同じ時間に見えたのは外の景色
いつもそこにあった窓枠の風景
確かめなくても毎日違う空
逆風に乗る白い翼
旋回する鳴き声
色を変えた温かさが
地上に降りてくる
そんなこと気にしなくても
ゆっくりと変わる季節の中で
おはようのあいさつと
天気の話をしながら
今日の予定を確かめる
君のいない静止画の風景
少し寂しい曇り空の静けさ
4年目の花が咲こうとしている
3年間冬の日に枝だけになっても
そのまま春を迎えた
花の数は減ったけれど
それでも小さな花を咲かせた
枯れるのではなく
冬眠が相応しいような
細い茎は静かにたたずんでいた
見えない根っこに支えられて
風に吹かれ雨を受けて
太陽に会うため胸を張る
踏ん張る力を支える大地が
独り立ちの夢をかなえる
戻されたとしても
ふりだしならもう一度出来る
並んだはずの先行く人が
経験と富を手に入れたとして
曲がりくねった途中は見えず
目の前の事を考えるしかない
リアルな情報が意地悪しても
進んだ先のノルマをこなす
喜びと困難がかけ引きするけど
転がした運命に従おう
いつだって
何度だって
スタートとゴールは
つながっている
ここで待ってて
言われなくても言われても
エサを待つヒナのように
帰りを待つ忠犬のように
動けなくても動けても
辛い気持ちも感じずに
再会の喜びだけを覚えてる
すり込まれたおとぎの世界
知りたくても眠くなる夢物語
何にでもなれる主人公
立場を変えて目線を変えて
背景を変えて姿を変えたら
君だけを待つひとつの物語
まだまだ余裕だと
コマ送りの気分で一歩進む
本当は確実に年を取って
成長と呼ぶには申し訳ないほど
子供からどんどん離れていく
若気の至りからはみ出して
年の功にも届かない
普通と呼べば聞こえはいいかな
ひとりとして同じ人生がないのなら
長さも重さも濃さも上下も
他人の平均と比べても仕方なく
羨望と願望をしっかり握りしめたまま
時に水をすくい誰かの手を握り
潤すも良しほほ笑むも良し