今回は地域そのもの、自治体機能そのものがなくなってしまうほどのメガ被害なので自治体に焦点を当てた報道も目立っています。
今日もある番組でトップが亡くなってしまって副町長さんがリーダーとなって指揮されている町のことが出ていました。リーダーシップを問われても職員の大半が命を無くした現状からすると自分がやる以外に選択肢がないというような決意が見られました。「できるかどうか?」ではなく「やるにはどうするか」しか現場ではもう選択肢はないのです。
被災時にトップも職員も町民のために命をかけて踏ん張っていた姿を見ておられた方がいてその働きぶりには住民の感謝の気持ちが溢れていました。また助かった役場職員の多くは今なお自分の家族の安否さえ確認できないまま働いています。一方で役場が指針を出してくれないと動けないとか、予算がないと作れないとかこれまでの平時と同じように発言する議員さんもいます。当事者として我が身に寄せて考えても、いざ素っ裸になると人間一人一人が結局自分の力で生きていくしかないというのが基本原理です。その前提で共同体があり互助があり、仕組が産まれました。その仕組をサポートすることが職員の主な仕事で何でもかんでもやってくれる便利屋さんではありません。(勿論批判に値する役場職員も実際は少なからずいますので話がややこしいのですが)
役場職員という仕事はうまくいって当たり前、何かあったら矢のような批判に晒されます。しかし褒められたりねぎらいが全くなく批判だけが大きくなっていくと流石に人間は息が詰まります。特に被災地はこれだけ続いている現状といつまで続くかわからない将来を見通すと今こそ住民の温かい眼差しが大きな励みになります。ひいては住民に還ってきます、その恩恵は。豪雨被害に遭った兵庫県佐用町の被災時に寝泊まりして支援した時も全く同じことを感じたものでした。
@写真はテレビ朝日系番組から