鳥無き里の蝙蝠☆改

独り言書いてまーす

【最高の漫画、最高のアニメ】Dr.Stone

2024-06-12 02:14:53 | 感想文

Dr.Stoneという作品は人間の持つ「自然への敬意」を尊重する。

人間の「世代を超えて受け継ぐ意思」を教えてくれる。

「飽くなき探究心と好奇心の楽しさとその偉大な価値」を教えてくれる。

あるべき社会の在り方について考えさせてくれる。

文明の発展に伴い人類がどのようにして間違ってきたかを教えてくれる。

不殺や裁きについて教えてくれる。



書ききれないほどの多くを、Dr.Stoneという作品は教えてくれる。アインシュタインも言っていた。富や名声などではなく、我が子に「この情熱を渡せたらどれだけ良いだろうか」と。未来を担う子供たちにこれほど知ってほしい作品はDr.Stoneを差し置いて他に一切無いと確信できる。

漫画であり、アニメである。小学生の時にDr.Stoneの虜になっていたらと思うと悔しくてたまらない。

教科書やきっかけとしてこれほど楽しく優しくそして聡い作品は他に無い。特筆したいのは、それでいて加えて漫画としてもアニメとしても、その出来が圧倒的に凄まじい。構成力がどうのとか、演出やカメラワークがどうのとか、アニメーションがどうのとか、その全てがとてつもなく良くできていて何も言うことがない。

日本に日本人として生まれ育ったことをこれほど感謝したくなる一番の作品は間違いなくDr.Stone。ただ出来が良くて面白いアニメで終わらない。本来であれば鬱陶しく思うようなメッセージ性や説法じみた台詞や演出の全てに全く抵抗を感じない。とてもすんなりと染み込んでくる。清々しくて格好良い。

登場人物達は「歯を食いしばったら能力が覚醒してどうにかなっちゃった」なんてご都合主義で状況を打開しない。1人の天才ではどうにもならない状況に、ひどく地味で味気のない方法で突破していく。突然どこからともなくヒーローが登場することはない。一生懸命念じたらファイヤーボールが敵を打ち倒すなんてこともない。ひたむきさと執念と信じる心と、時を超えて繋がる意思で難関に立ち向かう。これぞ超絶究極のJUMP。

完全無欠の「Dr.Stone」。この現代に必要な「世界の教科書」はこれで決まり。千空の言葉の数々が、きっと"良い方向"へと人を導いてくれる気がする。どうするべきかはみんなある程度わかってるはずだけど、そのまとめ方とか良い感じの言い方みたいなのがわからないんだと思う。その誰もやりたくなかったできなかった作業をDr.Stoneの作者様がやってくれたような、そんな気がする。

他の作品を見ずにこの作品を知れなんて言わない。楽しくて面白い作品は世の中にたくさんある。そんなもののほとんどはほっとけなんて思わない。日本が世界に誇る漫画アニメは数えきれない。俺は好きな作品があっても他者へそれをおすすめすることを滅多にしないが、Dr.Stoneだけは全力で推したい。見てくれ。読んでくれ。知ってくれ。絶対に後悔はしない。読む人によっては気分が悪くなるような下手を、この作品は犯していない。

原作はとうの昔に既読済み。今し方シーズン3をシーズン1から見返し終わって余韻に浸るのを兼ねて執筆。シーズン4の完成の際には、また1から見直そうと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【アニメ視聴感想文】不滅のあなたへ シーズン2

2023-07-01 01:34:43 | 感想文
※!!ネタバレ注意

アニメ版を見始めたきっかけは、主題歌「PINK BLOOD」が宇多田ヒカルによるものだからだった。シーズン1公開当初にチェックしていたが、確かジャナンダ辺りの記憶が無かったのでおそらく何かしらの理由で見なくなっていたのを、その辺りをおさらいして今し方シーズン2を視聴し終えた。ここ一週間ほどで。ちなみに聲の形も三度目ぐらいになるけどもう一度見た。

