宙に浮かぶ丸さの不思議
全体を見渡せるなら
ここにいようか
誰かのためにあるいちにちが
少し面倒に感じた時
手抜きのササクレが目立っても
失格の判定は受けたくない
褒美の言葉に寄りかかり
自分にふさわしいと思い込む
息を吸うみたいに自然なことも
考えすぎたらギクシャクする
轍の中を軋みながらも
丸い車輪で進んで行けば
足元だけに気を取られても
いつか繋がる先が見えるはず
たまには切り離して
自立したおとなになりたい
誰が見ても分かるだろうけど
見えるだけで中身は伴わず
そんなイキモノが
ぶつからないよう身をかわし
じゃましないよう小さくまとまる
頭の中だけ制限はなく
夢見るひらひらドレスも着るし
頑丈な扉に幾重にも鍵をかける
現実は想像に溶け込ませ
いい塩梅にぬる目を好む
守ると逃げるがケンカしない程度に
引いてもダメならどうするか
深呼吸で胸を広げて
少しゆるんだ心に問う
どうか!と願わずにはいられない
信心深くなくっても
呼びかけに返事がないとしても
きっと空の上にいると
願う心に羽があることを望む
出来る範囲で独り占めして
それがいい事だと頑張った
あれもこれもと精一杯の中
自分の心だけじゃ狭すぎる
空回りは同じ位置
両手の荷物を降ろさなきゃ
羽ばたく自由も選べない
飛び立つ白は美しすぎて
広げる白はあまりに優雅で
麦畑の絨毯をまじかに見ながら
低い空を静かに飛ぶ
夏の景色に白が映える
ゆったりとした風に乗る
はじめての風景が
見慣れた色に変わる時
それを住みかと呼びながら
安定を求めるのだろうか
そこにあった自分の居場所を
探すために飛び立つのだろうか
疲れたので腰を下ろしたら
隣で眠る人を見た
緑の葉がぬるい風を呼ぶ
灰色の雲が陽射しの間に入る
眉間に寄せたしわが解け
寝息が静けさの中を通る
見ていなかった隣を知る
ひとりで歩いてきたつもりでも
そこには道があって明りがあって
避けながら頼りながら
仮面をかぶり涙にむせても
凍えながら雨に濡れても
いくつもの温もりがあった事
立ち止まって弱音を吐いて
はじめて知ることもある