出処

生まれた街に行きました。
きっとそこがパワースポットに違いないと思い込み、生まれた街で初詣と企みました。
生まれた街の記憶というものは残っているものなのか、どうなのか。
たぶんここだろうと、立ち止まった生誕の地で、穏やかな気持ちになりました。
けれども、そこに自分の家が今はないというのは、どこか寂しく、自分には帰るところのないような心細い気持ちと変わり、自分の帰るところはここではないのだと、思い至るのでした。

正月の華

墓参りに行きました。
年の始めに墓参りをするのは、生まれて初めてのことで、ずらっと並んだ仏花の花盛りを目にして、何故今まで正月に墓参りをしなかったのかと、反省しました。
往きの電車で、駅のホームに晴れ着姿の女の子を眺められたのは、この日の華でした。特に綺麗な女の子でも、特に可愛い女の子でもなかったのですが、正月に晴れ着姿の女の子を眺めるというのは、実に楽しいもんです。