その時は
一生に一度のチャンスだとは知らず
ただ初めての世界にあこがれ
酔いしれて竜宮城を夢に見た
どんなに目を凝らしても
ウサギの耳をマネしても
記憶の扉は次々に閉まり
夢と現実の間を阻んだ
思い出にするには大きすぎて
箇条書きでも順番が異なる
カラフル過ぎる心模様が
事実さえも蜃気楼にした
もう一度と望むには
おとなのままの一歩が重い
心のままに弾みをつけて
一か八かの勝負にでる
待っているから
長すぎて
待っているから
あっと言う間
どちらも期待にワクワクして
ドキドキソワソワ時が進む
あやつられた時の流れが
ざわつく心の奥を流れる
あたたかい冷静な心を
かきまぜながら溶かしていくから
カラダの端っこは
あつくなったりつめたくなったり
心の中は
ゆれるさざなみ あふれる想い
最初の願いはささやかなひと粒
握りしめたらつぶれてしまいそうな
見つめたら溶けてしまいそうな
初雪の儚さにも似た淡い願望
手にした時から形を変える
もっと大きくと空を見上げる
握りしめたら小さくなる
見ている内に溶けてなくなる
ただきれいだと感じたままで
真っ白な世界にあこがれたまま
手の中にあるものを信じられたら
それだけで良かった
らしくない とは
他の人が見る基準
いつも笑顔で明るい人も
24時間365日の普通ではなく
喜怒哀楽を
見せる時と見せない時がある
誰だって
いつもと違うを持っており
いつもの基準も
ひとりずつ変動する
だから大変
だから難しい
相手の事を考える自分が
いつも 今さえも
らしいを把握できないのだから
遠くのものがよく見えない
レンズ越しの狭い空間は
周りをすべてぼやかして
集中した景色を見せる
意識したものだけ
見たいものだけ
正面の顔を向けながら
視界の中におさめようとした
まばたきよりも遠い角度が
どんなに大切なものでも
見逃したことも知らずに
目の前の姿だけを見ていた