何をもって普通だと言うのか
濁せば役立たず
断れば自分勝手
受け入れれば当たり前
肩書年齢関係性が
社会の中で目線を変えれば
見下ろす優越感が視界を閉ざす
気にするなと声はしても
何処からなのか分からない
声はしても姿は見えず
優柔不断の手招き通りに
不満も我慢で押さえ込む
暑すぎて何も考えたくない
年代も環境も生い立ちも
自分ではどうしようもない枠の中で
そのままの立ち位置をキープするため
生温い土台を崩さないようにバランスをとる
突然の雨にぬかるみを歩く
傘もなく目を開けるのも辛い時
戻るには遠すぎて進むには先が見えない
立ち止まる足元に水たまりがしみてくる
途方に暮れた時決断が出来ない時
頭の中を支配したモヤモヤは
行き場を失い充満して無に染める
何物でもないひとりの自分をただ見つめる
言えない言葉をのみ込んでいたら
おなかがいっぱいになった
表情筋を駆使して
こわばった笑顔を作ってみても
この暑さにはかなわない
たぶん気にしている人はいない
涙と汗の違いに気付くはずもなく
上ずった声の理由も
途方に暮れたまわり道も
あつい空気が封じ込めた
体温より熱い空気が動きを止める
やらなくてはいけないこと
後回しにできないこと
クーラーの部屋を出なければ
次に進めないことだらけ
こんな暑い季節を想像できず
風鈴の音も打ち水の涼しさも
歴史の中だけで語られる昔ばなし
古き良き時代が思い出の中で輝くなら
今をより良い過去にしなくては
今日はもう少しを休みにして
ここまでに満足未満を付け足して
現実逃避の夢物語でも
あり得ないキセキの想像でも
明日のために今日いちにちを
両手を繋いで飛び上がる
無邪気な笑顔そのままに
バンザイの高さを目指しながら
ひとりで飛ぶことを覚えた日
喜ぶ笑顔を見るために
がんばる力を得るために
痛む心を抱えたまま
ひとりで飛べた空の色
静かに地上に降りてきて
同じ高さで見つめてる
色は無くても姿は無くても
こぼれる今の先を見て