女性は男性を魅了し、子を宿し、子を育てる。腕力や運動能力を科学で補う未来に、男性であることの価値は果たして残されているのだろうか?
「近い将来、男の人間はいなくなるだろう」という一説もある。
前線に立たず、ひたすら補助魔法と回復魔法だけを連発し続けるサポート役のようなものを男性が担うことになり、女性は種を引率していく存在になるのだろうか。
女性として生まれたからには、妊娠・出産・授乳という宿命からは選択権があるだけで逃れることはできない。対して男性は生理が無いという点で、その肉体がいくら傷ついたところで「お嫁に行けない」とか、妊娠するために必要な健康状態を気にする必要がない。ゆえに、そういった意味で「身軽な存在」として扱われるのだろうか?つまり(言い方がびっくりするぐらいドライだが)「女性は種の繁栄に不可欠。男性は死ぬほど働け。」的な。
受精する方法も、いつかは機械的な処置によって済まされる時代がくるかもしれない。いちいち性器の充血や粘液の分泌といった準備をしなくても、注射器一本で終わっちゃったりして。
進化心理学的には、異性の遺伝子が優れているか否かを人々は無意識に外見や声や匂いで判断している。一般的に遺伝子の多様性が増すほど免疫力は高まるという。混血の成人が、安定した容姿(顔立ちや骨格)を持つのも似たような理由である。
人々はそうやって、なるべく免疫力の高い個体に対し複製する機会を多く持つようにしてきた。しかしそれも科学の力によって補えるようになったとしたら、外見なんてものはただの飾りになる。免疫力の有無を判断するために、主に外見をアテにしていたわけであって、科学の進歩によって外見をアテにするよりも精度の高い検査方法が可能になったら? 何世代かかるかはわからないが、「外見の魅力によって異性の個体としての優秀性を計る」という習性が人間から遅かれ早かれ失われると予想できる。味覚の探知機としての機能が糖尿病やメタボの原因となっているように、太古からの進化によって築かれた性質が誤りだとされる日がくるのかもしれない。
免疫力の有無は置いておくとして、体型や骨格についてはどうだろうか。男性はいつの時代でもボンッキュッボンッでナイスバデーなぴっちぴちの雌が大好きだ。出るところがしっかり出ていて真ん中はきゅっとくびれている、そんな女性が大好きだ。豊かな乳房は、赤子に対する栄養補給の効率度を示し、大きなお尻は胎盤が頑丈であることを示し、艶やかな髪は健康であることを示している。しかし現代では授乳できなくとも十分な栄養補給は可能であり、医学の進歩によって然るべき処置があれば出産時の母体に問題があっても救済する方法が皆無なわけではない。先天性の障害や後遺症のような問題は確かに深刻だが、安全に産むことができて、充分な保護があれば子供はちゃんと大人に成長する。(ここでは精神的な問題:実親からの愛情の欠如から生じる人格障害などは省いている。)
話が長くなったが、有性生殖というコスパの悪い方法はいずれ廃れるのではないかということを言いたいのだ。そしてそれに伴い男という存在の価値も希薄化していくのではないだろうか。
話は変わるが、家畜の話を少し聞いてほしい。家畜は人間が消化・摂取できない物を食べて体内に脂肪として蓄える。家畜は人間のためにその特性が特化している。狭い檻の中で物理的に運動を禁じられ、肥えることを強いられている。それがどうしたかといえば、普段目にする女性の存在がときたま家畜のように見えることがあるのだ。
なぜなら女性が外見的魅力に特化しているからだ。それはつまり「モテたい」=「優秀な生殖相手との機会を増やしたい」ということに他ならないからだ。美容も装飾品も衣服も爪も化粧も髪型も体型も、全てに意識を集中させ、如何にして男性を魅了するかということに特化している。漫画やアニメの世界における美女達はまさにそのハイエンドである。
頭脳明晰で運動神経抜群。ムダ毛の描写は一切なく、ぱっちりとした目に、胃袋入ってんのかよと思うほどくびれている腰。一部では貧乳は正義などともてはやされているが、統計的にはC~Eカップという身長に対して全くバランスを欠かないサイズにおさまっているはずだ。そのほとんどが18歳未満、言うても二十代前半というのは、日本人のロリコン率の高さを示しているわけではなく、「若い=十数年先まで肉体的にも知能的にも可能性に満ち溢れている」ことを価値として認めているのだと個人的に予想している。
家畜が脂肪(栄養)を蓄えることに特化しているのなら
女性は容姿を磨くことに特化していると言える。
イラストレーターが女性キャラクターを描く際は、自分の好みを反映しているようで、実際は多くの男性の欲求を反映している。悲しいことに、星の数ほど量産されている架空の美女は、男性が異性に求める理想の形へ進む収斂していく線の一つでしかない。試しに美少女が描かれている漫画なりアニメなりを見てみるといい。よほど癖のある作者でもない限りどれも似通った形をしているはずだ。CCさくら、綾波レイ、涼宮ハルヒ、初音ミクなどは不本意ながら男性全体の理想に近かったということなのだろう。(なぜか巨乳のキャラはいないが)
さて本題。
長くなったが、もしも「外見から遺伝子の優劣を判断する」という人間の習性が廃れて、女性が外見に対し労力を支払わなくなったら??
・男性はあくまでサポート、オマケ
・男性は滅びゆく存在
・女性は「種の繁栄に不可欠」
・女性は人類という種を引率する
・女性が人類にとって主体となっていく
受精するために、科学或いは医学の発展によりセックスという行為が不要になった。ゆえに、女性は異性に対し注目度を集める必要がない=「モテるための努力が必要ではない」。貧乳、デブ、ガリ、髪はぼさぼさ、肌はぼろぼろ、etcだとしても当時の社会制度にはおそらく精子を取得する権利が保証されていて、女性に生まれたからには適齢期にある程度は受精する精子を選べるようになっているのではないかと予想。貧困格差が存在している時代であれば、おそらく優れた精子を手に入れるには大金を積まなければいけなかったりして。
とにもかくにも、有性生殖が不要になり、半ば事務的に受精・妊娠が可能だとしたら、女性は「可愛く、もしくは綺麗である必要がなくなる」。免疫力や身体能力さえも薬品の投与などでどうにかなる時代には、現代の「可愛い・綺麗」の理想値が過去のものとなっているかもしれない。未来では「当時は乳房・お尻・目が大きくてくびれのある女性が人気だった」といったように歴史の教材に載っているかもしれない。
最近、二次元の美少女を目にする機会が多くて感じたことを書きました。
おーわりっ。