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室町砂場と、日本橋 神茂

2018年01月17日 | グルメ

TOHO日本橋で映画を見た後に、日本橋・室町にあるお蕎麦の老舗、室町砂場さんでお昼をいただきました。

大坂屋砂場の系譜より暖簾を得て、高輪・魚籃坂に開業したのがはじまり。1969(明治2)年に日本橋の現在地に移転し、創業となりました。砂場というのは、藪、更科とならぶ蕎麦の3系列のひとつで、大坂城築城の際、資材の砂置き場に蕎麦屋を開業したことに由来します。

建物は今はビルとなっていますが、暖簾や看板、お店の前の柳の木に風情があり、老舗らしい佇まいを見せています。店内に入るとガラス越しに坪庭が見えます。植木に雪吊りが施され、冬らしい風流な眺めでした。お昼時で賑わっていましたが、待つことなく奥の座敷の席に落ち着きました。

お蕎麦屋さんの流儀?で、まずは日本酒をいただくことに。右は突出しの梅くらげ。そしてお蕎麦屋さんといえば卵焼き。こちらの卵焼きはそばつゆと砂糖、おだしを使った甘辛い味付けで、どこかお弁当の卵焼きを思い出す懐かしいお味。できたてのほかほかでした。お店の人が親切に2つのお皿に分けて持ってきてくださいました。

こちらは焼き鳥のたれ。焼き鳥屋さんではないので串に刺さないスタイルです。甘辛いたれがからんでおいしい。レバーもあってうれしいです。

かき揚げです。天つゆと大根おろしでいただきます。口の中でさくさくっとくずれるよう。ごま油の香りが食欲をそそります。中には芝海老と小柱が入っています。

おなかがほどよく落ち着いたところで、おそばをいただきました。こちらのそばは2種類で、更科粉(そばの実の芯)を使った”ざる”と、一番粉(内層の部分)を使った”もり”があります。写真の手前が”ざる”で、奥が”もり”です。どちらも繊細で、洗練されたお味でした。

室町砂場さんは天ざる・天もりの発祥といわれていますが、こちらのお店のはとてもユニークです。というのも、せいろにのった冷たいお蕎麦と、かき揚げの天ぷらが入った温かいおつゆがセットで運ばれてくるのです。今はどこのお店でも天ぷらとおつゆは別になっていますが、こちらでは伝統のやり方をそのまま残しているのでしょうね。

おいしいお酒と肴、お蕎麦を堪能し、ほろ酔い気分でお店を後にしました。

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お蕎麦をいただいた後は室町にあるはんぺんとおでん種の老舗、日本橋 神茂(かんも)さんでお買い物しました。淡雪のように軽いはんぺんは、伊豆で買った生わさびをおろして。揚げものはグリルで軽くあぶって、おろししょうがとともに。海老しゅうまいは蒸籠で蒸して。老舗のお味を家でおいしくいただきました。

日本橋の欄干にある麒麟の像。上に架かっている無粋な高速道路は取り外しの計画がありますが、あと10年以上はかかるでしょうか?

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