いつもそこにあったから
夜でも晴れや曇りがあると
教えてくれた
ひとりの夜に
願いを込めて 明日を夢見て
暗闇に射す光を求めた
けれど月こそが
夜を求めて光を受けて
蒼い星のそばにいたかった
一番近くで輝く星に想いを寄せる
見上げるだけで嬉しくて
見つけるだけでしあわせで
出会うことない星屑たちも
同じ反射のキラメキがあると
気付いた時には夜は明けている
さぁここからと
何度始めたことだろう
1秒先の未来のために
考えるなんて出来ないけれど
一瞬で変わる現実の中で
一瞬で変わる心を抱いて
さっきより少し大人になる
自分だけではなく
世界中のイキモノが
一瞬の変化を受け入れながら
それでも今を信じながら
見えない未来を生きていく
だから
さぁここからと
何度でも始められる
同じ視線に立つ人の
そのままが見えてしまうから
心のページは閉じたまま
目につく表紙を考えた
キレイな紙で覆い乍ら
素敵な題名を付けたから
中は読まずにいて欲しい
外帯を二重につけて
賛辞と感嘆の言葉で埋める
どこまでも射す太陽が眩しくて
表紙の色さえ違って見える
やさしく吹く風もあきらめたのか
重い表紙はめくれない
やっぱり天邪鬼
未満だらけの能力を
使い切れない半端モノ
風がヒューっと囁けば
抜けることなく心に刺さり
汗がポトリとしたたれば
思考回路も座り込む
棘の痛みをはね返し
弾力のあるやさしさで
届く範囲の確かさを
守ることに専念する
それでもやっぱり
見えない反対側と
知らない向こう側に
天邪鬼の心が居座る
余計なことを考えても
プラスにならないとは
思いたくない
ハッキリきっぱり
力尽くでふたつに割った
片方を差し出されても
あやふやな大きさ以外に
違いは分からず
同じものなら
どちらでもいいと
受け取る側の
真意は伝わらず
投げ捨てられた気分
つまりは
同じものじゃないのだと
あれこれ裏まで詮索し
確かめられない中身の正体と
余計な堂々巡りにはまる