あるとき別のグルの弟子であったパントという名の男性がシルディを訪れる幸運に恵まれた。彼はシルディに行くつもりはなかったのだが、人が一方へ行くつもりでいても、神が別の成り行きを定めていることがある。彼はB.B.&C.I.Rly1で旅行をしていたが、列車の中でシルディに向かう大勢の友人に出会った。
友人たちは彼に一緒に行かないかと尋ねたので、彼は’行かない’とは言えなかった。彼らはムンバイで降りたが、パントはヴィラールで降りた。そこで彼はグルにシルディへ旅行する許可をもらい、旅費を調達した後、一団と共にシルディに向かった。彼らは午前中に到着し、11時頃にマスジッドに行った。
ババを礼拝するために集まっている帰依者たちの群れを見て、彼らは一様に喜んだが、パントは突然ひきつけを起こして意識不明になった。彼らは皆怯えたが、彼の意識を取り戻そうと最善を尽くした。彼の頭に水をかけると、ババの恩寵で彼は意識を取り戻し、まるで眠りから覚めたかのようにまっすぐに起き上がった。
全知のババは、彼が別のグルの弟子であることを知っており、彼自身のグルを信仰してよいと請け合い、次のように言った、「何が起きようとも、あなた自身の支持するもの(グル)から離れないようにしなさい。しっかりと彼についていきなさい」パントはすぐにこの言葉の意味に気づき、自身のグルのことを思い出した。彼はババのこの親切を生涯忘れなかった。
1. B.B.&C.I.Rly:当時のボンベイ・バロダ・中央インド鉄道。現在の西部鉄道。