愛詩tel by shig

プロカメラマン、詩人、小説家
shig による
写真、詩、小説、エッセイ、料理、政治、経済etc..

罪の塔

2018年03月27日 13時29分00秒 | 写真詩



塔の先端白い十字架が 柔らかい光に照らされている

凛とした 教会の空気
小鳥たちが 朝の到来を 喜び合う

遠い記憶の中に 僕は投げ入れられる

君に誘われて 初めてここを 訪れた

あのね あなたは罪びとなの 救われなきゃ ならないの

僕らは賛美歌を歌い 牧師のメッセージを聞いた

僕には理解できなかった

罪とはー

普通に生きては いけないの
自然に生きては ならないの
悔い改めは 必要なの

矢継ぎ早の 僕の問いに 君は 優しく微笑んだ

そして12年
その間 僕は多くの人を 傷つけた

誰よりも 君のこと

さよならを告げた日
君は黙って聞いていた
哀しい目をして 笑ってた

でも 別れ際にひとこと

出会いがあれば 別れがある
でも 別れるために 出会うんじゃないわ
 

教会の庭で 僕は今に 舞い戻った

その後の君を 僕は知らない

見えない力で 引き寄せられて
人は出会い 別れる

それが無意味だとは 思いたくない
でも その力は どこから来て どこへ消えるのか

力に従うことが 罪なのか
力そのものが 罪なのか

答えを求め 12年ぶりの教会

塔は 変わらず 立っている
変わらない ものもある

鐘が鳴る 礼拝を告げる

鐘が鳴る

僕の一つ一つの罪を
数え上げるように

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