鬼滅の刃、呪術廻戦、チェンソーマンなど、昨今では作画に力が入っている作品が多く、中でもチェンソーマンは特に凄かったね。決してこれはアンチ的なレビューではないことを先に書いておくんだけど、鬼滅の刃やチェンソーマンは暇つぶしとしては退屈しないかなって思った。声優の演技力も絵の力も半端じゃないんだけど、ただ綺麗で動かせば良いってものじゃない。だからいち消費者としては「めちゃ面白い」とは思えなかった。

ここ数年で面白いと思った作品は「メイドインアビス 」「映像研には手を出すな」「Dr.Stone」。きっかけは知人の勧めもあるけど、自分がこのアニメを観ようと思う時はそのほとんどが岡田斗司夫さんの紹介動画。不滅のあなたへシーズン2全話公開からだいぶ経った今チェックしようと思ったのも、結局のところ聲の形の作者大今良時さんを岡田さんが絶賛している動画を見て思い出したかのように「そういえばシーズン2見てないな」と思ったところからである。

「不滅のあなたへ」のアニメは、実際のところ鬼滅の刃やチェンソーマンに比べて作画コストがかかっているようには見えない。平均からすればめちゃめちゃ動いているけれど、昨今の作画おばけアニメを見慣れた人からしたら「なぁんだ大したことないじゃん」みたいな感想を抱かれてもしょうがない。ちなみに言えば、作画が良いに越したことはないがキャラデザが崩れても楽をしてくれてもなんとも思わない派である。尺稼ぎはイラっとするけど、必要な演出に足りた絵ならば良いと思ってる。

過去の記事でも似たようなことを言っているが、僕は一貫して「色気に頼ってない」ことをものすごく評価する。色気要素が欲しい時はその方面に尖った作品を摂取するから別腹である。可愛さや格好よさにも種類があるし、そのこだわりっぷりに唸る時ももちろんある。不滅のあなたへに対しては「物語」としての部分を極めて評価している。大今良時さんの作品はグロテスクではない汚さや醜さ、ホラーではない"怖さ"の描き方が凄まじくて、この感覚は少し洋画の「セッション」に似ている。この"目を背けたくなるような"感覚は漫画でも映画でも見る人をガツンと殴ってくれるし、時に滅多刺しにしてくれる。画面を超えることなど本来はあり得ない痛みや、つんとくるような臭さまで香ってくる気がしてくる。こうした演出が凄まじい作品が見たいし、そういう部分に唸りたい。うまく言語化できない自分の拙さがもどかしいが、こうした作品からしか摂取できない栄養素が、エンターテイメントとしては極めて優れている鬼滅の刃やチェンソーマンなどからは摂取できないような気がしている。

海外ドラマ「ゲームオブスローン」の面白さは、"最後に誰が生き残っているか分からない"という"読めなさ"と圧巻のスケール。次の瞬間誰が死んでいてもおかしくない展開の連続。「不滅のなあたへ」でも"読めなさ"による面白さが得られた。ボンがまさかあそこまで重役だとは思わなかった。演じている声優の知名度によってある程度のメタ読みができてしまうのは致し方がないとは言え、シーズン2終盤の展開はまるで読めなかった。これに関しては自分がアホなだけだったからかもしれないが。

今の数秒のシーン必要だったか?と思うようなシーンが殆ど無かったのもとても評価したいポイント。物語に影響しないキャラクター同士のクソみたいなぷち漫才が個人的にかなり嫌いなのだが、不滅のあなたへでは伏線の細かさが凄まじく、しかもそれらがきっちり回収されていく。その後一切登場しないキャラクターは殆どいなかったように思う。なので数秒の何気ないぷち漫才がいかに意味無さげに流れていっても目を離せないという状態は、構成がとても良くできている証拠なのだろうと思った。ミステリーでは当然の技法(?)だろうけど、展開の予想が気になるというフックが効いていなければそれはまるで効果が無い。「この人が生き残るとしたらその理由は?この人はなぜこのタイミングで死んだ?」視聴者は釘付けになればなるほど勝手に推測しようとしてくれる。彼らが叩き出した自信満々な予想を裏切れば裏切るほど、悔しいと同時に痛快でたまらなくなる。

