魚鳥木、申すか?申さぬか?

ぎょ・ちょう・もく、申すか?申さぬか?
申す!申す! 魚⇒ニシキゴイ。鳥⇒ニホンキジ。木⇒制定無し、花は桜と菊

老子『道徳経』を翻訳してみました。80

2017年11月18日 | 老子『道徳経』
英語と中国語を学ぶため 
老子『道徳経』を 翻訳してみました。
訳に間違いが有りましたら御教示下さい。


第八十章
原文

小國寡民。使有什伯之器而不用、使民重死而不遠徙、雖有舟輿、無所乗之、雖有甲兵、無所陳之。使人復結繩而用之、甘其食、美其服、安其居、樂其俗、鄰國相望、雞犬之聲相聞、民至老死、不相往來。

英訳文
A small country with a small population: Even though there are convenient tools, people do not use them. They value their lives and do not travel. Even though there are ships and vehicles, people do not ride on them. Even though there are arms and armors, people do not wear them. They enjoy old-fashioned life. They enjoy their meals, clothes, and houses. Because they enjoy their life, even if they can see a neighboring country and hear its voice of domestic animals, they do not come and go each others until they get old and die. It is a utopia in the human world.

書き下し文

小国寡民(しょうこくかみん)。什伯(じゅうはく)の器(き)有るも而(しか)も用いざらしめ、民をして死を重んじて而して遠く徙(うつ)らざらしめば、舟輿(しゅうよ)有りと雖(いえど)も、これに乗る所無く、甲兵(こうへい)有りと雖も、これを陳(つら)ぬる所無なからん。人をして復(ま)た縄を結びて而してこれを用いしめ、その食を甘(うま)しとし、その服を美とし、その居に安んじ、その俗を楽しましめば、隣国(りんごく)相い望み、雞犬(けいけん)の声相い聞こゆるも、民は老死に至るまで、相い往来(おうらい)せざらん。

現代語訳

人口の少ない小さな国がある。便利な道具があっても誰も使わず、人々は命を大切にして危険な遠出をしたりせず、船や車はあるが誰も乗らず、鎧や武器はあるが誰も身に着けない。人々は昔ながらの素朴な暮らしを送り、その日の食事を美味しく食べ、着ている衣服を立派だと思い、自分の住居で安らかに暮らす。そんな暮らしを楽しんでいるので、隣の国がすぐ近くに見えて、その鶏や犬の鳴き声が聞こえるほどであっても、人々は老いて死ぬまで、お互いの国を行き交う事もない。これこそ人の世の理想郷である。

老子『道徳経』を翻訳してみました。81 へ続く。




ビジネスリーダーのための老子「道徳経」講義
田口佳史
致知出版社


コメント (1)
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