百人一首の和歌の原文・現代訳・英訳を紹介します。「4」
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号004
作者:山部赤人
author of waka:AKAHITO YAMABE(YAMABE NO AKAHITO)
原文
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ
(たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ)
現代訳
田子の浦の海岸に出てみると、雪をかぶったまっ白な富士の山が見事に見えるが、その高い峰には、今もしきりに雪がふり続けている。(あぁ、なんと素晴らしい景色なのだろう)
英訳
I STARTED off along the shore,
The sea shore at Tago,
And saw the white and glist’ning peak
Of Fuji all aglow
Through falling flakes of snow.
Akahito Yamabe lived about A.D. 700, and was one of the greatest of the early poets; he was contemporary with Kaki-no-Moto, the writer of the previous verse, and like him was deified as a God of Poetry. Tago is a seaside place in the Province of Izu, famous for its beautiful view of Mount Fuji.
解説
山部赤人(やまべのあかひと)は奈良時代の初めの頃の歌人で、元明、元正、聖武などの天皇に仕えました。
生没年など詳しいことは伝わっていませんが、官吏として天皇に従い、吉野や紀伊などを旅をしながら、自然を詠んだ優れた和歌をたくさん残していています。
また、柿本人麻呂と並ぶ歌人としてよく知られていて、「万葉集」にも五十首ほどの和歌が伝わっているほか、「勅撰集」にも49の歌が収められています。
山部赤人は、天皇の共をして駿河の国を旅していたとき富士山を見ましたが、このとき「帝にお見せできるような和歌をつくっておくように」と随行の人に言われ、この和歌はそのときに詠まれたものだと伝えられています。
よく知られている和歌のひとつで、自然の風情を見事に表現しています。
また、この歌の原歌は、「万葉集」にある「田児の浦 ゆうち出てて見れば 真白にぞ 不尽(ふじ)の高嶺に 雪は降りける」という和歌で、ここでは、雪が積もる雄大な富士の様子を詠っています。
しかし、「新古今集」では「降りつつ」として、やわらかな表現になっています。
★おススメ本★
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!
※英訳については、1909年にWilliam N. Porterが書いた百人一首の本
『A HUNDRED VERSES FROM OLD JAPAN』を参照しています。
和歌番号004
作者:山部赤人
author of waka:AKAHITO YAMABE(YAMABE NO AKAHITO)
原文
田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ
(たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ)
現代訳
田子の浦の海岸に出てみると、雪をかぶったまっ白な富士の山が見事に見えるが、その高い峰には、今もしきりに雪がふり続けている。(あぁ、なんと素晴らしい景色なのだろう)
英訳
I STARTED off along the shore,
The sea shore at Tago,
And saw the white and glist’ning peak
Of Fuji all aglow
Through falling flakes of snow.
Akahito Yamabe lived about A.D. 700, and was one of the greatest of the early poets; he was contemporary with Kaki-no-Moto, the writer of the previous verse, and like him was deified as a God of Poetry. Tago is a seaside place in the Province of Izu, famous for its beautiful view of Mount Fuji.
解説
山部赤人(やまべのあかひと)は奈良時代の初めの頃の歌人で、元明、元正、聖武などの天皇に仕えました。
生没年など詳しいことは伝わっていませんが、官吏として天皇に従い、吉野や紀伊などを旅をしながら、自然を詠んだ優れた和歌をたくさん残していています。
また、柿本人麻呂と並ぶ歌人としてよく知られていて、「万葉集」にも五十首ほどの和歌が伝わっているほか、「勅撰集」にも49の歌が収められています。
山部赤人は、天皇の共をして駿河の国を旅していたとき富士山を見ましたが、このとき「帝にお見せできるような和歌をつくっておくように」と随行の人に言われ、この和歌はそのときに詠まれたものだと伝えられています。
よく知られている和歌のひとつで、自然の風情を見事に表現しています。
また、この歌の原歌は、「万葉集」にある「田児の浦 ゆうち出てて見れば 真白にぞ 不尽(ふじ)の高嶺に 雪は降りける」という和歌で、ここでは、雪が積もる雄大な富士の様子を詠っています。
しかし、「新古今集」では「降りつつ」として、やわらかな表現になっています。
★おススメ本★
A Hundred Verses from Old Japan: Being a Translation of the Hyaku-Nin-Isshiu | |
Tuttle Pub |
図説 百人一首 (ふくろうの本/日本の文化) | |
河出書房新社 |
百人一首の歌人列伝(業平、定家に西行…人気二十歌人の面白エピソードと代表歌を知ろう! ) | |
歌林苑 |
本書は「平成和歌所」のウェブコンテンツ「一人十首の歌人列伝」を再編集したものです。
http://wakadokoro.com/
厳選した百人一首歌人の「おもしろエピソード」と「十首の秀歌」を分かりやすく解説した読み物は、幅広い層の和歌ファンに人気を博しました。
これを読めば「はるか昔にいた正体不明のオジサン」だった歌人たちが、グッと身近に感じられることでしょう。
そして本書を読み終わった後、あらためて百人一首を一番から眺めてみてください。
王朝の歴史絵巻が紐解かれ、つまらなかったあの百首歌たちが息吹を宿し、断然おもしろく感じられるはずです。
※読みやすい文字サイズ&文章で、約200ページがあっという間に読み終わります!