッションすべきときには遅攻に切り替え力を溜める。ハリルジャパンは、なぜこんなカンタンなことができないのか? 

 ハリルが「とにかくタテに放り込め」と指示するからか? そんなものは選手が自分の頭で判断し、速攻がムリな局面ならば遅攻に変えればいい。

 逆に本田がバックパスや横パスばかり繰り返し、遅攻オンリーに偏るからか? それなら味方の選手が指示を出し、局面に応じたプレイに変えさせればいい。

 なぜこんなカンタンな使い分けができないのだろうか?

敵の守備網が万全でもロングボールの意味はある

 ただし相手の守備のバランスが崩れてなくても、タテにロングボールを入れる意味がある場合はザックリ2つ存在する。ひとつはロングボールを警戒した敵の最終ラインを下がらせることで中盤との間(バイタルエリア)にスペースを作り、そこを狙いたい場合だ。

 あるいはロングボールを入れた上で前線から集中プレスをかけ、そのボールを刈り取りたいケースもある。こうすればロングボールを入れた次の瞬間に(プレスでボールを奪い返すことで)たちまちアタッキングサードで味方がボールをキープできる。非常に効率的な攻めである。

 マスコミがこの2つのパターンを見たときに「ロングボールを使う意味」がわからず、「ハリルはなんでもかんでもタテ一辺倒だ」と騒ぐーー。

 おそらくそんなことじゃないかと想像している。

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