村の出身者が今、動いています。
6年前の九州北部豪雨により破壊された村の復旧が進み、復興の勇姿を見せようとしていた矢先に再び大きな水害に見舞われましたが、そこから逞しく前へ前へと歩んできたことが大きいと感じます。東峰テレビは14年前の開局以来、その東峰村を住民主体の村にしていくために微力ながら様々な試みをやり続けてきました。その一つのターニングポイントと感じた昨年11月に「ふらっと九州☆東峰村」を立ち上げました。テーマは「ふるさと愛」。
国を上げて移住者を求める「第二のふるさと構想」が掲げられ、その政策は人口問題や環境保全等の対応策としてとにかく誰でもいいから住んでもらおうとの願いが込められています。東峰テレビ、テレワークテラス宝珠もその方向性には乗りつつも、「第二のふるさと」というある種の曖昧なイメージをもっと明確にするにはどうすれば良いのか?と番組づくりを通して地域づくりを進めることで模索し続けてきました。「ふるさと」って何なのか?ということをよく考えないと答えが出ません。
たまたま、この夏に私の「第一の故郷」兵庫県加古川市で高校の同窓会がありました。想像通り、ほぼ今だに現役で働いている同窓生は数えるほどで、酒席の話題は「孫、ゴルフ、暇つぶし、終活」そして2次会はカラオケ大会です。一人一人ステージに立って近況を話しているのを聞いていても同じくです。そこで、私は自分の番が回ってきた時に九州の小さな村に住んで何をやっているか、もし共感してくれる人がいたら全国ネットワーク番組もやってるし、これは故郷加古川の地域おこしにも繋がるので一緒に動きませんか、との話をぶち上げました。 結果は数人でしたが、私の席に寄ってきてくれる同窓生がいました。それぞれが何をしてるかを聞いていると、もしそれを番組にすると「加古川東高校卒業生も意外とやってるよね!!」と感じてもらえる活動がいくつもありました。
加古川は古代の英雄ヤマトタケル(日本武尊)が生まれた故郷です。子供の頃に遠足によく行った日岡山はヤマトタケルのお母さんの古墳で播磨稲日大郎姫(はりまのいなびのおおいらつめ)が眠ると言われています。父は景行天皇です。聖徳太子や宮本武蔵にゆかりも深く、黒田官兵衛の妻、光姫(ミツヒメ)の出身地でもあります。 話を東峰村に戻せば、官兵衛に縁がある高取焼、小石原焼の歴史に繋がります。間も無く秋の民陶むら祭です。そして九州は熊襲の地です。私が兵庫を離れて山口、九州へと西へ西へ向かっていた頃、同級生たちには「島流し」と揶揄されてきました。しかし私は九州に来たからこそ「自分自身」を発見していったのです。アイデンティティと言ってもいいですが、若かったこともあり、加古川ではわからなかった「自分自身」、住んでる加古川のこともよくわからないままに故郷を出たい気持ちばかりが強くありました。そして出ました。
生まれ育った加古川よりも遥かに長い時を九州で過ごしました。そして今、故郷加古川が九州からよく見えてきたことと、どちらも日本であり、同じ地球であるとの考えに自然となってきています。しかし、生まれ育った土地ということは当時は気づかなかったけれど、やはり土地の風土や大地の力が良きも悪くも沁み入っています。そこから抜け出してアイデンティティを取り戻すために九州があったようでもあり、九州から兵庫へ、もっと言えば実際に何度か行ったアフリカからアジアへ、日本へ、九州から兵庫へ・・と自分のルーツに向かう逆ルートを感じています。 東峰村で「ふらっと九州☆東峰村」という光ケーブルとYouTubeの同時配信番組を制作し続けて気づいてきたことは、東峰村に限らず、全国、世界に住む同じ住民として、何か役立つ動きであるとはずっと感じています。それは人と人の関係性、個人と社会の関係性、社会的動物である人間の活動基盤を創っていく広い意味での創造性を養い、表現として発揮していく何かを開拓しているとの気持ちです。
ヤマトタケルが父、景行天皇から征伐を命ぜられた九州にはタケルにとっては次々と意外な発見や創造に溢れた暮らしがあったのではないか?私にとってはそのような興味深い物語の一つにも見えて来ます。 「ふらっと九州☆東峰村」やテレワークテラス宝珠ではこれから一人一人が自分自身の人生の物語を紐解き、学びや発見を整理しながら表現していくクリエィティブな活動を目指します。アイデアソンという考え方が今、出てきていますが、その考え方の実践フィールドになっていくことがこれからの活動の中心になっていきます。ふるさとおこしは人間起こしになり、豊かな感性を持って行動する人々が増えることが砂上の楼閣に終わらない、持続可能な地域活性化策になると考えます。
10/6(金)正午からの「ふらっと九州☆東峰村」はその動きの第1回になります。もちろん全部のコーナーがその動きに連なっています。「番組づくりが地域づくり」と提唱してきてもう25年以上になります。よそ者、ばか者、若者という地域おこしの3原則がありますが、子どもたちの未来に繋がる動きにやっとなってきています。
ふらっと九州☆東峰村
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