観測者のCVは津田健二郎。僕は彼の大ファンであり立派な虜である。そしてOPを宇多田ヒカル、彼女の大ファン。シーズン2のEDを浜渦正志、彼の大ファン。僕をとことん殺しに来たのかと思うようなキャスティング。漫画のアニメ化というのは見方を変えれば色をつけ音をつけ動くようになった紙芝居のようなものである。オープニング曲もエンディング曲も能力の高い声優を選ぶのも、絵画の価値を損なわないまたは高めるために用意する額縁、つまりアニメ化はいわば"装飾"のようなもの。宇多田ヒカル浜渦正志津田健次郎、他豪華声優陣などは突き詰めてしまえば物語の質には干渉できない。彼ら彼女らの手がけた不滅のあなたへでの音楽や演技は大変素晴らしいし、一言で言えば最高だが、それらすらおまけと言っても過言ではないほど不滅のあなたへのストーリーは面白かった。どえらい豪華な"装飾"に全く劣らない内容。強烈で重厚で繊細で、五感にザクザクとくる。

一番好きなキャラクターはピオラン。そしてそういう風に描いた作者の演出が最高に愛おしい。泣き喚いてじたばたしたり悔しがったり落ち込んだりするという風には一切描かず、死の直前になって初めて「こんな老いぼれではなく、もっとフシの役に立つ者へと生まれ変わらせてくれ」と観測者へ命令することによって「こんなにもフシの役に立ちたいと思う者が自分のような老いぼれなのか」という悔しさや憤りが明らかになる。老いの醜さと美しい器と、静かな言葉なのに強い思いが描かれたあのシーンを生涯忘れることは無いと思った。不滅のあなたへのアニメであそこが個人的な最高のシーンだった。

人間の永遠のテーマである"老い"。生きることとは?死ぬとは?魂とは?記憶とは?伝え継ぐとは?

死んだ者を生き返らせることができるようになったことで、生きていることの価値は揺らぐのか?死ぬことのリスクがゼロになったらそれまで尊い筈だった営みはどうなる?忘れ去られる=本当の死という考え方。

科学が発展し、文明が進み、寿命が延びて生活が豊かになっても、人の世は常に支配と争い。攻殻機動隊では少佐は人々に対し「久世を失ってまで本当に救う価値があったのだろうか?」と自問するようなシーンがある。シーズン2の終盤では、フシが疲れ呆れてそうなる展開を予想したがそうならなかった。次の現世編かさらに先でそうなるのだろうか。

不滅のあなたへに対する関心度は今が最高潮なので続きをチェックしてみようと思う。ネタバレを避ける形で検索しようとすると不穏なワードがちらついているが、聲の形の「目を背けたくなるような」感覚がさらに濃くなっていくのかなぁと予想。コクや心地よい食感が失せて、不快な舌触りと苦味だけが口の中を満たすようになって…それって面白いのでは?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【視聴感想文】Dr.Stoneのアニメを視聴しました【ネタバレ注意】

2023-02-17 04:25:52 | 感想文
連載当初、本誌で途中まで読んでいたので面白いことはわかっていた。けど途中からなぜか読まなくなって今になってアニメを視聴した。

どちゃくそ面白かった。一言で”面白い"にも種類がある。ミステリーものやハートウォーミングなものやどんでん返しやバトル系、色々あって別ジャンル同士で比べるのはナンセンスだけど、自分が観てきたアニメの中でも相当トップクラスに面白かった。

今までに「トップクラスに面白い」と言った作品を蹴落とすレベルで面白かった。とはいえ自分はそこまでアニメ通でも映画通でもないのであまり信憑性には自信が無いのだが。

攻殻機動隊の笑い男と個別の11人、ゴーストインザシェルは個人的に殿堂入りしていて、これより面白いアニメはなかなか出て来ない。コードギアスとシュタインズゲートの構成の緻密さに敵うアニメもなかなか出て来ない。けれど、Dr.Stoneはこれらに匹敵してくるほど面白い。なんなら跳ね除ける勢いで面白い。というかもはや土俵が違う可能性すら感じている。

