雨ならば傘がないなら
やめてもいいよ と空が言う
泣き顔を見られたくないならば
ここへおいで と雲が言う
後ろ姿を見守る太陽が
影を踏まずについてくる
ひとりだと思ったから
逃げ出したいと思ったから
行く当てもなく前を目指した
すごく進んだつもりでも
振り向けば同じ空
どちらが前か決めるのは
次の一歩と今の空
それでもいいや なんて
後悔にぬる薬を用意してから
決めたことは
上手く行っても行かなくても
喜びも虚しさも半減する
そこにある どうでもいいやと
付いて回る めんどくさいが
ほんの少し
やる気を削り力を抜いても
結果はひとつしか見えない
タラレバの魔法をかけても
過ぎてしまった時には無意味で
どうせなら
ここからとこれからを
全部背負ってひとつとする
誕生石も花言葉も
普段は全然気にしてないけど
春だからという理由で
さりげなく渡されたら
キレイの中の意味を探してしまう
いつもと変わらない
温いやさしさとバリアを張った空気
透明のガラス越しの眼差しと
まだまだ白い息が口元を隠す
目が合ったらその深さにハマってしまう
あたたかい空気は風に乗り
下界の風とぶつかり合って
空の高さを駆け抜ける
季節を忘れた温度でも
日陰の低さはまだまだ重く
花咲く春を探してる
首を振っても手で払っても
取れない憂いがあるのなら
思い切って抱きしめて
顔を近づけ聞くがいい
通り過ぎる風の音が
かすかに答えてくれるまで
現在進行形の心の内は8対2
小さくなりそうな
2の部分を取り出して
やさしく保護する
土台がないと始まらない
尽きることない芯を支えて
クッションになったり
養分を蓄えたり
縁の下の大いなる力は
ほめられなくても
認められなくても
必要なのだから