講演をしない理由

　数年前から講演というようなものは基本的にお受けしないことにしていました。何故かというとわたしは１時間前後の講演でお伝えするような面白い話をするために列島を歩いているのではないからです。わたしの会社（株）プリズムはなかなか一般的には何をする会社かわかりにくく１０数年前から講演に行くと「話はとても面白かったしためになった、ところで岸本さんは何で食ってるんですか？」と質問されます。悪気はないのはわかってますが講演中にまさにプリズムが各地でやっていることを詳しくお話しし、こういうことがビジネスになっているんだということを主に話しているのです。

　通じないのは皆さんが講演慣れしていてわたしのような「当事者実戦」の人間も講演者の一人と見られていることがわかってきました。その頃から講演に呼ばれると必ず呼んでくれる張本人に「ところで講演した後、具体的に翌日からどうするんですか？」「いやその晩からどうしますか？」とききます。曖昧な返事のときは低調にお断りします。わたしは講演に行く訳ではないからです。