個人的にコードギアスは色気に寄っているし、攻殻機動隊はハードボイルドかつ哲学に寄っている。シュタインズゲートは構成こそ凄いがこれもやはりコードギアス同様に色気寄りな感じがする。

Dr.Stoneの何が凄いって、アニメーションの強みを置いてけぼりにしているところ。作画も声優も演出もテンポも十分過ぎる良さだったが、そういうことなら他にも良いアニメは沢山ある。もっと言えば、Dr.Stoneよりもより動いてより綺麗でよりお金のかかっている作品はマジで山ほどある。だけどそういうことじゃないんよ。

お恥ずかしながら井の中の蛙だったなと。いつもこうした類の記事で演出が〜とかテンポが〜とか間抜けなことをほざいているわたくしでした。違うんだなって。Dr.Stoneを見て気づかされました。世界の広さを教えてもらいました。

結局のところ、綺麗なだけで良いアニメを見たけりゃそっちを見ろと。批判を恐れずに言うならリコリスリコイルみたいな可愛くて綺麗でとてもよく動くアニメでも観ていろと。確かに可愛かったし、アクションシーン格好良かったし、たきなが無心でちとせを助けたがる描写は素敵だった。良いアニメだと思った。けど違う。Dr.Stoneを観て思った。「これが観たかった」

火薬にも復活液にもなる硝酸。それはストーンワールドで最も価値のある物質。それを奪い合う武力陣営と科学陣営。様々な理想がぶつかり合う様はまさに現代における人間社会の縮図。もし復活させる人間を選べるとしたら?現代風刺としても啓発としても優れたDr.Stoneは科学や化学の入門としても優れていて、なおかつ人間のひたむきさや好奇心や真心の尊さまで学ばせてくれる。

人がたどりつく思想の果ては数種類しかなく、そのどれもが正解ではなく、どれもが衝突する。答えはないが、常に疑い続け考えるべきなんだと、工夫を凝らしなんとかなるのではないかと努力を諦めないことが尊いのだと、千空の「科学で70億人をどうにかして支える」という言葉には、現代科学の可能性を信じる心があらわれている。

コハクやゆずりは、他女性キャラもそこそこ露出度が高くはっきり言ってエロいが、カメラがそこに全くフォーカスしてない点も非常に素晴らしい。恋愛要素がないのも非常に素晴らしい。毛嫌いしているわけでもエロが嫌いなわけでもないのだが、そういうのが観たいわけではない。ラブコメが観たかったらラブコメを観ます。エロアニメが観たかったらそれを観ます。そういうことが言いたかったわけではなく、Dr.Stoneに登場するキャラクターの魅力を伝えたかっただけなんよ。コハクは見た目がえげつないほどナイスバディなのに戦闘力マシマシで好戦的なメスゴリラ、というのがただの飾りというレベルに純粋でただの姉思いの女の子。病の姉を癒すために温泉のお湯を汲み続けるエピソードが、獅子王司の妹を想う気持ちに共鳴する。ただの誇大妄想狂かと思った獅子王司は破壊した石像の場所と数を一つとして忘れない優しい男だった。そんな司を冷凍する直前、千空が思わず口調を崩してしまう演出が視聴者の心を思い切り打つ。

現代風刺的な演出、あちこちに見え隠れする暗喩のような表現、恐ろしく練りこまれた構成、老若男女が楽しめる見せ方、好奇心や啓発を煽り、かと思えば人間社会の間違いに目を向けさせる。小学校の昼食の時間に教室のTVで「未来少年コナン」を流していたが、現代なら「Dr.Stone」間違いない。というか今両方を好きな時に好きなだけ観られる子供達が羨ましい。

続きをアニメで待つか、原作を見るか、非常に悩ましい。観終わってしまって余韻と共にロスに陥っている。いっそのこともっかい観ようかな、と思うほど面白かった。

この記事の前に書いたサイバーパンクエッジランナーズよりも比べ物にならないぐらい面白かった。いやサイバーパンクも面白かったけどね。だから土俵が違うのかなって。あっちは爽快さとスタイリッシュ、思い切りの良さとかSF感が気持ち良いから。

とにもかくにも殿堂入り間違いなし。あなたの思う面白いアニメはなに?と聞かれてここ数年のものなら間違いなくDr.Stoneと答える。次いでサイバーパンクだね。おーわり。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【感想文】サイバーパンク:エッジランナーズ※ネタバレ

2022-10-07 17:00:09 | 感想文
Netflixで少し前から見かけていたけど視聴はしていなかった。なので今更ながら全話一気見。

SFはやっぱり面白い。エログロを除けば堂々と知人に勧められる貴重な作品。

以下ネタバレ注意!






