一度置いてきた心を探しに
戻ろうとしたけれど無理だった
季節の温度がにおいを消す
雨に流され空気も変わる
何よりその時の顔が思い出せない
何か言われた気がする
何か見た気がする
詰まった声で堅い言葉を言った
瞳を隠す熱い涙ですべてがぼやけた
こぼれない様に空を見上げた
忘れた訳じゃないけれど
時間はいつでも前を見てる
こんなにさっぱりとした晴れだもの
曇った気持ちは似合わない
縮まる思いは解き放て
デジタル表示じゃ味わえない
カウントダウンの厚みさえ
北風と太陽が手を繋ぐ
旅人が衣を脱ぐために
競い合う必要はないんだと
みんなが一緒に笑い合う
見渡してみればいつだって
君を見つめる優しい目と
君の名を呼ぶ声がする
落ち着いているつもりでも
同じ失敗をしてしまう時
心は何処を彷徨っているのか
言いきかせるように
独り言の不気味さを味わいながら
他人の目から逃れていたはず
自己完結を自己抑制でしばりつけ
隣の芝生も見えない位置で
我が道を気取って歩いていたのに
上手くいくとかいかないとか
ままならないとか逃げるが勝ちとか
支離滅裂に慕われている今日
何で泣いてるの?と聞かれたら
意地でも泣かない
分からない悔しさで涙も引っ込む
苛立つ気持ちが覆いかぶさり
可愛いはずの健気さを消し
頭突きの勢いで顔を上げる
強気の弱さもたまにはいい
震える声が涙を誘っても
目をそらさずに断固拒否する
いろいろな理由を付けて
会わなかったけど会えなかったけど
変わるには十分すぎる時を経て
変われない立ち止まった時を過ぎ
新しい出会いに春を見て
うだるような暑さに疲れ果てて
葉に色を付ける風の速さを追いかけ
凍える前にもう一度出会った
分かったことは思い出したことは
涙が出るほど震える気持ちと
忘れてはいなかった思い出の手前
脈打つようにいつも心に住んでいた