のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

『喫茶のしてんてんへようこそ②』6 作かわかみ れい

2018-04-16 | 喫茶・のしてんてんへようこそ
 紙芝居は続く。  次の場面は、優しい目で軽くほほ笑み、背筋を伸ばして立つこがらしの若者の横顔だった。彼の視線の先には、枝先で赤ん坊のようにあどけなく眠る黄緑色の若芽があった。 「厳しい季節を知らせる、みんなから嫌がられるだけの仕事。それが『こがらし』だとずっと思ってきました。……でも」  こがらしは自分が、誰かに待たれている存在なのだと気付いた。 「こがらしさ . . . 本文を読む
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