「誰か」の中に紛れ込んで
「みんな」の中に身を寄せる
その中で飛び交う同じ言葉が
挨拶みたいに当たり前すぎて
暗黙の決まり事みたいに
するすると結界を張る
居心地がいい時もある
同調される心地よさ
ピッタリはまる台詞
相性の良さが心を撫でる
時に
少しはみ出た違和感を
ただの
カン違いだと思い込み
ひたすら
平らにすればいいのだろうか
思わず
声を上げたら壊れるのだろうか
上手に積み上げた石垣みたいに
ひとつひとつ丁寧に壁を作る
大きさの違うデコボコも
重さの異なる難しさも
考え悩んで積み重ねた
大切なものをしまうには
密閉したら息が詰まる
穴をふさげば暗くなる
程よい温度と新鮮な空気
何より生きるための欲求は
不可欠なのだから
立ち入り禁止もこの先危険も
記されたサインにはかなわない
大切なものは見えないから
何処にあるのか迷い続ける
思い込みとカン違いで
雁字搦めの窮屈さを
少しだけ緩めてみる
心からの発信なのか
頭からの指令なのか
反発しあう同極同士なら
くっつくことはないけれど
なぜか共通点を求める時
弱さを守る絆の結び目が
くい込む痛みに慣れたとしても
いつしか息苦しさを感じるはず
結んだ時の強さの意味
ほどけた時に何を知るのだろうか
何も持たず未満のままで
夢だけ集めて進んで行くには
おとぎ話やゲームみたいに
望んだ分だけ結末がいる
途中で捨てた荷物さえ
次で見つけたアイテムが
ほんのり明日を示すなら
足跡になって道が敷かれる
期待と不安だけが残り
余裕がないと言うのなら
しぼんだ夢を膨らまし
遠くへ飛ばす事もできる
誰もが使う逃げ場所は
誰もが知ってる分かれ道
手招きされて歩き出し
明るい方を目指してきた
転んだ痛みも心の傷も
一緒に泣いてくれる人
励まし褒めてどんな時でも
一緒に笑ってくれる人
見上げた空の大きさが
瞳いっぱいに広がって
こぼれる粒が星になる
導かれた旅の途中
眩しさから逃れるために
自分で見つけた初めての場所