クロの里山生活

愛犬クロの目を通して描く千葉の里山暮らしの日々

富津市には図書館がない!?

2014-06-04 22:02:20 | 日記

今日は住民票を取る用事があり、ご主人様は上総湊(家から車で15分)にある市民会館へ出かけた。

 

その会館の中に市役所の出張所だか分室があり、一通りの行政サービスをやってくれるので便利である。ちなみに市役所まで行くと30分はかかる。

 

会館へ行ったついでにその中にある図書閲覧室へ行き、借りていた本を返した。今回は「奇跡の一本松」(津波の時に唯一一本だけ残った陸前高田の松の話)というとても良い本を読ませてもらった。

 

それは良いのだが、この富津市には図書館というものが無い。それに順ずるものとしては富津公民館の中の図書室であり、またこの市民会館の中の図書閲覧室である。

その他には移動図書館というサービスがあり、読みたい本を市役所の担当の人に電話連絡すると、その本がもしあれば、移動図書館が巡回してくる時に持ってきてくれるそうだ。巡回サービスは1週間に1回程度らしい。

 

この事実を知った時、ご主人様は大いに驚いた。重ねて言わせて頂くが、図書を借りる一番大きな施設が、この市では公民館の中にある図書室なのであります。本好きの者にとっては、これは信じがたい状況であり、許しがたい事態であります。

 

ちなみに、ご主人様が時々立ち寄るこの市民会館の中の図書閲覧室の広さは約14畳ほどで、床には本棚に並べきれない本があちこちに積まれている。受付の人は常駐しておらず、どこにつながるのか分からないが内線電話をかけて呼び出すと、大急ぎで来てくれる。

 

「作家○○さんの××という題名の本を借りたいのですが、ありますか?」

と聞くと、

「少しお待ち下さい。探してみます」

と言って、やおら本棚の前に立ち、片っ端から探し始める。

 

 文明の利器であるIT利用の検索システムなど期待すべくもなく、本の整理すら十分できていないようで、探してみないとその本があるのかどうかも分からない。

 

以上が富津市の悲しくも哀れな図書施設の実態なのであります。 

 

この事実を知ってからは、読みたい本がある時は、ご主人様は隣の君津市の中央図書館へ行って借りる事にしている。

 

今どき、どんな田舎の町でもそれなりの図書館を持っている(はずである)。

 

ご主人様の故郷である新潟県の岩室村というところでさえ、鉄筋コンクリート造りの広々とした気持ちの良い図書館があり、図書検索システムもITを活用してスマートに運営されている。あまりにも立派なので、ご主人様は少々ビックリしたほどであるが・・・・・。

 

市役所出張所で住民票の申請書を書きながら、ご主人様は受付のおばさんに精一杯に皮肉を込めてそんな話をした。すると、

 

「そうなんです、富津市は図書館がないことで有名なんです。おほほほ・・・・・」

 

と、そのようなことに全く意に介す気配もないご婦人に、にこやかな微笑み返しにあった。

 

 

ご主人様はその時、「無念!!」と、思わず切腹しそうになった。

 

 

 

 

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志駒の長者さまー夜の帝王

2014-06-04 08:28:47 | 日記

ある時、長者さまはこんな話をした。

 

「僕はね、若い頃、館山でキャバレーをやっていたことがあるんだよ。戦後しばらくしてからのことだ」

 

長者さまは、館山(千葉県)でキャバレーを5件ほど経営し、ホステスさんを100人ほど雇っていたことがあるらしい。その当時、館山には進駐軍の基地があり、夜の街はかなりの賑わいであったそうだ。

 

その頃、彼には素敵な彼女がいた。そしてその彼女のお兄様は地元のヤクザの若頭であった。キャバレーでトラブルなどがあると、若頭の舎弟数人がすっ飛んで行き、即座に鎮圧したという。

 

当時、彼にはお金は有り余るほどあった。やりたいことは何でもできた。i怖いものは何も無かった。館山の街で、いつしか彼は「夜の帝王」と呼ばれる男になっていた。

 

パイプの煙をくゆらせながら、そして館山に続く志駒の山並みを穏やかに眺めながら、長者さまは自分の若い頃の話をした。

 

 

コーヒーを一口飲んで、彼はこう続けた。

 

「僕はね、生みの親をしらないんだよ。生まれると直ぐに網元の家に養子に出されたんだ」

 

その網元の家には女の子が一人いたが、跡取りの男の子がいなかった。彼は跡取りとして養子にもらわれていったのだが、小学校に上がる頃、その家にあきらめかけていた男の子が生まれた。その結果、彼はこんどは近くのお寺に預けられることとなった。

 

多感な少年時代、彼はお寺でさまざまな人間模様を見た。そして人間の業の深さを子供心に感じた。

 

やがて彼の心の中に、ひとつの信念が宿る。

 

「俺には頼りにする親兄弟はいない。自分の人生は、自分の力で切り開くしかない。俺は自分の力で人生を生き抜いてみせる」

  

天涯孤独の身となった少年は、そう覚悟を決めた。

 

 

 

 

 

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