同じものを見て
同じものに感じないのは
見ている自分が変わったから
あの頃はここにはないけど
あの気持ちは忘れていなかった
大切にしまっておいた訳じゃなく
決して消えない奥底に置いてきたから
呪文は忘れてしまった
鍵も失くしてしまった
それでも小さな重みが転がるたびに
くすぐったい苦みが少し溶け出す
違うものを見て
懐かしく感じるのは
知ってる自分が変わらないから
あれもこれものあれをやっていると
これに行く前に次のあれが見つかる
計画を立てて無駄と無理のないよう
疲れ果てる前に師走を過ごしたいけど
やっぱり飴の比率が多い方が
鞭で打たれてへこたれるよりいい
そんな理由をぶつくさ唱えながら
何より心にどっぷりと甘さを与える
やさしい気分でやわらかな心なら
同じ試練も喜びに変わるみたい
こんなご褒美なら毎日でもいいよね
笑顔のままであれもこれも出来るから
青空だけで笑顔になれるなら
こんなにいい事はない
夢から醒めたみたいに
さっきの出来事を忘れ
嫌な気持ちもどこかへ逃げて
楽しい気分だけ満タンにする
単純なのか素直なのか
どちらも一緒に仲良くして
あきれるほど笑い転げ
息もできないほど泣く
それでさっぱりするなら
それだけで空が恋しいなら
ここにいるだけで幸せな気分
こんなに素敵な事はない
気分はそれなり
いいような そうでもないような
冬の晴れ間の
もっと寒さを感じる冷たさ
手袋もマフラーも
可愛さ以上のぬくぬくで
みんなを子供に帰してくれる
戻りたい記憶の風景は
冬はもっと冬らしく
雪だるまもそり遊びも
雪国だけの遊びじゃなかった
遠くに浮かぶ山並みの墨絵景色
年月が変えたものは
良くも悪くも今の本当だから
途切れることなく繋ぎ続けた
逆らわずに歳を重ねて
帰る場所は見つかるだろうか
いつもの調子で
それなりの緊張感をもって
初めての場所へ行く
ナビ頼りでも
交差点での後何メートルが
感覚では分からない
目的地の近くで放り出され
目当ての看板が見えても
駐車場に戸惑う
曇り空が違う景色を見せて
なぜか慣れない運転に
極度の不安が襲いかかる
いつになったら慣れるのか
いくつになったら上手くなるのか