毎日新聞2018年10月5日 21時01分(最終更新 10月6日 00時17分)
サハロフ賞を受賞して手を振るデニ・ムクウェゲ氏=フランス・ストラスブールで2014年11月、AP
難民キャンプで話すナディア・ムラド氏(中央)=ギリシャ北部イドメニで2016年4月、AP
今年のノーベル平和賞は5日、武力紛争下での性暴力について、危険を顧みず防止に取り組んできたコンゴ民主共和国の婦人科医師、デニ・ムクウェゲ氏(63)と、過激派組織「イスラム国」(IS)による被害体験を訴えてきたイラクの宗教的少数派ヤジディー教徒の女性、ナディア・ムラド氏(25)に贈られることになった。後を絶たない性暴力を告発してきた2人の活動の背後には、紛争地でおびえ苦しむ多くの被害女性の存在がある。
被害女性4万8000人以上を治療…ムクウェゲ医師
武装勢力同士や政府軍との間で衝突が絶えないコンゴ民主共和国(旧ザイール)。ムクウェゲ医師は同国東部ブカブの病院を中心に、性暴力の被害女性4万8000人以上を治療してきた。
1997年にモブツ独裁政権が崩壊し、東部で武装組織が割拠し内戦に突入した。ルワンダをはじめとする周辺国が介入する国際紛争に発展し、死者は計約540万人に上ったとされる。2002年の和平合意後も紛争状態は続き、性暴力の実態は、国連高官に「世界のレイプ中心地」と名指しされたほどだ。
11年に米学術誌に発表された報告によると、コンゴの女性の12%が1度はレイプされた経験があり、180万人の女性が被害に遭ったと推計される。
被害者は若い女性ばかりではない。ムクウェゲ医師はこれまで、生後6カ月の赤ん坊から高齢の女性まで治療したことがあると語る。こうした残忍な性暴力は、夫や子供の面前でも行われる。被害者は身体だけでなく、深い精神的な傷を負う。
ムクウェゲ医師は、女性に対するレイプが政府軍や武装勢力により大規模かつ組織的に行われており、周辺で豊富に産出されるダイヤモンドや金、レアメタルなどの鉱物資源を独占するのが目的だと指摘する。
ムクウェゲ医師は被害者の救済に取り組む一方で、こうした非人道的な状況を告発し、紛争鉱物を資金源とする政府軍と武装勢力の双方から命を狙われてきた。国連で国際社会に支援を訴えた直後、自宅に帰宅したところを何者かに狙撃され、警備員が死亡。一時は亡命を余儀なくされた。
コンゴ東部の紛争は、日本など先進国の企業や消費者とも無関係ではない。武装勢力の支配地域で産出されるタンタルは、パソコンや携帯電話などのコンデンサー(蓄電器)に使われている。ムクウェゲ医師は16年に訪日した際、毎日新聞のインタビューに応じ「皆さんが使う携帯電話が紛争とつながっている。サプライチェーン(部品の調達・供給網)の透明性を高めるよう日本政府や関連企業に働きかけてほしい」と呼びかけた。【服部正法、小泉大士】
IS戦闘員の性奴隷となった体験を実名告白…ムラド氏
ムラド氏は、2014年にIS戦闘員の奴隷となった過酷な体験を実名で告白し、人権侵害の実態を世界に訴えてきた。「首をはねられ、性奴隷にされ、子供がレイプされても行動しないなら、いつ行動するのですか」。16年9月に米ニューヨークで開かれた難民対策に関する国連会議では、声を詰まらせながらISに法の裁きを受けさせるよう演説し、国際社会に「行動」を呼びかけた。
ムラド氏の故郷コチョ村にISが侵攻したのは、14年8月。ムラド氏は農場で働きながら地元の学校に通う学生だった。ISは母や兄弟を殺害し、ムラド氏を当時のIS最大拠点だったイラク北部モスルに拉致した。他の約150人の少女もモスルに連行されたという。
ヤジディー教徒はイラク国内に約50万人。イスラム教やキリスト教、火を神聖視するゾロアスター教などが混交した土着宗教で、クジャクの天使の存在や、輪廻(りんね)転生(生まれ変わり)を信じる。ISはこうした独特の教義を「悪魔崇拝」とみなし、国連の推計ではヤジディー教徒約5000人が殺害され、女性や子供約7000人が暴行・誘拐の被害にあった。
ムラド氏は14年11月にモスル脱出に成功。避難民キャンプを経て一時ドイツに逃れた。イラク軍は昨年7月にモスルを奪還したが、ISの蛮行によるヤジディー教徒たちの心身の傷は癒えない。
イラク北部・クルド自治区のドホーク県。空き地にブロックやビニールシートで建てた小屋で暮らすヤジディー教徒の女性、レイラ・タロ・ハデルさん(31)は14年8月にISに捕まり、繰り返し性暴力を受けた。当時2歳だった長男と1歳3カ月だった長女と共に拉致され、2度にわたって妊娠と堕胎を強いられた。ヤジディー教徒の支援者によると、売買されることを拒んで自ら命を絶ったり、顔を刃物で傷つけて自らの「価値」を落としたりする女性が何人もいたという。
「卑劣な暴力を私たちが語らなければ、同じことがまた繰り返されてしまう」と取材に応じたハデル氏。5日、ムラド氏の平和賞受賞が決まったことについて「言葉で言い表せないほどうれしい。性暴力に負けず、私たちヤジディー教徒の叫びを世界に伝えてくれた彼女は受賞に値する」と話した。【千脇康平、カイロ篠田航一】
とりあえずキムチとユッケしか思い付きませんが、私は辛いものが苦手ですし、生肉は生理的に無理なので、自ら進んで食べることは有り得ません。食べるとしたら、何かの席で出されたときに、招いてくれた人への礼儀として若干口にする程度でしょうね。
おいしい韓国料理も探せばあるとは思いますが、あまり興味はありません。
どちらかといえば、近所のスーパーで売られている食材が国産かどうかとか、割引になるのはいつかとか、そっちのほうが興味があります。
他国の文化を叩いて自己満足に浸るだけでは何も得るものがありませんから、身の回りの現実の問題にも目を向けた方が有意義ですね。
料理じゃないわなww
それと衛生面での懸念が付き纏います。