やはり感想を語る上で欠かせないルーシーのデザイン。ひと目でわかる異質感と特別感。白い頭髪、濃いメイク、露出の多い衣服。エンタメ洪水のご時世に、今更こうした奇抜なデザインは珍しくないどころか、これぐらいやらないとはっきり言って注目を得られない。そんなことはどうでもいいけど、色っぽいというよりかは普通に可愛い。物語序盤ではやばそうなイカれたお姉さん。途中からは母性を感じさせ、終盤にかけては恋人というよりかは大切な人を想うただの人格者。ああだこうだと言ったけれど、ショートヘアお姉さんというだけでワイの性癖なのでこのへんにしとこう。

主人公の成長譚は正直あんまり好きじゃなくて、うじうじされたりすると萎えちゃうんだけど、作品全体を通して抜群にテンポが良くて気にならなかった。全部で10話というコンパクトさも当然ながら、とにかく作り込みが細かく、濃密な作品だと感じた。もっと楽すれば良いのに、と感じるシーンがたくさんあったけれど、カーチェイスでもしっかり爆破して吹っ飛ばすし、ルーシーが施設から脱走するシーンの走り方は特に凄く良くて圧巻だった。やはり髪の毛が自然になびいて重力に従うアニメは良作かどうかを判断する貴重な要素だと信じてやまない。

ちゃんと死ぬし、ちゃんと殺すし、ちゃんとヤるし、レベッカはまるでこっちの言いたいことを分かっているかのようなツッコミや言い回しをする。一押しはキウイに嵌められたとわかった時の「ぁああああんんのクソババァぁああああッッ!!!」アニメで思わず吹き出しちゃうなんて滅多に無いのにめちゃ笑った。時代に考慮した紛らわし方をされても理解があるからなんとも思わないけど、一切ガン無視で作りたいように作ってる感じは、自分が普段規制ガチガチのアニメでそこそこフラストレーションが溜まっていたことを自覚させてくれたような気がした。

岡田先生もおっしゃっていたことだが、昨今のアニメは「なにかと説明しなきゃいけない」ということで鬼滅の刃なんかは炭次郎がなんでもかんでも説明する。これが個人的にはとてつもなくうっとうしい、というかうるさい。アニメなんだから絵で、視聴者をわからせてほしい。士郎政宗や宮崎駿のような難易度鬼鬼の鬼は勘弁だけど、なんのための音と光なんだ?って思ってしまう。せっかくインクで全てが表現できるのになぜ文字や言葉を多用する?音と光の仕事を奪うんじゃねえ、と思ってしまう。演出こそアニメの強みだろうが、って。実写と違って物理的誓約がないんだから想像力の限り、こだわり抜いて欲しい。言葉や文字に頼らなかった分で、作品にもっと沢山を詰め込んで欲しい。

倍速再生や10秒飛ばしみたいなことは一切しなかった。だって面白いもん。キャラクターが次に何を喋るかどう動くかが予想がつかなくて、そんなことをしていたら知らない間に仲間がいなくなってるレベルじゃないだろうか。

ルーシーに喜んで欲しくて、ハッピーエンドを期待して後付けでデイビッドが綺麗さっぱり健康に戻るルートを考えたけど、結局デイビッドもレベッカもキウイも死んだ。続編があるならまだわからないけど、昨今なんだかんだでキャラクターは生き延びちゃったというご都合主義お花畑ヘッドじゃないのも個人的には好きなポイント。

声優良し、キャラデザイン良し、テンポ良し、演出良し、作画に関しては抜群に良し、ストーリーも良し、世界観も良し。言うことなし!

