のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

『喫茶のしてんてんへようこそ②』4 作かわかみ れい

2018-04-06 | 喫茶・のしてんてんへようこそ
1コーラスを『ららら』で歌った後、彼は一瞬、何故か黙った。軽く咳払いをし、妙に楽しそうににやっとした。 息を深く吸い、再び彼は朗々と歌う。 「うらのはたけで ぽちが なくぅぅぅう」  は?  哀愁のメロディー。しかしそれにそぐわない歌詞。頭が混乱する。 「しょうじきじいさん ほったならぁぁあ」  眉根を寄せ、ごくごく真面目にロマンスグレーの伊達男は歌う。 「おおばんんー こばんがぁぁ . . . 本文を読む
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気流を呼ぶ龍(2)

2018-04-03 | 5次元宇宙に生きる(心)
気流を呼ぶ (1m×1m キャンバスに鉛筆)   わが心の旅 眼を開ければ光の視界があり 眼を閉じれば闇の瞑界がある 人の間では遊び心が動き 己の中にあっては、深い闇に深刻がはびこる   目を開ければ人があり 目を閉じれば己がいる 人の中で分かち合う喜びを得 己の中で孤独を恐れる   時にピエロとなり 時には迷いの人となる 時 . . . 本文を読む
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『喫茶のしてんてんへようこそ②』3 作かわかみ れい

2018-04-01 | 喫茶・のしてんてんへようこそ
 扉を入ってすぐが『舞台』という感じなのだろう。覗くと、『舞台』を囲むように観客席風に木製のテーブルと椅子が並べられていた。飴色っぽい光沢の、年代物のテーブルセットだった。  中にいた観客は十数人ばかり。一瞥で年配者が多いのがわかったが、こちらへ愛想良く笑みを向ける顔色は明るく、それぞれ洒落っ気のありそうな年配者だった。  六四から七三で男性だったが、女性陣も皆、一筋縄ではいかない面構えの淑女 . . . 本文を読む
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