【新・悪韓論】文政権の“対北屈従”を世界に示した北による「韓国公務員銃殺・焼却事件」 主要ポストは左翼系が占め…「韓国の赤化」誰も止められず (1/3ページ)
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北朝鮮に射殺・焼却された韓国人公務員が乗っていた船(聯合=共同)
韓国の漁業監視船の乗組員(公務員)が北朝鮮に漂着したところを銃殺・焼却された事件は、北朝鮮の「非人道性」を改めて見せつけた。同時に、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が北朝鮮と相似した人権感覚であり、北朝鮮への屈従体質に染まり切っている事実を世界に示した。
- 内部から次々と湧き出てくるスキャンダル、そして今回の事件は、韓国を騒然とさせている。だが、そうした中でも、赤化を目指す措置は着々と進んでいる。この流れは、もうクーデターでも起こらない限り、誰も止められないだろう。
「国務委員様の生命尊重に対する強い意志に敬意を表する」
これは、文氏が9月8日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に送った親書の一部だ。
正恩氏が、台風の被災地を慰問に回ったことを取り上げ、こう述べているが、正恩氏には、兄を暗殺させ、叔父も処刑し、党や軍の幹部を次々に粛清してきた事実がある。そして、核実験を何度も強行してきた。
そうした人物の「生命尊重に対する強い意志に敬意」とは、屈従姿勢ここに極まるだ。
この親書の内容は、韓国の国家安保室長が9月25日午後4時からの記者会見で、「大統領から、国民に知らせるようにとの指示があった」として、答礼の親書の内容と合わせて明らかにした。
安保室長は同日午後2時にも記者会見して、北朝鮮から“謝罪通知文”が届いたとして、その内容を公表した。韓国のマスコミは、この大ニュースの処理に追われ、4時からの会見カバーは手薄だったのかもしれない。
保守系紙も、北朝鮮とは対話のルートが途切れていると言っていたのに、こんなルートがあるのなら、なぜ漂着公務員を救えと要請しなかったのか-といった点を重視し、文親書の中身に触れていない(=通信社のニューシスが9月26日付で内容を報じている)。
北朝鮮による公務員“処刑”を通信傍受によりリアルタイムで知りながら、政権・軍部は何の手も打たなかった。そればかりか、文氏は「南北終戦協定」を国連総会で打ち上げた。少なくとも保守派の国民は激憤している。
そうしたときに、「南北の最高首脳同士は、この通り、気持ちが通じ合っているのです」と親書内容を公表する。それが、政権に対する世論状況の改善につながると判断するとは、もう大統領も側近も平衡感覚を喪失している。
大統領の側近たちは、迅速な“謝罪通知文”を評価して、正恩氏を「度量が大きい」「啓蒙(けいもう)君主のようだ」などと褒め称えた。1人の国民が銃殺されたというのに、「生命尊重に対する強い意志」など、微塵もない。
この事件により、「左翼の巫女(みこ)」のような秋美愛(チュ・ミエ)法相の「息子スキャンダル」が、韓国紙の紙面から消えてしまった。振り返れば「赤いタマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)前法相のスキャンダルも、新興宗教「新天地」による新型コロナウイルスの感染拡大で消えた。
慰安婦を食い物にしてきた「赤いタマネギ女」こと尹美香(ユン・ミヒャン)議員のスキャンダルも、右翼プロテスタント「愛の第一教会」による新型コロナウイルスの感染拡大宣伝で消えた。
そうした中でも、警察、検察、裁判所、さらには選挙管理委員会のキーポストを左翼系が占める人事は、ぬかることなく進められている。
そして、財閥の息の根を止めかねない「経済規制3法案」も手続きが進み始めた。保守派は10月3日の「開天節」に車両による大デモを予定しているが、どこまで盛り上がるだろうか。もはや「韓国の赤化」は止められないと見るべきではあるまいか。
■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。主な著書に『悪韓論』(新潮新書)、『反日種族の常識』(飛鳥新社)、『呆韓論』(産経新聞出版)、『韓国のデマ戦法』(同)など多数。