強いて言うならもうちょっと浸っていたかったあの世界に。これは我が儘やね。

刺激が強めなので脳内麻薬がドバドバ出て気持ちが良い。さっき見終わったばかりだけどもっかい見よーっと。

ルーシーが一番でレベッカが二番目ですね。オレンジイズニューブラックでもペンサタッキーが特別好きだったし、ロリコンじゃないけどサイコ女児が好きなのかな?

おーわり
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書感想文】死物語(上)しのぶスーサイド/西尾維新

2021-09-10 19:16:50 | 感想文
ぶっちゃけて言おう。
モンスターシーズンの話覚えてない。

久々に物語シリーズの最新刊が出て、ちょうど見かけたのでその場で上下巻を購入。緊急事態宣言やら自粛ムードやらで読書する時間は十分あったので、この際だしと思い立って既刊を並べて眺めてみることにした・・・んだが、時系列順も発売順もさっぱり分からんレベルで覚えてない。セカンドシーズンぐらいならギリギリ覚えてるけど、それ以降はかなり危うい。

というわけでだらだらと前置きを語ったのは、この本を読む姿勢について最初に述べておきたかったからです。それでは本題の感想文をば。

物語シリーズの魅力はいくつかの大きな要素に分けられる。

1、ミステリー
2、メディアミックスへの期待
3、登場する女性たちの他愛ない会話

である。自分は読書家でなければミステリー小説が大好きな人間でもない。なので作家としての西尾維新の実力も、ミステリー作家としての西尾維新の実力も全く評価する資格を持っていない。ちなみに「ジェノサイド/高野和明」というミステリー小説は面白くてあっという間に読み終えた。

冒頭にもある通り、今回の読書モチベーションははっきり言って惰性である。西尾維新に執心した時期もあったが今となってはすっかり冷めているとはいえ、物語シリーズ既刊をしっかり読破してきたのでせっかくなので読んでおこうという程度。それが大きな理由かは分からないが、それほど心躍るようなタイミングが無かったように思った。ページを進めるにつれてばら撒かれる謎にしてもそれほどフックが効いているように感じなかったし、キャラクター同士のくすりと笑えるような会話も熱狂的な頃に比べたらそれほど魅力を感じなかったし、「どんな風に映像化されるんだろう?!」という期待もあまり湧いてこなかった。

書き手の技やその変化、というよりかは明らかに読み取る側つまり俺の感覚が明らかに当時とは違うんだなと感じた。言葉の使い方・遊び方はさすがいつもの西尾維新で相変わらずの西尾維新でお見事やなぁと思った。

※ここから少しネタバレ

まさかコロナウィルスが物語シリーズの世界に登場するとは思わなかった。今後も続きを書くとして、その設定邪魔にならないのだろうかとか色々心配したが、読み終えた時に今回の感想文を一言でまとめるなら、「西尾維新がコロナウィルス蔓延についてどう思うかが書かれていた」と言えなくもない。あまりディープな話はしていないが(反感を得そうでメリットがないからだろうか)ざっくりと、数年後には今よりも明るくなっていると良いなぁといった具合だ。そんなこんななので、いち一人の読者としては「西尾維新が最近ふわっと感じていることを片手間に聞いてきた」って感じ。

余接ちゃんとの漫才は面白かった。専門家同士の話ならもっとウケるだろうし、待ち望んでいるファンもいると思うんだけど、今か或いは少し先の未来にもまだしばらくやらない理由があるとすればまだまだ先に、お楽しみ(切り札?)をとっておこうというつもりなのだろうか。下巻でがっつりやられてたりして。

そろそろまとめて終わりにしよう。

「しのぶスーサイド」は、めちゃめちゃ面白いわけではないがクソつまらないわけでもない。言葉の選び方は相変わらずぶっ飛んだセンスを感じるし、本当に言葉遊びが好きなんだなぁと思うしそれは読んでいて楽しい。けど、なんだか最後まであまりワクワクしなかった。読み方が悪かったのかなぁ?とも思う。ぱっと見、下巻のほうが面白そう。

おーわりっ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする